はじめに
看護実習は、将来の看護師としての第一歩となる重要な学習機会です。しかし、時として教員からの厳しい指導に戸惑い、実習に対する不安が大きくなってしまうこともあります。教員の指導は、決して学生を追い込むためではなく、良い看護師を育てたいという思いからなのです。
今回は、教員に目をつけられやすい特徴とその対策について、実践的なアドバイスを交えながら詳しく解説していきます。
看護実習で求められる基本姿勢
医療者としての心構え
看護実習では、技術の習得以上に、医療者としての基本的な姿勢が重要視されます。教員は、将来患者さんの命を預かることになる看護師としての適性を、実習を通して見極めようとしています。以下のような点が特に注目されます:
- 責任感と時間管理能力
- コミュニケーション能力
- チーム医療への適応力
- 患者さんへの接し方
- 学習意欲と向上心
教員に目をつけられやすい特徴と改善のポイント
1. 提出物の期限管理に関する問題
期限を守れない学生は、教員から最も厳しく指導される傾向にあります。これには深い理由があります:
医療現場では、投薬や処置のタイミングが患者さんの生命に直結します。そのため、時間や期限を守る習慣は、看護師として絶対に必要な資質とされています。実習記録や課題の提出期限を守れない学生は、この基本的な資質に疑問を持たれやすいのです。
具体的な改善策:
- スケジュール管理アプリや手帳を活用し、期限を見える化する
- 提出物は必ず前日までに完成させる習慣をつける
- 体調管理をしっかりし、突発的な遅れを防ぐ
- 提出が遅れそうな場合は、必ず事前に相談する
- 課題は計画的に進め、一度に詰め込まない
2. 約束事に対する姿勢の問題
約束を守れない学生も、教員から厳しく見られます。医療現場では、以下のような場面で約束を守ることが極めて重要です:
- 医師からの指示実施
- 患者さんとの約束
- 看護ケアの時間厳守
- 申し送り事項の確実な実施
具体的な改善策:
- 約束事は必ずメモを取る習慣をつける
- 不明点はその場で確認する
- スケジュール表を作成し、約束時間を管理する
- 変更が必要な場合は、早めに報告・相談する
- リマインダーを設定して忘れを防ぐ
3. コミュニケーションに関する問題
挨拶の重要性
挨拶は、医療現場におけるコミュニケーションの基本中の基本です。以下のような場面で特に重要視されます:
- 朝の出勤時の挨拶
- 患者さんの部屋への入退室時
- カンファレンスルームでの挨拶
- 実習指導者との対面時
- 病棟スタッフとのすれ違い時
改善のためのポイント:
- 明るく元気な声で挨拶する
- 相手の目を見て挨拶する
- 患者さんへの挨拶は特に丁寧に
- 実習メンバーとも積極的に挨拶を交わす
- 緊張していても、笑顔を心がける
アイコンタクトの問題
目を合わせない態度は、以下のような懸念を教員に抱かせます:
- コミュニケーションへの消極性
- 自信のなさ
- 指導内容への関心の低さ
- 患者対応への不安
具体的な練習方法:
- 鏡を見ながら会話の練習をする
- 友人と練習会話をする
- オンライン会議で意識的に実践する
- 緊張する場合は、相手の眉間を見る
- 少しずつ視線を合わせる時間を増やす
4. 学習態度に関する問題
授業中の態度
実習前の普段の授業での態度も、教員の評価に大きく影響します:
- 私語をする
- スマートフォンを見る
- 居眠りをする
- 遅刻や早退が多い
- 授業に消極的な態度を示す
改善のための具体策:
- 前列の席に座る
- ノートをしっかりと取る
- 質問を積極的にする
- グループワークに貢献する
- 提出物は期限厳守で出す
実習中の学習姿勢
実習中は特に以下の点が注目されます:
- カンファレンスでの発言
- 実習記録の内容
- 質問の仕方
- 指導への反応
- 自己学習の取り組み
実習を成功に導くための具体的な戦略
1. 記録の書き方のコツ
実習記録は単なる日誌ではなく、あなたの看護観や思考プロセスを評価する重要な材料です。以下の点に注意して記載しましょう:
- 客観的事実と主観的解釈を明確に区別する
- 医学用語は正確に使用する
- 略語は最初に正式名称を記載する
- 患者さんの変化は時系列で記録する
- 看護計画は具体的に記載する
2. 効果的な報告・連絡・相談(ホウレンソウ)
医療現場での「報告・連絡・相談」は、以下のような場面で特に重要です:
- 患者さんの状態変化
- ケアの実施前後
- 分からないことがあったとき
- 予定の変更が生じたとき
- ミスや失敗をしたとき
報告のポイント:
- 必要な情報を簡潔にまとめる
- 5W1Hを意識して伝える
- 緊急性の高い内容は最初に伝える
- メモを取って漏れがないようにする
- 相手の理解を確認する
3. 効果的な質問の仕方
質問は、学習意欲を示す重要な機会です。以下のような姿勢で臨みましょう:
- 質問前に自分で調べる
- 質問内容を整理してから尋ねる
- タイミングを考えて質問する
- 質問の答えはメモを取る
- 理解できるまで確認する
困ったときの対処法
1. 指導が厳しいと感じたとき
- 指導の意図を冷静に考える
- メモを取って改善点を整理する
- 必要に応じて教員に相談する
- 仲間と情報交換する
- 精神的に追い詰められそうな時は早めに相談する
2. 実習記録で悩んだとき
- 教科書や参考書を活用する
- 過去の記録を見直す
- グループメンバーと相談する
- 早めに教員に相談する
- 記録時間を確保する
まとめ:より良い実習を目指して
看護実習は、専門職としての第一歩を踏み出す重要な機会です。教員からの指導は、時に厳しく感じることもありますが、それは皆さんが優れた看護師になることを願っているからこそです。
以下の点を意識して実習に臨みましょう:
- 基本的なマナーと態度を大切にする
- 時間と約束を守る
- 積極的にコミュニケーションを取る
- 学習意欲を示す
- 指導内容を真摯に受け止める
最後に、実習に不安を感じている皆さんへ。誰もが同じような不安や悩みを抱えています。一人で抱え込まず、仲間や先輩、教員に相談することも大切です。この記事で紹介した対策を実践することで、必ず道は開けるはずです。
皆さんが充実した実習を送り、素晴らしい看護師になられることを心から願っています。頑張ってください!