1. 脳性麻痺って何?
脳性麻痺は、赤ちゃんが生まれる前から生後4週間までの間に脳にダメージを受けることで起こる運動障害です。このダメージは進行しないので、脳性麻痺の症状は変わることがありますが、悪化することはありません。
2. 原因は何?
脳性麻痺の原因は、ダメージが発生する時期によって異なります。
- 出生前: 母親のお腹の中で感染症にかかることや、胎盤の機能不全、胎児期の脳血管障害、脳の形成異常など。
- 出生時: 酸素が足りなくなること(低酸素症)、脳への血流が不足すること(脳虚血)、頭の中で出血が起こること(頭蓋内出血)、感染症など。
- 出生後: 頭の中で感染症が起こること(頭蓋内感染症)、脳内での出血、脳の血管が詰まること(脳塞栓)、重症の黄疸など。
3. どんな症状が出るの?
脳のどこがダメージを受けたかによって、さまざまな症状が出ます。
- 大脳白質の傷害: 筋肉が硬くなり、関節が動きにくくなる(痙性麻痺)。
- 大脳基底核の傷害: 自分の意思とは関係なく体が動いてしまう(不随意運動)。
- 小脳の傷害: 動きがぎこちなくなる(運動失調)。
4. どんな合併症があるの?
脳性麻痺には、以下のような合併症があることがあります。
- 視聴覚障害: 目や耳の機能が低下する。
- 精神遅滞: 知的発達が遅れる。
- てんかん: 突然のけいれん発作が起こる。
- 嚥下障害: 食べ物を飲み込むのが難しくなる。
- 呼吸障害: 呼吸がしにくくなる。
5. 日本での現状は?
日本では、1,000人の赤ちゃんが生まれるうち、1〜2人が脳性麻痺になります。症状の重さは人それぞれで、寝たきりの状態から歩くことができる状態までさまざまです。
6. どうやって診断するの?
脳性麻痺は、以下のような症状で診断されます。
- 運動障害: 体が硬くなったり、突っ張ったりする。
- 姿勢の異常: 普通の姿勢がとれない。
- 反射の異常: 赤ちゃんの時期にしか見られない反射が残っている。
7. 治療やサポートはどうするの?
脳性麻痺の治療やサポートには、以下の方法があります。
- リハビリテーション: 専門のリハビリを受けることで、運動能力を高める。
- 手術: 症状が重い場合には、手術をすることもある。
- 薬物療法: けいれんを抑える薬などを使う。
脳性麻痺の子供たちは、適切なサポートを受けることで、より良い生活を送ることができます。看護師や看護学生として、彼らのサポートをするためには、脳性麻痺についての理解を深めることが大切です。