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看護に必要な情報収集

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個人情報保護法に遵守した方法で情報収集を行います。以下は、情報収集項目についての説明です。


患者個人情報

基本的欲求の充足に影響を及ぼす常在条件

この情報は、患者が自己の健康をどう認識しているか、これまでどのような健康状態であったか、本人の考え方などについて収集します。多くの場合、診療録や電子カルテから収集されます。

個人の特定

学生の実習の場合、個人が特定されないように情報収集します。よって、患者の氏名、生年月日、住所は記入しません。性別、年齢層、入院年、入院形態、健康保険(必要な場合のみ)、既婚未婚の有無のみを記入します。

性格、気質

本人の性格および気質が健康回復の障害となっている場合、また看護過程や治療的コミュニケーションを展開する上で必要と思われる場合のみ、診療録または家族から情報収集します。

家族背景およびキーパーソン

家族背景は本人と家族の関係が健康回復に重要な要因となる場合に収集します。キーパーソン(患者の健康回復にとって重要な人)は情報として必要です。

面会、外泊の頻度

誰が面会に来ているか、いつ来ているか、その頻度、外泊の頻度などは社会参加や家族の受け入れ状況を感じ取るキーになります。中には、家族のもとに外泊ができないので、友人宅に外泊する例もあります。


基本的欲求の充足に変化を与える病理的状態

病理的状態は、患者の基本的欲求の未充足状態を抽出する事項が中心となります。ここでは、患者への問いかけの形式も示します。

健康歴

診断名:施設で取り決められている場合、その施設で用いられている略語などで表記してもよいです。

病歴

診療録から簡潔に要点のみ収集します。

  • 主訴(どのような症状があって受診しましたか)
  • 合併症(既往歴)(これまでどのような健康障害がありましたか)
  • 入院目的(何のために入院することになりましたか)
  • 入院までの経過(いつごろから、現在の症状が表れましたか)

検査データの所見

血液検査、心理検査その他の検査で異常所見があり、この異常値が基本的欲求の未充足状態に反映している場合は、看護過程の展開に必要な情報となります。異常所見がなければ「○○検査では所見上特記なし」と記載するか、記載しない。特定の血液検査を継続している場合、異常値がないことも情報として捉えます。

治療的アプローチ

  • 現在の治療内容(現在どのような治療が行われていますか)
  • 身体的治療の内容(薬物治療、電気ショック療法などの特殊治療)
  • 精神的治療の内容(社会療法、リハビリテーション、レクリエーションなど)

アセスメント

看護観察の留意点

看護観察する際に留意する点は次の通りです。

看護観察は、患者と日常生活を共にして行う(参与観察)。

精神症状がベールとなって本来ある身体障害・異常が隠されている場合がある。

言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションは一致しない。

本来必要とする情報収集は、患者との信頼関係を形成しないとできない。

検査データを手がかりに情報収集する。

薬物の副作用と患者の反応、行動を比較して情報収集する。

既往歴や合併症に伴って現れている症状を見逃さない。

アセスメントに不足している情報や疑問点があれば、他の看護師や主治医および家族から情報を得る。

回復過程が目に見えてわからないので、注意深く観察しないと見逃してしまう。


看護観察と基本的欲求に基づいた生活状態のアセスメントの視点

呼吸

喫煙の習慣、喫煙量、タバコの盗行為、喀痰の有無、肺呼吸音の異常の有無、異常な咳嗽、異常呼吸、呼吸数、胸部X線・呼吸機能検査データなど。


まとめ

看護に必要な情報収集は、個人情報保護法に基づいて適切に行うことが重要です。患者の基本的欲求の充足に影響を与える常在条件や病理的状態を把握することで、適切な看護計画を立てることができます。

看護師は、患者との信頼関係を築きながら、患者の生活状態や健康状態を詳しく観察し、必要な情報を収集することで、質の高い看護を提供することができます。

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