体温測定
- 小児、特に乳児は代謝が盛んで腋窩検温で37.0℃を超えることも珍しくない。
- 新生児は体温調節機能が未熟で環境温度に左右されやすい
- 発達段階や疾患に応じた測定方法を選択する
- 継続した看護の場合は同一方法で測定する
- 口腔検温は危険が大きいため行わない
- 回数は個々の病状によって異なる
直腸検温
- 未熟児、新生児、乳児に行われる。最も正確な体温が得られる。
- 体温計の破損がないこと、水銀が下降していることを確認する
- 潤滑油をつけ、肛門部に2.5~3cm静かに挿入し、1分~1分30秒間保持して測定する
- 体温計の目盛りを正確に読み、汚れをふき取り、消毒液につける
- できるだけ個人専用として消毒後は流水でよく洗い保管する
- 直腸検温が適さないときは直腸、肛門の手術後、肛門または肛門周囲の炎症、下痢、下血糞便が直腸に貯留しているときなどである
- 直腸温は腋窩より0.5~1.0℃高い
- 腋窩検温は幼児・学童に適応されるが、年少児の場合は看護師の支持が必要である
脈拍測定
- 乳児の脈拍は判定が難しく、哺乳や啼泣によって変動する。厳密には静かに眠っているときの値で測定されるべきである
- 安静時、睡眠時に測定する
- 橈骨動脈、総頚動脈、大腿動脈、浅側頭動脈、大泉門で測定できる。
- 脈拍が触知困難な場合には聴診器を児の胸にあて、心拍数を測定する。特に新生児、未熟児、心疾患患者の場合には聴診器を用いて1分間測定し、脈拍の性状や不整、結滞などを観察する
- 心疾患患者の場合は心雑音の観察が重要な場合がある
呼吸測定
- 乳児の呼吸は複式で規則正しいが、睡眠時には時々不整になる。
- 成長するにつれ胸式呼吸となる
- 胸部・腹部の動きをみて1分間計測する
- 乳児は腹式→年長は胸式呼吸が多い
- 乳幼児期には腹部に軽く手を当てて測定する
- 呼吸状態の観察を行い、聴診器で呼吸音を確認することもある
血圧測定
- 新生児の血圧測定は収縮期血圧だけの測定である。血圧は成人よりも低く、マンシェットの幅が狭くなると値は高く出る
- 上腕2/3を覆うサイズを使用する