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看護計画

切迫性尿失禁リスク状態の看護計画|評価・援助・指導の実践ガイド

この記事は約8分で読めます。

切迫性尿失禁リスク状態にある患者さんのケアで悩んでいませんか。 突然の強い尿意でトイレまで間に合わず、尿が漏れてしまう患者さんへの対応に困っている看護師や、実習で尿失禁リスクのある患者さんを受け持っている看護学生は、少なくないと思います。

この記事では、切迫性尿失禁リスク状態にある患者さんに対する看護計画を、エビデンスに基づいて詳しく解説していきます。 評価の方法や援助の手順、指導のポイントまで、そのままケアに活かせる内容にしているので、ぜひ読んでみてください。

この記事が役に立つのは以下のような方です。 一般病棟や泌尿器科で尿失禁リスクの患者さんをケアする看護師や、実習で高齢患者さんを受け持つ看護学生などです。


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切迫性尿失禁とは

まず基本的なところから確認していきましょう。 切迫性尿失禁とは、突然の強い尿意を感じて、トイレまで間に合わずに尿が漏れてしまう状態のことです。 通常の尿意とは違い、我慢できないほどの強い尿意が急に起きて、自分の意思ではコントロールできなくなります。

切迫性尿失禁は、患者さんの生活の質に大きな影響を与える問題です。 外出を控えるようになったり、人との交流を避けるようになったり、自信を失ってしまうこともあります。 また、尿失禁による皮膚のトラブルや尿路感染症などの合併症が起きることもあるので、早めに対応していくことが大切です。


なぜ切迫性尿失禁になるのか

切迫性尿失禁になる原因は、いくつかのものが重なって起きていることが多いです。

過活動膀胱は、切迫性尿失禁の原因として多いものです。 膀胱の筋肉が過敏になって、少しの尿が溜まっただけで強い尿意を感じたり、勝手に収縮したりする状態です。 高齢になるほど過活動膀胱になりやすくなります。

尿路感染症も切迫性尿失禁の原因になります。 膀胱や尿道に炎症が起きると、膀胱が刺激されて強い尿意を感じやすくなります。 頻尿や排尿時の痛みなども一緒に起きることが多いです。

神経の障害も切迫性尿失禁に関わることがあります。 脳卒中やパーキンソン病、脊髄損傷などがあると、膀胱をコントロールする神経が影響を受けて、尿失禁が起きやすくなります。

薬の副作用も原因になることがあります。 利尿薬を使っている患者さんは、尿の量が増えて尿意が強くなりやすいです。 また、一部の薬は膀胱の動きに影響を与えることがあります。

そのほかにも、環境的な要因も関わってきます。 トイレまでの距離が遠かったり、歩行が不安定だったりすると、尿意を感じてもトイレまで間に合わないことがあります。


切迫性尿失禁リスク状態の見つかり方

切迫性尿失禁リスク状態にある患者さんは、以下のような状態のときに気づくことが多いです。

高齢の患者さんや、脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患がある患者さんは、切迫性尿失禁になりやすいです。 また、尿路感染症を繰り返している患者さんや、利尿薬を使っている患者さんも、リスクが高くなります。

アセスメントの際には、尿意の強さや頻度、失禁の回数、トイレまでの移動能力、使っている薬などを確認していくことが大切です。


切迫性尿失禁リスク状態の看護目標

ここでは、看護計画の中で使えるような目標を設定していきます。

長期目標

患者さんが切迫性尿失禁になる原因を理解し、自分でも予防策を続けられるようになり、尿失禁のない生活を取り戻せる。

短期目標

尿失禁の回数が減って、1日に2回以下になる。

患者さんが尿意を感じたときに、トイレまで安全に移動できるようになる。

膀胱訓練を習得し、尿意をコントロールできるようになる。


観察のポイント

ここでは、切迫性尿失禁リスク状態にある患者さんを観察していくときに確認すべき項目を紹介しています。

排尿の状態を確認する

排尿の回数や量、失禁の回数や量を記録していきます。 尿意を感じてからトイレまでの時間や、失禁が起きた状況も詳しく記録していくことが大切です。 排尿日誌をつけることで、パターンを見つけやすくなります。

尿の色や性状も確認して、濁りや血が混じっているかどうかも見ていきましょう。 尿が濁っている場合や血が混じっている場合は、尿路感染症などの合併症が起きている可能性があるので、医師に報告していくことが必要です。

尿意の程度を確認する

尿意の強さや、尿意を感じてから我慢できる時間を確認します。 切迫性尿失禁の患者さんは、突然の強い尿意を感じて、数秒から数分しか我慢できないことが多いです。 尿意の程度を確認することで、膀胱の状態を把握していくことができます。

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移動能力を観察する

トイレまでの移動能力や、歩行の安定性を確認します。 歩行が不安定だったり、移動に時間がかかったりすると、尿意を感じてもトイレまで間に合わないことがあります。 杖や歩行器などの補助具が必要かどうかも確認していくことが大切です。

認知機能を確認する

認知機能が低下していると、尿意に気づくのが遅れたり、トイレの場所が分からなくなったりすることがあります。 見当識や記憶力、判断力などを確認して、認知機能の状態を把握していきましょう。

皮膚の状態を観察する

尿失禁が続くと、陰部や臀部の皮膚にトラブルが起きやすくなります。 発赤やびらん、ただれなどがないか確認して、皮膚の清潔を保っていくことが大切です。 皮膚トラブルが起きている場合は、早めにケアしていくことが必要です。

精神状態を確認する

尿失禁は患者さんの自尊心に影響を与えることがあります。 恥ずかしさや不安、抑うつなどの気持ちがないか確認していきましょう。 患者さんの気持ちに寄り添って、心理的なサポートを行っていくことが大切です。


援助のポイント

ここでは、切迫性尿失禁リスク状態にある患者さんに対する援助の手順を紹介していきます。

環境を整える

トイレまでの動線を短くして、患者さんが安全に移動できるよう環境を整えていくことが大切です。 ベッドをトイレに近い場所に移動したり、ポータブルトイレを設置したりして、患者さんがすぐにトイレに行けるようにしていきます。

夜間は照明をつけておいて、暗い中でも安全に移動できるよう配慮していきましょう。 また、トイレのドアや便座には目印をつけて、認知機能が低下している患者さんでも分かりやすくしていきます。

定時排尿を促す

尿意を感じる前に、決まった時間にトイレに行くよう促していきます。 最初は2時間ごとにトイレに行き、失禁が減ってきたら少しずつ間隔を延ばしていく方法が効果的です。 定時排尿により、膀胱に尿が溜まりすぎる前に排尿できるようになります。

膀胱訓練を行う

膀胱訓練は、膀胱の容量を増やして、尿意をコントロールできるようにする方法です。 尿意を感じても少し我慢する練習をして、少しずつ我慢できる時間を延ばしていきます。 最初は数分から始めて、徐々に時間を延ばしていくことが大切です。

ただし、無理に我慢させすぎると逆効果になることもあるので、患者さんの状態に合わせて進めていきましょう。

骨盤底筋訓練を指導する

骨盤底筋を鍛えることで、尿道を締める力が強くなり、尿失禁を予防できます。 肛門や膣を締めるような動作を、1日に数回繰り返して行う訓練です。 最初は5秒間締めて5秒間緩める動作を10回繰り返し、慣れてきたら回数や時間を増やしていきます。

骨盤底筋訓練は、継続することで効果が出てくるので、毎日続けるよう指導していくことが大切です。

水分摂取を調整する

十分な水分を摂ることは大切ですが、一度に大量の水分を摂ると尿意が強くなりやすいです。 水分は少しずつこまめに摂るよう指導していきましょう。 また、カフェインやアルコールは利尿作用があるので、控えめにするよう伝えていきます。

薬物療法を管理する

医師の指示に従って、抗コリン薬などの過活動膀胱の薬を投与していきます。 薬の効果や副作用を観察して、必要に応じて医師に報告していくことが大切です。 口の渇きや便秘などの副作用が出ることがあるので、患者さんの状態を確認していきましょう。

失禁時の対応を行う

失禁が起きた場合は、患者さんを責めたりせず、優しく対応していくことが大切です。 速やかに清潔ケアを行い、皮膚のトラブルを予防していきましょう。 必要に応じて、失禁パッドや吸収性の下着を使用することも検討していきます。

医師に報告していく

尿失禁が続いていて改善しない場合や、尿路感染症の症状が出ている場合は、医師に報告していくことが大切です。 別の病気が隠れている可能性もありますので、早めに報告していくことが必要です。


指導のポイント

切迫性尿失禁リスク状態の患者さんや、その家族には、尿失禁になりやすい原因や対策について説明していくことが大切です。

切迫性尿失禁になる原因について説明する

なぜ尿失禁になるのかを分かりやすく説明していくことで、患者さん自身も対策を考えやすくなります。 過活動膀胱や尿路感染症、神経の障害などの関係を、患者さんに合わせた言葉で説明していきましょう。

セルフケアのポイントを伝える

尿失禁を予防するためのポイントを患者さんに伝えていきます。 定時排尿や膀胱訓練、骨盤底筋訓練などの具体的な方法を説明していきましょう。 退院後も続けられるような習慣になるよう指導していくことが大切です。

生活習慣の改善を指導する

カフェインやアルコールを控える、水分は少しずつ摂る、肥満がある場合は減量するなど、生活習慣の改善を指導していきます。 体重が減ると膀胱への圧力が減って、尿失禁が改善することがあります。

失禁用品の使い方を説明する

必要に応じて、失禁パッドや吸収性の下着の使い方を説明していきます。 失禁用品を使うことで、外出時の不安が減って、生活の質が向上することがあります。 ただし、失禁用品に頼りすぎず、膀胱訓練などの治療も続けていくよう伝えていきましょう。

家族にも説明していく

家族にも切迫性尿失禁の原因や対策について説明していくことが大切です。 家族が患者さんの排尿のパターンを理解して、トイレへの誘導を手伝ってくれると、尿失禁を予防しやすくなります。 患者さんを責めたりせず、優しく支えていくよう家族にも伝えておくことが大切です。


まとめ

切迫性尿失禁リスク状態にある患者さんのケアは、原因を見つけて、環境調整や定時排尿、膀胱訓練などを組み合わせて対応していくことが基本です。 観察やアセスメントを続けながら、患者さんに合わせた看護計画を立てていくことが大切です。 尿失禁は患者さんの生活の質に大きく影響するので、早めに対応していくことが重要です。 この記事で紹介したポイントを活かして、切迫性尿失禁リスク状態にある患者さんに対する看護ケアに取り組んでいってください。

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