看護学生の皆さん、関連図の作成に悩んでいませんか。
実習記録や事例検討で必ず求められる関連図は、患者さんの全体像を理解し、適切な看護計画を立てるために欠かせないツールです。
しかし、多くの学生がどこから手をつけていいかわからないという壁にぶつかります。
この記事では、看護関連図の基本的な書き方から実践的なルールまで、誰でも理解できるよう丁寧に解説していきます。
看護関連図とは何か
看護関連図は、患者さんの疾患、症状、検査データ、心理状態などの情報を視覚的に整理し、それらの因果関係を明確にするための図式です。
単なる情報の羅列ではなく、各要素がどのように関連しているかを矢印や線で結んで表現することで、患者さんの状態を多角的に捉えることができます。
関連図を作成する最大のメリットは、複雑な患者情報を整理し、看護問題の優先順位を判断しやすくなることです。
特に実習では、指導者や教員に患者理解の深さを示す重要な資料となります。
関連図作成前の準備
関連図を書き始める前に、まず患者さんに関する情報を徹底的に収集することが重要です。
カルテや検査結果、医師の診断、看護記録などから、疾患名、現在の症状、バイタルサイン、検査データ、既往歴、生活背景などを把握します。
情報収集の段階では、すべての情報を書き出すつもりで取り組みましょう。
後から不要なものを削る方が、情報不足で関連図が薄くなるよりもはるかに良い結果を生みます。
また、患者さん本人や家族から得られた主観的な訴えも重要な情報源です。
痛みの程度、不安の内容、日常生活での困りごとなど、数値化できない情報が看護の視点を豊かにします。
関連図の基本構造
関連図には一定の構造があり、この枠組みを理解することが作成の第一歩です。
中心には患者さんの主要な疾患や健康問題を配置します。
そこから放射状に、疾患に関連する病態生理、症状、検査データ、治療内容などを配置していきます。
基本的な配置のルールとして、原因となるものを上流に、結果となるものを下流に配置することが推奨されます。
例えば、糖尿病の患者さんであれば、インスリン分泌不全が上流にあり、そこから高血糖、さらに多尿や口渇などの症状へと繋がっていきます。
矢印は因果関係を示すため、何が何を引き起こしているのかを常に意識して描くことが大切です。
関連図作成の具体的手順
実際に関連図を作成する際は、まず紙の中央に主疾患を書くところから始めます。
次に、その疾患の病態生理を思い出しながら、どのような身体的変化が起こるかを考えます。
病態生理の知識が曖昧な場合は、教科書や参考書で確認しながら進めることをお勧めします。
疾患から派生する症状や徴候を書き加えたら、それらが患者さんの日常生活にどのような影響を与えているかを考えます。
例えば、呼吸困難があれば活動制限に繋がり、それが筋力低下のリスクを高めるといった具合です。
検査データも重要な要素として、異常値があればその意味を考え、疾患や症状との関連を矢印で結びます。
治療についても同様に、どの薬剤がどの症状に対して処方されているのか、どの検査がどの症状の評価のために行われているのかを明確にします。
関連図作成のルールとコツ
関連図には守るべきいくつかの重要なルールがあります。
まず、矢印は必ず因果関係を示すものでなければなりません。
単に関連があるというだけでは不十分で、何が何を引き起こしているのかが明確でなければ意味がありません。
色分けも効果的な表現方法です。
例えば、病態生理を青、症状を赤、検査データを緑、治療を黄色といった具合に分類すると、視覚的に理解しやすくなります。
文字の大きさや配置にも気を配りましょう。
重要な要素は大きく書き、関連図全体のバランスを考えながら配置することで、見やすく分かりやすい図になります。
一度で完璧を目指さないこともコツの一つです。
下書きを何度も書き直しながら、情報の過不足や矢印の適切さを確認していく過程が大切です。
よくある間違いと改善方法
関連図作成でよく見られる間違いの一つが、情報の羅列になってしまうことです。
各要素を書き出しただけで、それらの関連性が示されていない関連図は、本来の目的を果たしていません。
矢印がない、または少ない関連図は、患者理解が浅いと判断されてしまいます。
もう一つの典型的な誤りは、病態生理の理解不足です。
疾患名だけ書いて、なぜその症状が出現するのか説明できない関連図では、看護計画に繋げることができません。
教科書レベルの知識で構わないので、基本的な病態生理は必ず押さえておきましょう。
また、患者さん個別の情報が欠けているケースも多く見られます。
一般的な疾患の関連図ではなく、目の前の患者さん固有の年齢、生活背景、価値観などを反映させることが重要です。
関連図から看護問題を導く方法
完成した関連図は、看護問題を抽出するための貴重な資料になります。
関連図を見渡して、患者さんが現在困っていること、将来リスクとなりうることを見つけ出します。
優先順位の高い問題は、生命に直結するもの、苦痛が大きいもの、患者さんが最も気にしているものなどです。
関連図上で複数の矢印が集まっている部分は、特に注意が必要な問題である可能性が高いです。
そこから具体的な看護目標と看護計画を立案していくことで、根拠のある看護実践が可能になります。
関連図は作って終わりではなく、患者さんの状態変化に応じて常に更新していくものだということを忘れないでください。
日々の観察で得られた新しい情報を追加し、改善した症状は色を変えるなど、生きた資料として活用することが大切です。
まとめ
看護関連図は、患者さんの全体像を把握し、質の高い看護を提供するための必須スキルです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、基本的なルールを守り、繰り返し練習することで必ず上達します。
情報収集を丁寧に行い、病態生理の理解を深め、因果関係を意識して矢印を引くことが、わかりやすい関連図作成のポイントです。
完璧を目指すよりも、まず手を動かして描いてみることから始めましょう。
関連図作成を通じて、あなたの看護の視点は確実に広がり、深まっていくはずです。








