目的
- 胸腔内に貯留した滲出液や分泌物、血液や空気を体外に排出する
- 陰圧を回復させ陰圧に保たれている胸腔内から吸引装置を用いて一定の圧で貯留液や空気を吸引することにより肺の膨張を促す
注意点 留意点
- ドレーンチューブは空気漏れのないように連結部位をしっかりとつなぐ
- ドレーンチューブや吸引びんなど、直接患者に接触するものは滅菌されているので不潔にならないよう注意する
- 吸引びんはドレーンチューブより高くしてはならない
- 肺液量は正しく計量し、記録する
- 胸腔内持続吸引は以下のように行う
・低圧持続吸引器とウォーターシール式持続吸引器の両者を併用する
・逆流防止弁付きディスポーサブルのチェストドレナージバッグが主に用いられる
- チェストドレナージバッグの交換や患者が移動するときは必ずドレーンチューブをコッヘルで二箇所止めてから操作する
- 吸引器の除圧は常に指示圧を保つよう、圧力調整パイプの水が蒸発していないかを確認する
- 肺液量は8時間ごとに、また、必要時にチェックし、記録する
- バッグ交換時はドレーンチューブをコッヘルで止めてからスイッチを切る。はずしたチューブの先端は汚染しないように、また、ずれないように止めておく
- 常に排液状態、圧力調整パイプの気泡の状態とともに患者の一般状態を観察する。また、チューブが屈曲したり、圧迫されていないか確かめる
- ドレーンチューブ挿入部の皮膚は毎日消毒し、感染を予防する
- 体位を工夫し、安楽を図る
手順 手技 方法
- 患者が手術室から戻る前に、必要物品をそろえて病室に運び、チェストドレナージバッグをセットする
- 患者がベッドに戻ったら、患側に治療用シーツを敷く
- 胸腔に入れられたドレーンチューブが胸の包帯の上に出ているので、ドレナージバッグとすばやく連結する。チューブのところどころをテープで体に貼って固定する。接続部はテープで巻く
- スイッチを入れ機器の動作、気泡の状態を確かめてから、ドレーンのコッヘルをはずし、コッヘルはいつでも使えるように、そばに下げておく
- ドレーンチューブを抜去するときは折りガーゼを医師に渡し、ドレーンチューブをコッヘルで止め、スイッチを切る。医師がチューブを抜去すると同時にガーゼで創部を圧迫する。滲出液が出なくなったら、イソジン液で消毒し、ガーゼを4つ折にして当てる。その上を看護師はテープで固定する
- 処置用シーツを取り除き、寝衣を伸ばし、掛け物をかけて患者を安楽に休ませる
- 使用物品を持ち帰り、後始末する。
- ドレーンチューブは廃棄する
- 滲出液の量を読み、使用物品で消毒の必要なものは0.5%ヒビテン液に30分間ひたしてから水洗いし、乾燥させる
観察項目 観察ポイント
バイタルサイン 全身状態 胸腔内のエア 貯留液の量 呼吸(回数、音、パターン、困難感)