母乳栄養
- 乳児に最適な成分組織で少ない代謝負担
- 感染症の発症および重症度の低下
- 母子関係の良好な形成
- 出産後の母体回復の促進
以上の利点が挙げられる
授乳間隔
授乳間隔
- 子どもが欲するときに欲するだけ飲ませる方法として、自律授乳法があるが、生後1ヶ月には3時間ごとに1日8回、その後4時間ごとに1日5~6回程度に決まってくる
- 哺乳事態が負担となる疾患や水分制限が必要な場合には搾乳して1日の必要量を分配して頻回に哺乳させる場合がある
授乳時間
- 一回の授乳時間の目安は10~15分間で20分間を超えないようにする
- はじめの5分間で50~60%次の5分間で30~40%が哺乳されると言われている
飲ませ方
- おむつ交換をして衣類を整える
- 母親は流水と石鹸で手を洗い、乳頭、乳房を清潔な蒸しタオルや消毒綿などで拭く
- ゆったりと授乳できる体勢で膝に子供を抱いて腕頭を支え、乳輪まで深く含ませる
- 授乳中は気分をリラックスさせて子どもの吸う力を確認しつつ飲み具合を見る
- 一側の乳房を飲み終えたら他の乳房を吸わせ、次回は反対側から飲ませ始める
- 授乳後は子どもの上体をややうつむき加減に抱くか、肩にかかるような格好で胸に抱いて背をさすったり、軽くたたいて排気をさせる
- 10分くらいしても排気がない場合は右側臥位にして上体を15~30度くらい高くして寝かせる
- 哺乳量を確認するときは授乳直前と直後に更衣をさせず、体重測定をして確認する。その差が哺乳量となる
母乳不足の場合
- 哺乳時間の延長
- なかなか乳首を離さない
- 授乳後短時間で空腹のために泣く
- 便の量・回数が減少する
- 体重の増加が少ない、または減少する
以上の様子が伺える
人工栄養
- 哺乳不足や母親の健康状態が原因で、母乳を十分に与えられない場合には育児用ミルクを用いる
調乳は12~15%でそれぞれの製品によって濃度が決定されている
- 病室では調乳室で無菌的に調乳される必要があり、使用する哺乳びん、調乳用ボウルなどの器材は消毒し、乳首は煮沸または薬液消毒を行う
- 調乳用の微温湯は煮沸後のものを使用する
- よく振って溶かすか、ボウルと撹拌機で十分に溶かし、体温程度に冷まして与える
- 家庭でも調乳を行うには清潔に対する注意が必要であり、煮沸消毒の沸とう時間は10~15分間実施する
授乳の注意
- 乳首は子どもの体重や吸啜力によって選択する。乳首の穴は哺乳びんを逆さにするとポタポタと点状に落ちる程度がよく、7~10分程度で飲み終えるくらいにする
- 乳首をよく含ませ、乳首が常にミルクで満たされているようにして、空気が入らないように傾ける
- ミルクの温度は体温よりもやや高めに設定する
- 飲み方を観察し、嫌がるときには強制的に与えず、残ったミルクはそのつど処分する
- 哺乳量、時間、飲み方を記録して、哺乳量の集計や評価を行い、水分出納に注意を払う