看護実習は看護師を目指す上で避けて通れない重要な関門です。
しかし、毎年多くの看護学生が実習で単位を落とし、留年や進路変更を余儀なくされています。
私自身も看護実習で単位を落とした経験があり、その時の絶望感は今でも忘れられません。
あの時もっとこうしていれば、という後悔は数え切れないほどあります。
本記事では、実際に実習で単位を落とした経験者として、何が原因だったのか、どうすれば防げたのかを赤裸々にお伝えします。
これから実習を控えている方、現在実習中で不安を抱えている方に、私の失敗が少しでも役立てば幸いです。
看護実習で単位を落ちる理由とは
看護実習で単位を落とす学生は決して少なくありません。
文部科学省の調査によると、看護系学部の留年率は他学部と比較して高い傾向にあります。
その主な原因が看護実習での単位未修得です。
実習は知識だけでなく、技術、態度、コミュニケーション能力など多岐にわたる評価項目があります。
そのため、一つの要素でつまずくと、連鎖的に他の評価にも影響してしまうのです。
私が実習で失敗した最大の原因
事前学習の甘さが私の最大の失敗でした。
実習前の準備段階で、病態や疾患について十分に理解していなかったのです。
教科書を読んだつもりになっていましたが、実際の患者さまに対応する際に知識が全く活かせませんでした。
指導者からの質問に答えられず、毎日のように叱責を受ける日々が続きました。
自信を失い、患者さまの前でも緊張してしまい、コミュニケーションもうまく取れなくなりました。
事前学習は単なる作業ではなく、実習を乗り切るための生命線だったのです。
これを軽視したことが、すべての歯車を狂わせる結果となりました。
看護記録が書けなかった日々
実習中、毎日提出する看護記録に何時間もかかってしまいました。
情報の整理ができず、アセスメントが的外れで、看護計画も非現実的でした。
指導者からは何度も書き直しを命じられ、睡眠時間は毎日3時間程度になりました。
疲労が蓄積し、翌日の実習でのパフォーマンスがさらに低下するという悪循環に陥りました。
記録物の質が低いということは、患者さまの状態を正しく把握できていない証拠です。
これでは安全な看護ケアを提供することなど不可能でした。
ゴードンの11項目アセスメントやヘンダーソンの看護理論など、基礎的な知識が不足していたことが原因でした。
コミュニケーション能力の欠如
患者さまとの会話が苦手で、必要最低限のやり取りしかできませんでした。
信頼関係を築くことができず、患者さまから情報を得ることも困難でした。
看護は対人援助職であり、コミュニケーションは看護ケアの基盤です。
しかし私は、何を話せばいいのか分からず、沈黙が続くことも多々ありました。
患者さまの表情や仕草から状態を読み取る観察力も不足していました。
また、医療チームとの報告・連絡・相談も不十分でした。
タイミングを逃して報告が遅れたり、必要な情報を伝えられなかったりしました。
これは患者さまの安全を脅かす重大な問題でした。
時間管理ができなかった失敗
実習中の時間管理が全くできず、常に時間に追われていました。
朝の情報収集に時間がかかりすぎて、ケアの優先順位が判断できませんでした。
一つの処置に時間をかけすぎて、他の必要なケアが実施できないこともありました。
効率的に動けず、指導者や他のスタッフに迷惑をかけてしまいました。
実習前にタイムスケジュールを立てる練習をしておくべきでした。
シミュレーション形式で時間配分を体に覚え込ませる必要があったのです。
体調管理を怠った代償
実習期間中、体調管理を軽視したことも大きな後悔です。
睡眠不足と不規則な食事で、実習3週目には体調を崩してしまいました。
発熱で実習を休んだことで、必要な実習時間を満たせなくなりました。
実習は出席日数も厳格に定められており、一日の欠席が命取りになります。
栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な休息が必要でした。
しかし私は記録物に追われ、これらをすべて犠牲にしてしまいました。
健康管理も看護学生にとって重要な責務だったのです。
報告・連絡・相談ができなかった
看護の現場では報告・連絡・相談が非常に重要です。
しかし私は、指導者に質問することを恐れていました。
叱られるのが怖くて、分からないことを曖昧なままにしてしまいました。
その結果、誤った判断をしかねない状況を何度も作ってしまいました。
分からないことは恥ずかしいことではなく、分からないまま行動することが危険なのです。
この当たり前のことが理解できていませんでした。
また、患者さまの状態変化に気づいても、報告のタイミングを逃すことがありました。
緊急性の判断ができず、重要な情報を適切に伝えられませんでした。
実技練習の不足
基礎看護技術の練習が圧倒的に不足していました。
学内演習では何とかクリアできても、実際の患者さまに実施するのは全く別物でした。
バイタルサイン測定、清潔ケア、移動介助など、基本的な技術でさえ自信がありませんでした。
手順を覚えるだけでなく、患者さまの状態に合わせた臨機応変な対応が求められます。
しかし私は、マニュアル通りにしか動けず、個別性のあるケアができませんでした。
実習前に学内の実習室を活用して、繰り返し練習しておくべきでした。
指導者との関係構築に失敗
実習指導者との関係性を築けなかったことも大きな問題でした。
指導者の指摘を素直に受け止められず、防衛的な態度を取ってしまいました。
改善点を指摘されても、言い訳をしたり、反論したりしてしまいました。
これでは指導者も親身になって教えてくれません。
謙虚な姿勢で学ぶ態度が欠けていたのです。
また、指導者の忙しい時間帯に質問をするなど、配慮に欠ける行動もありました。
社会人としての基本的なマナーやコミュニケーション能力が不足していました。
同じグループメンバーとの協力不足
実習は個人プレーではなく、チームでの学びです。
しかし私は、グループメンバーと情報共有や助け合いができませんでした。
自分のことで精一杯で、他者をサポートする余裕がありませんでした。
結果として孤立し、困ったときに助けてもらえる関係性を築けませんでした。
グループメンバーとのカンファレンスでも、積極的に発言できず、学びを深められませんでした。
他者の視点や意見から学ぶ機会を自ら放棄していたのです。
単位を落として失ったもの
実習で単位を落とした結果、留年が決定しました。
友人たちは次の学年に進級し、私だけが取り残されました。
精神的なダメージは計り知れず、看護師になることを諦めかけました。
経済的な負担も家族にかけることになり、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
就職活動のスタートも一年遅れ、同期との差を感じることになりました。
自己肯定感も大きく低下し、再び実習に挑む勇気を取り戻すまで時間がかかりました。
失敗から学んだこと
しかし、この失敗は私に多くのことを教えてくれました。
準備の重要性、謙虚に学ぶ姿勢、健康管理の大切さを身をもって知りました。
再実習では、事前学習に十分な時間をかけ、分からないことは必ず質問しました。
記録物も早めに取り組み、指導者に添削してもらいながら質を高めました。
患者さまとのコミュニケーションも、まずは傾聴することから始めました。
グループメンバーとも協力し合い、互いに支え合う関係を築きました。
その結果、再実習では無事に単位を修得することができました。
これから実習に臨む方へ
看護実習は確かに厳しく、辛いものです。
しかし、しっかりと準備をし、謙虚な姿勢で学べば必ず乗り越えられます。
事前学習は早めに始め、分からないことは必ず解決しておきましょう。
基礎看護技術は繰り返し練習し、体に覚え込ませてください。
体調管理を怠らず、睡眠と栄養をしっかり確保してください。
指導者や患者さま、グループメンバーとのコミュニケーションを大切にしてください。
困ったときは一人で抱え込まず、必ず相談してください。
私の失敗が、皆さんの実習成功の一助となれば幸いです。
まとめ
看護実習で単位を落とした経験は、人生で最も辛い出来事の一つでした。
しかし同時に、看護師として必要な多くのことを学ぶ機会にもなりました。
失敗から学び、成長することができれば、その経験は決して無駄にはなりません。
これから実習に臨む皆さんが、私と同じ失敗をしないよう、本記事が参考になれば嬉しいです。
準備を怠らず、謙虚に学び、健康管理を大切にして、実習を乗り越えてください。
皆さんの実習が実り多いものになることを心から願っています。







