はじめに
みなさん、こんにちは!「手術」と聞くと、大きく体を切って治療するイメージがありますよね。でも、最近の手術は本当に進化していて、患者さんの体への負担が少ない方法がたくさん開発されています。今日は、現代の手術について、できるだけ分かりやすく説明していきたいと思います。
手術の歴史と進化
昔の手術は、確かに大きく切って、患者さんの体に大きな負担がかかるものでした。でも今は違います。小さな傷で済む手術や、傷を付けずに治療できる方法まで登場しています。
例えば、私が以前担当した胆石の患者さん。昔なら、お腹を大きく切って手術をしていましたが、今は小さな穴を3~4個開けるだけで手術が可能です。患者さんからも「思ったより痛くなかった」「傷跡も小さくて安心」という声をよく聞きます。
最新の手術方法
内視鏡手術
内視鏡手術は、今とても注目されている手術方法です。体に1センチ程度の小さな穴を数個開けて、カメラと細い手術器具を入れて行う手術です。
この手術のメリットは、傷が小さいだけでなく:
- 手術後の痛みが少ない
- 入院期間が短くなる
- 早く日常生活に戻れる
といった点があります。
カテーテル手術
カテーテル手術は、血管の中に細い管(カテーテル)を入れて行う手術です。特に心臓や血管の病気を治療する時によく使われます。例えば、私が担当した心臓の冠動脈が狭くなった患者さんは、手首や足の付け根の血管からカテーテルを入れて治療を行いました。
この手術のすごいところは、体を切る必要がほとんどないということです。そのため、高齢の患者さんや体力の弱い患者さんでも受けやすい手術方法となっています。
ロボット手術
最近特に注目を集めているのが、ロボット手術です。専用のロボットを使って、とても細かい作業を正確に行える手術方法です。医師が3D画面を見ながら、ロボットを操作して手術を行います。
私が働く病院でも、前立腺がんの手術でロボット手術を行っています。従来の手術と比べて:
- より細かい作業が可能
- 手術中の出血が少ない
- 術後の痛みが少ない
という利点があります。
移植手術について
移植手術は、病気で働きが悪くなった臓器の代わりに、新しい臓器を移植する手術です。心臓、肝臓、腎臓など、様々な臓器の移植が行われています。
ただし、移植手術には厳しい決まりがあります。ドナー(臓器を提供する人)とレシピエント(臓器を受け取る人)の条件が合うかどうかや、手術後の免疫抑制剤の使用など、たくさんの注意点があります。
最新の手術室の設備
現代の手術室は、まるでSF映画に出てくるような最新設備が整っています。手術台も進化して、患者さんの体への負担が少なく、手術がしやすい位置に自由に動かせるようになっています。
私が働く病院の手術室には、大きなモニターがいくつも設置されていて、患者さんの体の中の様子や、vital sign(心拍数、血圧、酸素飽和度など)を常にチェックすることができます。このリアルタイムでの患者さんの状態確認が、安全な手術につながっています。
手術前の準備
手術の成功には、準備がとても大切です。患者さんには:
- 術前の検査(血液検査、心電図、レントゲンなど)
- 食事制限(手術の8時間前からは食べ物を控える)
- 薬の確認(普段飲んでいる薬の調整)
などをしっかり行っていただきます。
特に注意が必要なのが、お薬の確認です。例えば、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、手術の1週間前から中止が必要な場合があります。私たち看護師は、患者さんが安心して手術を受けられるよう、丁寧に説明を行います。
手術後のケア
手術が終わってからのケアも、とても重要です。最近はERAS(イーラス)という考え方が広まっています。これは「手術後の早期回復を促進するプログラム」のことで、次のようなケアを行います:
手術当日から、できるだけ早く:
- ベッドから起き上がる
- 水分を飲む
- 歩き始める
こうすることで、合併症を防ぎ、早く退院できるようになります。実際に、この方法を取り入れてから、患者さんの回復が早くなったという報告が多く出ています。
よくある手術の合併症と予防
手術後に気をつけなければならない合併症について説明します。術後の合併症を予防することは、私たち看護師の大切な仕事の一つです。
肺炎の予防
手術後の患者さんは、痛みのために深い呼吸がしづらく、肺炎になりやすい状態です。そこで私たちは:
- 深呼吸の励行
- 早期離床(できるだけ早くベッドから起きること)
- 口腔ケア(お口の中を清潔に保つこと)
などのケアを行います。
例えば、私が担当した高齢の患者さんは、「痛くて動きたくない」と言っていましたが、「肺炎予防のために少しずつ動きましょう」と励まし、ゆっくりと歩行練習を始めました。その結果、肺炎を起こすことなく、順調に回復することができました。
血栓予防
手術後は血栓(血の固まり)ができやすい状態です。血栓ができると、肺塞栓症という重い合併症を引き起こす可能性があります。予防のために:
- 弾性ストッキングの着用
- 下肢のマッサージ
- 早期離床
を行います。
これからの手術の発展
手術の技術は、日々進化を続けています。最近では:
- AIを活用した手術支援システム
- 3Dプリンターで作った臓器モデルを使った手術シミュレーション
- VR(バーチャルリアリティ)を使った手術トレーニング
など、新しい技術が次々と開発されています。
これらの技術により、より安全で、より患者さんに優しい手術が可能になってきています。
まとめ:看護師として知っておきたいこと
手術に関わる看護師として、特に覚えておきたいポイントは:
- 術前の準備をしっかりと行うこと
- 患者さんの不安を和らげる声かけを心がけること
- 術後の合併症予防に努めること
- 新しい手術方法や技術について、常に学び続けること
です。
手術は患者さんにとって不安な出来事です。でも、私たち看護師がしっかりとサポートすることで、安心して手術に臨んでもらうことができます。これからも、患者さんに寄り添う看護を心がけていきましょう。
編集後記
この記事を読んでくださった看護師・看護学生の皆さん、手術に関する知識は日々アップデートが必要です。最新の情報をキャッチアップしながら、患者さんにより良いケアを提供していきましょう。一緒に頑張りましょう!