小児科実習に不安を感じていませんか。
子どもに泣かれて困惑したり、発達段階とアセスメントの関連づけに悩んだり、親への対応に戸惑ったりするのは誰もが通る道です。
でも安心してください。
この記事では、小児科実習でよく遭遇する2歳児の急性期看護について、看護過程の考え方を分かりやすく解説します。
小児科実習でよくある5つの悩み
看護学生の多くが小児科実習で同じような壁にぶつかります。
子どもが泣いてどう接していいか分からない。
発達段階の知識をアセスメントにどう活かせばいいのか迷う。
親への説明や対応も看護計画に含めるべきか判断できない。
実習記録の量が多すぎて時間が足りない。
看護診断の優先順位のつけ方が分からない。
実は、これらの悩みは小児看護特有の視点を理解すれば、驚くほどスムーズに解決できるんです。
架空事例:2歳男児の肺炎ケース
今回は架空の事例を使って考えていきましょう。
たけるくんという2歳の男の子が肺炎で入院してきました。
入院時は体温39.2℃の高熱があり、咳と呼吸困難を訴えています。
普段は保育園に通っていて、活発な性格の子です。
家族構成は両親と5歳の姉の4人家族。
母親が付き添い入院をしています。
入院当日の様子
たけるくんは病室に入ると母親の後ろに隠れてしまいました。
看護師が近づくと顔を背けます。
体温測定をしようとすると激しく抵抗して、イヤイヤと泣き出しました。
母親が抱っこしてなだめても、おうち帰るを繰り返すばかり。
点滴の準備を始めると、さらに啼泣が強くなりました。
入院2日目の変化
翌日になると少し様子が変わってきます。
体温は38℃台に下がりました。
看護師が笑顔で話しかけると、母親の膝の上から恐る恐る顔を出します。
お熱測ろうねと優しく声をかけると、母親の顔を見てから小さくうなずきました。
持参したぬいぐるみで遊ぶ余裕も出てきました。
入院3日目の改善
3日目には体温が37℃台まで下がりました。
ベッド上で絵本を読んでもらっている姿が見られます。
看護師に自分から車のおもちゃを見せてくれるようになりました。
ねえねと遊びたい、いつ帰れるのと質問してきます。
食事も少しずつ食べられるようになってきました。
2歳児の発達段階を理解する
小児看護で最も大切なのが発達段階の理解です。
2歳児はエリクソンの発達段階で自律性対恥・疑惑の時期にあたります。
自分でやりたい気持ちが芽生える一方で、まだ親への依存も強い時期なんです。
いわゆるイヤイヤ期の真っ最中ですね。
ピアジェの認知発達理論では前操作期に該当します。
この時期の子どもは自己中心的思考が強く、因果関係の理解が未熟です。
なぜ入院しなければならないのかを理論的に説明しても理解できません。
言語発達は二語文程度で、自分の気持ちを十分に言葉で表現できないことも多いんです。
急性期の身体的アセスメント
2歳児の急性期では脱水と呼吸状態の観察が最優先になります。
バイタルサインの中でも特に体温と呼吸数に注目しましょう。
小児は成人より体表面積が大きく、不感蒸泄による水分喪失が多いため、発熱時の脱水リスクが高いんです。
尿量と尿の色もしっかり観察します。
濃い黄色の尿は脱水のサインです。
皮膚や口唇の乾燥、ツルゴールの低下も見逃せません。
呼吸状態では呼吸数だけでなく、陥没呼吸や鼻翼呼吸の有無を確認します。
SpO2の値も継続的にモニタリングが必要です。
分離不安への対応が鍵
2歳児の心理面で最も重要なのが分離不安への理解です。
分離不安とは、主な養育者から離れることへの不安や恐怖のことです。
生後6ヶ月から3歳頃に最も顕著に現れます。
入院という非日常的な環境では、この分離不安がさらに強まるんです。
たけるくんが母親の後ろに隠れたり、看護師を拒否したりするのは、わがままではなく正常な発達段階の反応なんですね。
この理解があるかないかで、看護の質が大きく変わります。
看護診断の立て方
小児の看護診断では身体面と心理面の両方を考慮します。
たけるくんの場合、優先順位は以下のようになります。
第一に高体温と肺炎に関連した脱水リスク状態です。
第二に入院環境と母親との分離に関連した不安です。
第三に発達段階と疾患に関連したセルフケア不足です。
優先順位の基本は、生命に関わる問題、身体的苦痛や合併症のリスク、心理社会的問題の順番です。
ただし小児では心理面も軽視できません。
分離不安が強いと治療への協力が得られず、結果的に身体面にも悪影響を及ぼすからです。
観察計画の具体例
脱水リスクに対する観察計画を立ててみましょう。
バイタルサインを4時間ごとに測定します。
尿量はオムツ交換のたびに確認し、記録します。
水分摂取量と排泄量のバランスをチェックします。
皮膚と粘膜の状態を毎回観察します。
活気の程度や表情の変化も見逃せません。
咳の性状や呼吸の状態も継続的に観察が必要です。
SpO2は持続モニタリングを行います。
ケア計画のポイント
小児のケア計画では母親の協力が不可欠です。
輸液管理は医師の指示に基づいて確実に行います。
解熱剤の与薬も指示通りに実施します。
好みの飲み物を確認して、少量頻回の水分摂取を促しましょう。
母親に協力を依頼して、母親から飲ませてもらうのが効果的です。
クーリングは嫌がらない範囲で行います。
無理に実施すると啼泣が強まり、かえって体力を消耗させてしまいます。
ネブライザーなどの処置は、遊びの要素を取り入れて工夫します。
家族への教育も看護の一部
母親への説明も重要な看護計画に含まれます。
脱水のサインについて具体的に説明しましょう。
尿が濃い、唇が乾いている、元気がないなどの症状を伝えます。
水分摂取の重要性も丁寧に説明します。
母親自身の不安にも寄り添うことが大切です。
子どもの病気で一番不安なのは親なんです。
症状の経過や今後の見通しを分かりやすく伝えることで、母親の不安が軽減されます。
母親の不安が減れば、子どもも安心できる環境が整います。
実習記録を効率的に書くコツ
実習記録に時間がかかりすぎて困っていませんか。
情報収集は事前にテンプレートを作っておくと効率的です。
発達段階の項目、生活習慣の項目、家族構成などをリスト化しておきましょう。
実習中はメモを取る習慣をつけます。
この場面は記録に使えると思ったら、その場で簡単にメモを残しておくんです。
後から思い出すのは時間がかかります。
関連図は中心に病態生理を置いて、そこから身体症状、心理面、生活面に枝分かれさせると整理しやすくなります。
発達段階との関連は色を変えて書くと分かりやすいですよ。
まとめ:小児科実習を乗り切る5つのポイント
小児科実習を成功させるポイントをまとめます。
発達段階の理解がすべての基本になります。
エリクソンとピアジェの理論は必ず押さえておきましょう。
身体面と心理面の両方をバランスよくアセスメントします。
分離不安も立派な看護診断になるんです。
家族も看護の対象として考えます。
母親の協力を最大限活用した看護計画を立てましょう。
優先順位は生命、身体、心理の順ですが、小児では心理面も重要です。
効率的な記録のために、実習中のメモと事前準備を忘れずに。
小児看護は子どもの成長発達を支える素晴らしい分野です。
最初は戸惑うこともあるでしょうが、笑顔でありがとうと言ってくれる子どもたちの姿は、何物にも代えがたい喜びをもたらしてくれます。
この記事があなたの小児科実習を少しでも楽にするお手伝いができれば嬉しいです。
頑張ってください。
応援しています。








