ヘンダーソンの看護観は、人間の基本的欲求を中心に捉えています。これに基づいて、健康な対象と病人に対する人間観を以下のように解釈できます。
健康な対象に対する人間観
ヘンダーソンの看護の定義から、健康な対象に対する人間観は以下のように捉えることができます。
人間は、呼吸、食事、排泄など14の基本的欲求に基づく生活行動を、自分自身の持つ力(病気に打ち勝つパワー)、意志力、知識により自立して充足できる全体的な存在である。
健康な人間は、これらの基本的欲求を自らの力で満たし、生活を営むことができます。これは、個々の人が持つ能力を最大限に活用し、日々の生活を自立して管理できる状態を意味します。
病人に対する人間観
一方、病人に対する人間観は次のように捉えられます。
病人は、基本的欲求を変容させる病理的状態および基本的欲求に影響を及ぼす常時存在する条件によって、患者自身の持っている力、意志力、知識の不足をもたらし、14の基本的欲求に基づく生活行動に変容をきたしている存在である。
病人は、病気や常在条件(年齢、社会的要因、遺伝的要因など)の影響を受け、基本的欲求を自力で満たすことが困難になります。これにより、日常生活における自立が阻害され、看護師の援助が必要となります。
「全体的な存在」とは何か
ここで重要なのは、「全体的な存在」として人間をどう捉えるかです。ヘンダーソンは、人間が24時間、14の基本的欲求の中から足りないあるいは欠けている欲求を充足しながら生活している存在であるとしています。これを理解するために、以下の要素を考慮します。
基本的欲求と常在条件、病理的状態の関連
人間の生活は、以下の3つの要素の関連によって成り立っています。
- 基本的欲求: 呼吸、食事、排泄、活動、休息、衣服、体温の調節、清潔、危険の回避、コミュニケーション、信仰の表現、自尊心の維持など。
- 常在条件: 年齢(産褥期、小児、思春期、青年期、成人期、老年期)、社会的要因(家庭、職場の人間関係、ストレスなど)、遺伝的要因、生物学的要因など。
- 病理的状態: 知覚障害、思考障害、意志障害、自我障害、感情障害など。
これらの要素が関連し合いながら、人間の全体像を形成しています。ヘンダーソンは、これを「基本的欲求に基づいた生活状態と病理的状態および常在条件との関連」として図示しています。これにより、人間の生活がどのように成り立っているかを理解することができます。
看護師の役割
看護師は、患者の基本的欲求を満たすために以下のような援助を行います。
- 弱っている意志力や体力を強化する
- 誤った知識や薄れつつある健康学習を補う
- 回復しつつある生活障害や健康的な生活の維持・増進を助ける
これらの援助を通じて、患者が自立し、より良い生活を送ることができるよう支援します。
まとめ
ヘンダーソンの看護観は、健康な人と病人に対する人間観を基本的欲求を中心に捉えています。健康な人は基本的欲求を自力で満たし、病人は看護師の援助を必要とします。看護師は、患者の基本的欲求を満たすための援助を行い、患者が自立した生活を送ることができるよう支援します。
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