実習前に藁にもすがる思いで買った疾患別参考書
看護学生だった私が成人看護学実習を3週間後に控えた頃、どの疾患の患者さんを受け持つか分からない不安で押しつぶされそうでした。
先輩からは、疾患の基礎知識がないと実習記録が全く書けないと脅されていたんです。
そんな時、Amazonで星4.2の高評価を獲得していた『看護学生のための疾患別看護過程1 第2版』を発見しました。
レビューには看護過程にめっちゃ使えるという声や、学内のペーパーペイシェントから実習まで使えるという評価が並んでいて、これなら大丈夫だと安心したのを覚えています。
3,630円という金額は学生の私には決して安くありませんでしたが、実習を乗り切るためには必要な投資だと購入を決意しました。
17疾患が収載されており、病態関連図や全体像も追加されたということで、これがあれば完璧だろうと期待していたんです。
でも、実際に実習記録を書き始めたとき、この本だけでは全く太刀打ちできないことに気づいて愕然としました。
結局ほとんど使えなかったという苦い経験は、今でも鮮明に覚えています。
この本の本当に素晴らしかった点
まず誤解のないように言っておきますが、この本は疾患別看護過程を学ぶ上で非常に優れた教材です。
呼吸器、循環器、血液・造血器、脳・神経系、運動器の17疾患が収載されており、実習で受け持つ可能性の高い疾患が網羅されています。
特に素晴らしかったのは、解剖生理の基礎知識から疾患の基礎知識まで、体系的に学べる構成。
疾患のメカニズムがイメージしやすく、なぜこの症状が現れるのかが理解できました。
病態関連図も見やすく、疾患の発生から症状が生じるまでの関連と看護介入が一目で分かります。
疾患と看護がみえる全体像という図も秀逸で、患者さんの姿をイメージするのに本当に役立ちました。
事例による看護過程展開が詳しく紹介されていて、情報収集のポイントが具体的に示されています。
収集した情報をどのように整理・統合するのか、どう看護計画へと導いていくのか、基本的な流れが理解できました。
標準的看護のポイントも記載されていて、この疾患では一般的にどんなケアが必要なのかが分かりやすかったです。
レビューで根拠が嬉しいと書かれていた通り、看護介入の根拠も示されていて勉強になりました。
試験勉強や事前学習の際には、この本を何度も読み返して疾患理解を深めました。
教科書よりもコンパクトで、実習に持っていきやすいサイズなのも良かったです。
疾患の基礎知識を固めるという意味では、間違いなく良書だと思います。
しかし実習記録を書く段階で直面した厳しい現実
ところが、いざ実習が始まって記録を書こうとすると、次々と問題が明らかになっていったのです。
学校のフォーマットとは完全に異なる記録様式
最大の問題は、この本の記録形式と私の学校の記録用紙が全然違ったこと。
レビューには学校はヘンダーソンでしたがなんとかなりますと書かれていましたが、私はなんともなりませんでした。
私の学校では、ヘンダーソンの14項目に沿った情報収集シートがA3サイズで2枚あり、項目が細かく指定されていました。
この本の情報収集は、もっと簡略化された形式でした。
アセスメントの記載方法も、学校が求める書き方とは異なっていたのです。
看護問題の抽出方法も、本ではゴードンベースで展開されているように見え、ヘンダーソンで展開する私の学校とは視点が違いました。
実習初日に指導者から記録用紙を渡された時、本と全然違うフォーマットを見て途方に暮れたことを今でも覚えています。
結局、この本で学んだ知識を、どう自分の学校の記録に落とし込むかで本当に苦労しました。
事例と実際の患者さんが全く違う
本書に収載されている事例は、比較的状態が安定している患者さんが中心です。
しかし実習では、複数の合併症を抱えた複雑なケースや、状態が不安定な患者さんを受け持つことも少なくありません。
私が受け持たせていただいた患者さんは、心不全の事例が本にありましたが、実際の患者さんは心不全に加えて糖尿病、腎不全、認知症も持っていました。
本の事例では想定されていない問題が山積みで、どうアセスメントすればいいのか分かりませんでした。
高齢で独居、経済的困難、家族との関係不良など、社会的な問題も複雑に絡んでいました。
本の事例は、あくまでも教科書的な標準例であり、実際の臨床は遥かに複雑だということを痛感しました。
患者さんの個別性を反映した看護過程の展開方法は、この本だけでは学べなかったのです。
アセスメントの文字数が圧倒的に足りない
本に書かれているアセスメントは、要点が簡潔にまとめられていますが、学生の記録としては不十分でした。
実習記録で求められる詳細さとは、天と地ほどの差があります。
本では1つの項目のアセスメントが半ページ程度ですが、私の学校では最低でも2〜3ページ書くことを求められました。
患者さんの発言の背景、検査データの推移と解釈、病態生理との関連、心理面への影響、生活への支障、家族への影響など、多面的に記述する必要がありました。
本のレベルでは、実習で求められる深さには全く到達できなかったのです。
指導者からは、もっと詳しく、もっと深く考察するよう何度も指導されました。
検査データの正常値と基準値が不足
これは本当に困りました。
本には患者さんの検査データが提示されていますが、正常値の記載が不十分なケースが多いのです。
実習記録では、すべての検査データに正常値を併記し、異常値には赤線を引いて、その意味を詳しく考察する必要がありました。
例えば、BNPが850pg/mLと書かれていても、正常値が18.4pg/mL以下であることが明記されていないページもありました。
そのため、結局は別の資料で正常値を調べなければならず、この本だけでは対応できませんでした。
検査データの経時的変化や、複数のデータを統合した解釈方法も、もっと詳しく知りたかったです。
アセスメントの根拠となるエビデンスが薄い
本書のアセスメントを読んでいて感じたのは、根拠となる文献の引用が少ないことです。
実習記録では、なぜそう判断したのかという根拠を、文献を引用して明確に示す必要がありました。
教科書のページ数、診療ガイドラインの記載、看護研究の論文など、具体的な出典を明記することが求められたのです。
しかし本のアセスメントは、どの文献を参照したのかが不明確で、そのまま引用することができませんでした。
私は実習指導者から、すべてのアセスメントに文献の出典を記載するよう厳しく指導されました。
なぜこの症状がこの病態で起こるのか、その機序を文献で裏付ける必要があったのです。
結局、医学書院の系統看護学講座や、各疾患のガイドラインを読み漁ることになりました。
看護理論の活用が不十分
実習で驚いたのが、看護理論を用いたアセスメントが必須だったことです。
オレムのセルフケア理論、ロイの適応モデル、ゴードンの機能的健康パターン、ヘンダーソンの基本的欲求など、看護理論を用いて患者さんを理解することが求められました。
しかし本書では、こうした看護理論への言及が少なく、理論を活用したアセスメントの書き方が学べませんでした。
理論的枠組みのないアセスメントは、単なる観察記録に過ぎないと指導者から指摘されました。
患者さんの状態を理論に照らし合わせて解釈し、看護介入の根拠とする必要があったのです。
この部分は、この本だけでは全く対応できませんでした。
PES形式での看護問題の記述が不明確
看護診断の基本であるPES形式についても、本書では十分に説明されていません。
PESとは、Problem、Etiology、Symptomsの略で、看護問題を構造化して記述する方法です。
私の学校では、看護問題は必ずPES形式で記載することが求められました。
例えば、活動耐性低下に関連した呼吸困難や倦怠感、といった書き方です。
しかし本の事例では、PES形式が明確に示されていない部分もあり、どう書けばいいのか分かりませんでした。
関連因子と症状・徴候を明確に区別して記述する必要があるのですが、その書き方が本からは学べなかったのです。
看護計画の具体性が欠けている
本に載っている看護計画も、学生の記録としては抽象的すぎました。
実習では、いつ・誰が・何を・どのように実施するのかを明確に記載する必要があります。
観察項目だけでなく、観察の頻度、時間帯、正常・異常の判断基準、異常時の対応、評価方法まで求められました。
例えば、バイタルサイン測定という項目があっても、朝7時・昼12時・夕方5時・就寝前に測定、SpO2が90%以下または呼吸回数25回/分以上で医師に報告、といった具体性が必要でした。
しかし本の事例では、そこまでの具体性はありませんでした。
ケア計画も標準的な内容にとどまっていて、受け持ち患者さんの個別性を反映した計画立案の参考にはなりにくかったです。
経過記録や評価の書き方が分からない
本書では看護過程の計画までは示されていますが、実施後の経過記録や評価の書き方については詳しく触れられていません。
実習では毎日SOAPで経過記録を書く必要があるのです。
患者さんの言動をどう記録するのか、実施したケアをどう記述するのか、評価はどの程度の詳しさで書くのか。
そういった実践的な部分が不足していて、本当に困りました。
看護計画の修正や追加の方法、長期目標と短期目標の評価基準なども、もっと詳しく知りたかったです。
なぜ市販の参考書では実習記録が書けないのか
実習を経験して、私は重要な真実に気づきました。
看護過程の記録様式は、学校や実習施設によって驚くほど大きく異なるのです。
ゴードンを使う学校もあれば、ヘンダーソンを使う学校もあります。
NANDAを重視する学校もあれば、独自の看護問題の書き方がある学校もあります。
市販の参考書は、あくまで一般的な内容を扱っているだけで、あなたの学校の教育方針や実習施設の特性には対応していないのです。
3,630円という決して安くない金額を払っても、実際の記録を書く段階で使えないという厳しい現実があります。
同じ心不全の患者さんでも、学校によってアセスメントの視点や記録の書き方が全く違うことを、私は身をもって知りました。
レビューでなんとかなりますと書いた人は、おそらく元々優秀で応用力のある学生だったのでしょう。
私のような普通の学生には、本の内容を学校の記録に落とし込むのは非常に困難でした。
学生時代の私が本当に必要としていたサポート
私自身、この本だけでは不安で、結局は先輩に相談したり、指導教員に何度も添削してもらったりしました。
でも、先輩も実習や国試勉強で忙しく、教員からの指摘は厳しくて心が折れそうになることも。
記録を書くのに毎晩深夜1時2時までかかり、睡眠時間は3時間程度。
患者さんとの関わりよりも記録に追われる日々で、これが本当に看護なのかと疑問に思うこともありました。
卒業してから知って本当に悔しかったのが、個別対応型の看護過程支援サービスの存在です。
後輩たちがこのサービスを使っていると聞いて、学生時代の私にも教えてほしかったと心から思いました。
このサービスの素晴らしい点は、あなたの学校専用のフォーマットに合わせて、実習記録の書き方を具体的にアドバイスしてくれること。
ヘンダーソンでもゴードンでも、NANDAでも独自形式でも、どの枠組みにも対応しています。
情報収集からアセスメント、看護計画、実施・評価まで、一貫してサポートしてもらえます。
何より、あなたの受け持ち患者さんの状況に応じた、完全オーダーメイドの支援が受けられるのです。
市販の参考書では絶対に得られない、実践的で即戦力になるアドバイスがここにはあります。
学校独自の評価基準を熟知したサポートなので、指導者から高評価をもらえる記録が書けるようになります。
検査データの正常値の記載方法、エビデンスに基づいたアセスメント、看護理論を活用した考察、PES形式での看護問題の記述まで、トータルでサポートしてもらえるのです。
複数の疾患を持つ患者さんへのアセスメント方法や、複雑な社会的問題を抱えたケースへの対応も教えてもらえます。
個別性のある看護計画の立案、経過記録の書き方、評価と修正の方法など、実習で本当に必要なスキルが身につきます。
まとめ:参考書頼みか、確実な道を選ぶか
疾患別看護過程の参考書は、疾患の基礎知識を学んだり試験対策をするには本当に良い教材です。
この『看護学生のための疾患別看護過程1 第2版』も、疾患理解を深めるには優れた一冊だと思います。
しかし、実習記録を完成させるには明らかに力不足なのです。
3,630円の本を買って結局実習では使えなかったという経験は、多くの看護学生が通る道です。
参考書で独学して苦労するか、それとも自分の学校に完全に合わせた個別サポートを受けるか。
あなたの学校、あなたの実習施設、あなたの受け持ち患者さんに完全に合わせた看護過程を一緒に作り上げていく。
そんな伴走型のサポートを選ぶという道もあります。
記録に追われて睡眠時間を削り、患者さんとの関わりが疎かになってしまう前に、効率的な学び方を検討してみてください。
個別サポートを利用すれば、実習で評価される記録が書けるようになり、自信を持って患者さんと向き合える時間が増えます。
限られた実習期間を、記録作業だけで終わらせるのか、それとも本来の看護を学ぶ時間にするのか。
どちらを選ぶかは、あなた次第です。







