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お客様からの

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看護師のための周手術期看護完全ガイド ~基本から分かる7つのポイント~

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はじめに

手術に関わる看護は、患者さんの命を預かる大切な仕事です。手術前の準備から手術後のケアまで、たくさんの知識と技術が必要になります。この記事では、これから手術に関わる看護師さんや看護学生さんのために、周手術期看護の基本となるポイントを、できるだけ分かりやすく説明していきます。最初は覚えることが多くて大変かもしれませんが、一つずつ理解していけば、きっと素晴らしい手術室看護師になれるはずです。

手術前の準備がとても大切

手術の成功は、入念な準備から始まります。手術前の準備では、患者さんの体と心の両方をケアすることが大切です。なぜなら、体が清潔で、心が落ち着いている状態でこそ、安全な手術が可能になるからです。

まず体の準備として最も重要なのが、手術部位の清潔です。手術する部分の毛髪の処理や消毒を丁寧に行います。この時、かみそりで皮膚を傷つけないよう、細心の注意を払います。もし小さな傷でも作ってしまうと、そこから感染する可能性があるからです。

次に、全身の清潔も大切です。手術前日には入浴やシャワーをしてもらい、体全体を清潔な状態にします。爪切りも忘れずに行います。長い爪の中には細菌が潜んでいることがあるため、手足の爪は短く切っておく必要があります。入れ歯や指輪、ネックレスなどの装飾品も外してもらいます。

検査も重要な準備の一つです。血液検査では貧血の有無や血液の凝固能力を調べ、心電図検査では心臓の状態を確認します。レントゲン写真も撮影して、胸やお腹の中に異常がないかチェックします。これらの検査結果に少しでも気になる点があれば、すぐに医師に報告します。

特に気をつけなければいけないのが、普段飲んでいる薬の確認です。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を飲んでいる患者さんは、手術の何日か前から薬を休む必要があることがあります。また、糖尿病の薬や高血圧の薬なども、医師の指示に従って調整が必要です。

心の準備で手術への不安を和らげよう

手術を受ける患者さんは、誰でも不安を感じています。看護師として大切なのは、この不安に寄り添い、少しでも和らげてあげることです。患者さんが安心して手術に臨めるよう、以下のようなポイントに気をつけましょう。

まず、手術の説明は分かりやすい言葉で行います。医療用語をできるだけ避け、イラストや図を使って具体的に説明します。例えば、「執刀」という言葉の代わりに「手術を始める」、「術後」の代わりに「手術の後」というように言い換えます。説明の後は必ず「分からないことはありませんか?」と声をかけ、質問しやすい雰囲気を作ります。

また、手術当日の流れを具体的に説明することも大切です。「朝7時に検温をします」「8時に点滴を始めます」「9時に手術室に向かいます」というように、時間ごとの予定を説明することで、患者さんは心の準備ができます。

手術室での感染予防が重要

手術室は、とても清潔に保たれなければならない場所です。手術部位の感染(SSI:手術部位感染)を防ぐために、様々な対策を行います。

まず、手術室に入る時の準備です。帽子で髪の毛を完全に覆い、マスクは鼻から顎までしっかりとフィットさせます。手術用の服(スクラブ)に着替え、専用の靴に履き替えます。このとき、廊下を歩いた靴のまま手術室に入らないよう注意が必要です。

手洗いも非常に重要です。手術時の手洗い(サージカルスクラブ)は、普段の手洗いとは比べものにならないほど丁寧に行います。まず、爪ブラシを使って指先から肘までブラッシングします。その後、消毒薬で2回手洗いを行い、完全に乾かしてから滅菌手袋を着用します。

手術中は、清潔領域(無菌野)と不潔領域をしっかりと区別することが大切です。清潔な器具や滅菌物を扱う時は、必ず滅菌手袋を着用し、不潔になったと感じたら迷わず手袋を交換します。「たぶん大丈夫」という判断は絶対に禁物です。

強酸性水湿潤マットの正しい使い方

最近の手術室では、感染予防のために強酸性水湿潤マットが広く使用されています。このマットには強い殺菌効果があり、特にMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの耐性菌に対しても効果を発揮します。

強酸性水湿潤マットは、使い方を間違えると効果が半減してしまいます。まず、マットの湿り気を確認することが大切です。乾燥していると効果が落ちるため、手術前に強酸性水を適度に補充します。ただし、水分が多すぎると患者さんが不快に感じるため、程よい湿り気を保つことがポイントです。

患者さんを手術台に寝かせる時は、手術部位がマットにしっかりと接触するように注意します。マットと皮膚の間に隙間ができてしまうと、十分な殺菌効果が得られないからです。また、手術中にマットがずれないように、患者さんの体位を固定することも重要です。

手術中の観察ポイント

手術中は、患者さんの状態を常に観察し続けることが重要です。特に注意が必要なのは、バイタルサイン(生命徴候)の変化です。具体的には、以下のような項目を継続的に観察します。

まず、血圧と脈拍の変化です。手術中は出血や麻酔の影響で血圧が変動することがあります。低すぎる場合は出血や麻酔が深すぎる可能性、高すぎる場合は痛みや不安が強い可能性があります。脈拍も同様に、不整脈や頻脈に注意が必要です。

次に、呼吸状態の観察です。人工呼吸器を使用している場合は、設定された値通りに換気が行われているか、酸素飽和度は適切か、呼吸音に異常はないかなどをチェックします。手術中の体位によっては、呼吸が浅くなることもあるため、注意深い観察が必要です。

体温管理も重要なポイントです。手術室は一般的に温度が低めに設定されているため、患者さんの体温が下がりやすい環境です。低体温になると、手術後の回復が遅れたり、感染のリスクが高まったりするため、適切な保温対策が必要です。

手術後のケアで回復をサポート

手術が終わった直後は、患者さんにとって最も慎重なケアが必要な時期です。麻酔からの覚醒状態、呼吸・循環動態、痛みの程度など、様々な観察とケアが必要になります。

まず重要なのが、麻酔からの覚醒状態の観察です。意識レベルは清明か、指示に応じることができるか、嘔気や嘔吐はないかなどをチェックします。麻酔の影響で一時的に混乱状態になることもあるため、ベッド柵はしっかりと上げ、必要に応じて抑制帯を使用することもあります。

痛みのコントロールも重要です。手術直後は強い痛みを感じることが多いため、医師の指示に従って適切に鎮痛薬を使用します。痛みは数値で評価し(例:0~10のスケール)、その推移を記録します。痛みが強すぎると、深呼吸や早期離床の妨げになってしまうため、積極的な痛みの管理が必要です。

また、手術創の観察も欠かせません。出血や浸出液の有無、創部の発赤や腫脹、熱感などをチェックします。ドレーンが挿入されている場合は、排液の性状や量も確認します。異常が見られた場合は、速やかに医師に報告することが大切です。

患者さんとのコミュニケーションを大切に

周手術期看護において、患者さんとの良好なコミュニケーションは、安全で質の高い看護を提供するための基本となります。

手術前は、患者さんの不安や疑問に丁寧に対応することが大切です。「分からないことは何度でも聞いてくださいね」と声をかけ、患者さんが質問しやすい雰囲気を作ります。また、手術に向けての準備を一緒に確認することで、患者さんの主体的な参加を促すことができます。

手術後も、こまめな声かけと観察が重要です。「痛くありませんか?」「体の位置は楽ですか?」など、具体的に尋ねることで、患者さんの小さな変化も見逃さないようにします。また、回復状況を具体的に伝えることで、患者さんの回復への意欲を高めることができます。

まとめ~より良い周手術期看護を目指して~

周手術期看護は、手術前から手術後まで、患者さんの命と安全を守る大切な仕事です。この記事で紹介した基本的なポイントを理解し、実践することで、より質の高い看護を提供することができます。

新人看護師さんや看護学生さんは、最初は覚えることが多くて大変かもしれません。しかし、一つ一つの基本をしっかりと身につけ、先輩看護師に分からないことを積極的に聞きながら、少しずつステップアップしていきましょう。

手術に関わる看護は決して簡単な仕事ではありませんが、この仕事を通じて患者さんの回復をサポートできることは、とてもやりがいのあることです。これからも患者さんの気持ちに寄り添い、安全で質の高い看護を提供できるよう、日々学び続けていきましょう。

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