認知行動療法とは自分の思考や行動のクセを把握し、自分の認知・行動パターンを整えていくことで生活や仕事上のストレスを減らしていく方法のことを指します。
聴いたことがある人も多いのではないでしょうか?
認知行動療法を行う上で、必ず出てくるのが自動思考記録表です。
カラム表、コラム、7コラムなどいろいろな呼び方はあるようです。
これらは自分が自分自身の攻撃によってストレスを受けた時に、
自分の身を自分で守るテクニックになります。
これをやるだけでもかなり日常のストレスが減ります。
次に示す表が自動思考記録表です。

自動思考記録表の使い方
それではまず表の一番左の状況から書いていきましょう。
たとえば、
『Aさんが同僚と遠くから小さな声で話をしていた』
としましょう。
次に、そのことで自分が感じたストレスを「感情」の欄に書いていきます。
ここでは怒り、不快、悲しい、虚しいでもいいですし、ムカつくなど様々な感情を客観的にとらえて、書いていきます。
そして、次は自動思考を書いていきます。
陰口を言われたことで、どういった考えが自分の頭に浮かんできたのかを記していきます。
例を挙げると、
- Aさんに悪口を言われたに違いない
- 自分がAさんに何か悪いことをしたのかな・・・・
- 今後いじめに発展するかも知れない・・・
こういった自動思考が浮かんできたらそれをありのままに記入します。
次は「認知の歪み」の欄です。
ここで、自動思考によくあるパターンである「認知の歪み」を10種類ご紹介します。
根拠のない決めつけ
確たる証拠がないのに、自分の思いつきをあたかも正しいと思い込むこと
白黒思考
物事をすべてはっきりさせないと気が済まなくなり、白か黒かという極端な思考を持つこと
極端な一般化
数としてはとても少ない数に過ぎないのに、世の中の多くのことが同様の結果になると決めつけること
部分的焦点つけ
自分が目につくことだけで短絡的な結論を導き出すこと
べき思考
「こうするべき」「あのようにするべき」と決めつけ、「べき」に基づく行動をしてしまうこと
誤った自己責任化
なにか良くないことが起きると、すべてが自分のせいで起きたように思い込み自分を責めてしまう
レッテル貼り
「自分はダメ人間だ」などとレッテルを貼って決めつけてしまう
過大評価・過小評価
自分が関心があることは過大に受け止め、反対に自分の予想や想像に合わない部分は小さく思っていること
感情的な決めつけ
そのときの自分の感情の動きだけがすべてで、実際の現実も感情だけで判断してしまう
自分で実現してしまう予言
自分で否定的な予測をたて自分の行動を決めてしまう。その結果、否定的な予測通りに事が運び、やはり自分の予測は正しいと思い込んでしまう
上記の10種類の認知の歪みにチェックを入れてみましょう。
認知の歪みは人の気持ちを落ち込ませる有害な思考パターン。
これを修正していくという作業が認知行動療法の本質です。
それでは次に、適応的思考の欄に先程伝えた3つの自動思考に対する反論を記していきます。
①Aさんに悪口を言われたに違いない
反論:Aさんに盗聴器を仕掛けて録音していたわけではないので、本当に悪口言われたかどうかはわからない。
証拠がないのに悩むのもおかしな話だ。
②自分がAさんに何か悪いことをしたのかな・・・・
反論:証拠がないので悪いことをしたかどうかはわからない。そんなことを考えても時間んとエネルギーの無駄遣いだ。
③いじめに発展するかも知れない・・・
反論:いじめに発展するかどうかなんてわからないし、その時はその時で対処法を考えればいいこと。
今から悩んでも仕方がない。
そして、最後に今の気分を1~100%の間で記入します。
これらをまとめると次のような表になります。

いかがでしたでしょうか?
この自動思考記録表を書くことによって自分がストレスを受けた時の考え方を把握し、その考えを修正することで、次に同じ症状が現れた際、早期に不安な感情や恐怖の感情に対処することができるようになります。
ぜひ試してみることをおすすめします。
ちなみに自動思考記録表はこちらからダウンロードください。
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