皆さんはホメられていますか?
ホメられて嬉しい人と、そうでもない人っていると思います。
現代では叱る子育てではなく、ホメる子育てをする人も多いです。
それでは今回はホメるということが本当にいいことなのかどうかを考えていきたいと思います。
ホメることで相手を動かすことができる

「人を動かす」で有名なカーネギーの著書では
「人を動かすには相手をホメなければならない」ということが書かれています。
それは相手に重要感を持たせることが出来るからという理由です。
例えば上司から指示を受ける際に、
「これは誰にでも出来る仕事なんだが、君、やってくれないか?」
と頼まれるよりも
「これは君にしか出来ない重要な仕事なんだ。よろしく頼む」
と頼まれたほうが嬉しいですよね。
人は誰しも承認欲求を持っており、常に他人から認められたいと願っています。
その欲求にアプローチするのがホメるという行為だからです。
例えばトイレに
「いつもキレイに使って頂きありがとうございます」
という張り紙があるのもその効果を期待しているからでしょう。
ホメることで人は相手の期待に答えようとするわけです。
しかし、
「汚さないで!」
という張り紙があったら逆に糞尿だらけの汚いトイレになってしまうかもしれませんね。
つまり、相手を立たせてあげたり、おだてるという行為が人を動かすという行為なのです。
ホメることは相手を奴隷にする行為である

これに対し「嫌われる勇気の」アルフレッド・アドラーによると、
ホメることは相手の承認欲求をむやみに刺激する行為であり、
人間を承認欲求の奴隷にすると言っています。
ホメることによって相手はその期待に答えようとします。
その結果、その人は自分の人生ではなく、他人の人生を生きることになるからです。
例をあげると
親が自分の子供に対して、偏差値の高い大学に入って、将来は大手企業や公務員として勤めてほしいと思っていたとします。
そのためにホメ教育をするとします。
子供は勉強をすることで自分の承認欲求が満たされますので、勉強をするようになります。
しかし、子供がやっていることは、親の言っている事に従っているだけです。
これでは子供が本当にやりたいことや好きなことが見えなくなってしまいます。
子供は親の全ての願いを叶えた後に気づきます。
「これは自分の人生ではない」と。
つまり、相手をホメることは他者の人生を台無しにしかねないということです。
ではどういう場合にホメればいいの?

ホメることで相手を動かせるのであれば、できればそれを利用したい。
ホメることを活用するにはどうすればいいの?ってなりますよね。
それには方法があります。
家庭と会社(ビジネス)で使い分ければいいということです。
つまり、家庭ではアドラーの言うとおりに従い、会社やビジネスの場面ではカーネギーの言ってることが正しいですよ。
ということです。
家庭でホメることを多用していると、先程の事例のように相手と自分の課題の分離ができなくなってしまいます。
その結果、親は子供の人生を生き、子供は親の人生を生きてしまう。
そういったあまり好ましくない人生の構図が出来上がってしまいます。
自分の人生ですから、自分の生きたいように生きることが、アドラー心理学の最重要課題ですし、実際に僕もそれには大賛成。
世の中の人の多くが亡くなる間際に、自分の人生を生きなかったことに後悔するという統計が出ているほど、自分の人生を生きる(挑戦する)ことは人間にとって重要課題なのです。
家庭というのはビジネスと違い、特定の人物と共有する時間が長いので、課題の混同が発生してしまう。
よって課題を分離しましょう(つまりホメるな)。
とうことになります。
一方、会社などの場合、相手が自分の人生を変えてしまうほどの影響力を持つことってあまりないと思います。
なので、上司が部下をホメるということはよく行われていますが、それはそれでいいということです。
つまり、自分も相手を動かすためにホメてもいいのです。
それによって相手の人生が大きく変わるわけじゃない。
つまり、相手があなただけの期待に答えるように生きて、後々後悔することは無いということです。
まとめ
僕も時々上司にホメられます。
どんな会社の上司も、ある程度は部下のマネジメントの勉強をしていると思われますので、そういったホメることの大事さを何らかの形で知っているのでしょう。
しかし、僕はホメられることが、もともと今回ご紹介したような下心から発生しているものだと考えるタイプなので、ホメられて喜ぶタイプではありません。
ここも大事かなと思います。
基本的に内向的な人ってホメられてもあまり、いい受け止め方をしないと思います。
外交的な人は報酬につられやすいので、ホメは的確に作用するのかもしれませんね。
とうことで今回はこれまで。
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