早発一過性徐脈
胎児の危険が迫っている状態ではなく、分娩第1期で児頭圧迫が生じる子宮口4~7cmでみられる。
児頭の下降を判断する所見でもある。
子宮収縮にともなって起こる徐脈である。
子宮収縮の開始から胎児の心拍数が30秒以上の経過でなめらかに下降し、子宮収縮の減退にともなってもとに戻る。
胎児の心拍数の現象が、100bpm以下になることはほぼない。
遅発一過性徐脈
行き過ぎた子宮収縮により、子宮胎盤血流量が減少し、胎児への低酸素状態が生じて高血圧状態であることを表している。
胎児の準備能力が低下し、危険な状態
多くの症例で、徐脈の下降開始、最下点、心拍数の回復が子宮収縮の開始、極期、終了より遅れて見られる。
変動一過性徐脈
子宮収縮にともなって臍帯が圧迫され、臍帯血流量が減少し心拍数が減少している状態。
変動一過性徐脈から胎児心拍数がすぐに戻らず、前の基準胎児心拍数より低い心拍数のレベルに戻る状態であれば、胎児機能不全の危険があることを意味している。
15bpm以上の胎児心拍数減少が30秒未満の短い経過で起こり、その開始からもとに戻るまで15秒以上2分未満をようするもの。
胎児の徐脈は一定の形を示さずに子宮収縮ごとに異なる。