こんにちは、看護学生の皆さん。
今回は、産褥期における母体の生理的変化、特に体温、脈拍、血圧の変化について詳しく解説します。
この知識は、将来の臨床現場で母体のケアを行う上で非常に重要です。
しっかりと理解して、適切なケアが提供できるようになりましょう。
1. 産褥期とは
まず、産褥期について簡単におさらいしましょう。
- 定義: 分娩終了後から、母体の生殖器が妊娠前の状態に戻るまでの期間
- 期間: 通常6〜8週間(個人差あり)
- 重要性: 母体の回復と新生児のケアが同時に行われる重要な時期
産褥期には、全身のさまざまな器官系統に生理的変化が起こります。今回は特に、体温、脈拍、血圧の変化に焦点を当てて解説していきます。
2. 産褥期の体温変化
2.1 正常な体温変化
産褥期の体温変化には、以下のような特徴があります:
- 分娩直後: 軽度の体温上昇が見られることがある
- 原因: 筋肉疲労、体液損失、精神的興奮など
- 上昇幅: 通常0.2〜0.3℃程度
- 産褥期全般: ほとんどの場合、37℃を超えない
- 日内変動: 非妊娠時と同様、朝低く夕方高い傾向がある
2.2 異常な体温上昇
以下のような場合は、異常を疑う必要があります:
- 37.2℃以上の発熱: 軽度の感染症の可能性
- 38.0℃以上の発熱が産褥10日以内に2日以上続く: 産褥熱の可能性
2.3 発熱の原因
産褥期の発熱には、様々な原因が考えられます:
- 乳腺炎: 乳房の腫れ、痛み、発赤を伴う
- 子宮内感染: 悪露の異常(悪臭、多量)を伴うことが多い
- 尿路感染症: 排尿時痛、頻尿などの症状がある
- 深部静脈血栓症: 下肢の腫脹、疼痛を伴う
2.4 観察のポイント
- 1日2回以上の定期的な体温測定
- 発熱時の随伴症状の確認(乳房、子宮、下肢の状態など)
- 悪露の性状、量、臭いの観察
- 患者の主観的症状(疼痛、倦怠感など)の聴取

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3. 産褥期の脈拍変化
3.1 正常な脈拍変化
産褥期の脈拍変化には、以下のような特徴があります:
- 分娩直後: 一時的に不安定になることがある
- 原因: 出血、疼痛、精神的興奮など
- 通常の範囲: 60〜90回/分
- 産褥遅脈(徐脈): 40〜50回/分の脈拍が2〜5日間持続することがある
- 原因: 子宮循環の消失、腹腔内圧の低下による交感神経緊張の緩和
3.2 異常な脈拍変化
以下のような場合は、異常を疑う必要があります:
- 90回/分を超える頻脈: 出血、感染、疲労、心不全などの可能性
- 極端な徐脈(40回/分未満): 心疾患の可能性
3.3 脈拍異常の原因
- 出血: 頻脈、血圧低下、顔面蒼白などを伴う
- 感染: 発熱、悪寒、倦怠感などを伴う
- 疲労: 睡眠不足、過度の身体活動などが原因
- 心疾患: 呼吸困難、浮腫などを伴うことがある
3.4 観察のポイント
- 定期的な脈拍測定(1日3回以上)
- 脈拍の質(リズム、強さ)の確認
- 随伴症状(発熱、出血、疼痛など)の観察
- 患者の活動状況や疲労度の確認
4. 産褥期の血圧変化
4.1 正常な血圧変化
産褥期の血圧変化には、以下のような特徴があります:
- 分娩直後: 一時的に上昇することがある
- 原因: 疼痛、興奮、子宮収縮など
- 産褥期全般: 徐々に非妊娠時の値に戻る
- 通常の範囲: 収縮期血圧90〜140mmHg、拡張期血圧60〜90mmHg
4.2 異常な血圧変化
以下のような場合は、異常を疑う必要があります:
- 140/90mmHg以上の高血圧: 妊娠高血圧症候群の遷延や新規発症の可能性
- 90/60mmHg未満の低血圧: 出血や脱水の可能性
4.3 血圧異常の原因
- 妊娠高血圧症候群: 産褥期も持続または新たに発症することがある
- 大量出血: 低血圧、頻脈、意識レベルの低下などを伴う
- 脱水: 水分摂取不足、過度の発汗、下痢などが原因
- 疼痛: 強い疼痛により一時的に血圧が上昇することがある
4.4 観察のポイント
- 定期的な血圧測定(1日3回以上)
- 妊娠末期の血圧値との比較
- 随伴症状(頭痛、視覚異常、浮腫など)の確認
- 出血量や水分バランスの観察
5. 看護ケアのポイント
産褥期の母体を適切にケアするために、以下のポイントに注意しましょう:
- 定期的な観察: 体温、脈拍、血圧を定期的に測定し、記録する
- 全身状態の確認: 顔色、意識レベル、疲労度などを観察する
- 出血量の確認: パッドの交換頻度や悪露の性状を確認する
- 乳房の観察: 乳房の張り、痛み、発赤などがないか確認する
- 水分出納のバランス: 適切な水分摂取を促し、排尿量を確認する
- 休息の確保: 十分な睡眠と休息が取れるよう環境を整える
- 早期発見・早期対応: 異常の兆候を見逃さず、速やかに報告・対応する
6. まとめ
産褥期における体温、脈拍、血圧の変化を理解し、適切に観察・評価することは、看護師として非常に重要な役割です。正常な変化と異常な変化を見分け、早期に適切な対応をとることで、母体の健康を守り、安全な産褥期を支援することができます。
以下の点を特に覚えておきましょう:
- 体温: 通常37℃を超えない。37.2℃以上の発熱には注意が必要。
- 脈拍: 通常60〜90回/分。90回/分を超える頻脈は要注意。
- 血圧: 通常90〜140/60〜90mmHg。極端な高血圧や低血圧には注意が必要。
これらの知識を基に、個々の患者さんの状態を的確に判断し、適切なケアを提供できるよう、日々の学習と経験を重ねていってください。産褥期の母体ケアは、新しい命の誕生と家族の幸せを支える大切な仕事です。皆さんの活躍を期待しています!

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7. 参考文献・推奨図書
- 我部山キヨ子, 武谷雄二 (編). (2020). 助産学講座7 助産診断・技術学II [実践編]. 医学書院.
- 日本産科婦人科学会 (編). (2020). 産婦人科診療ガイドライン産科編2020. 日本産科婦人科学会.
- 森恵美 (著). (2019). 系統看護学講座 専門分野II 母性看護学概論 母性看護学1. 医学書院.
これらの文献を参考に、さらに深い知識を身につけていってください。臨床での経験と合わせて学ぶことで、より実践的な理解が深まるはずです。頑張ってください!