排便抑制障害リスク状態って聞いたことはあるけど、実際にどう予防すればいいのかわからないという看護学生や看護師さんは多いのではないでしょうか。
まだ障害が起きていない段階だからこそ、早めの対応で予防できることがたくさんあります。
この記事では、排便抑制障害リスク状態の患者さんに対する看護計画の立て方から、具体的な予防ケアまで詳しく説明していきます。
排便抑制障害リスク状態とは
排便抑制障害リスク状態とは、まだ排便のコントロールが完全に失われていないものの、将来的に障害が起きる可能性が高い状態を指します。
この段階で適切な予防ケアを行うことで、実際に障害が発生するのを防げる可能性が高くなります。
リスク状態にある患者さんは、すでに何らかのリスク因子を持っています。
例えば、骨盤底筋の筋力低下が始まっている、神経疾患の初期症状がある、慢性的な便秘や下痢を繰り返しているといった状態です。
なぜ早期の予防ケアが重要なのか
排便抑制障害は一度発生すると、回復に時間がかかることが多い障害です。
リスク状態の段階で予防的なケアを行えば、患者さんの生活の質を守ることができます。
また、実際に障害が起きてしまうと、患者さんの心理的な負担も非常に大きくなります。
羞恥心や自己嫌悪が強くなり、社会活動からも遠ざかってしまう場合があります。
だからこそ、リスク状態の段階でしっかりとアセスメントを行い、予防的なケアを開始することが大切です。
排便抑制障害リスク状態の原因とリスク因子
身体的なリスク因子
加齢による骨盤底筋の筋力低下は、最も一般的なリスク因子です。
出産歴がある女性は、骨盤底が緩みやすくなります。
骨盤内の手術を受けた方は、神経や筋肉にダメージが残っている可能性があります。
脊髄損傷や多発性硬化症といった神経疾患も、排便の反射機能に影響を与えることがあります。
生活習慣に関わるリスク因子
慢性的な便秘や下痢の繰り返しは、肛門括約筋の機能を低下させます。
運動不足や長時間の座位姿勢も、骨盤底筋の筋力を弱める原因になります。
食物繊維や水分の摂取が少ない食生活も、便の性状を不安定にします。
心理的なリスク因子
排便に対する不安が強い方は、トイレに行くことを我慢してしまうことがあります。
羞恥心が強く、症状を隠そうとすることで、早期対応が遅れることもあります。
看護目標の設定
長期目標
患者さんが排便抑制障害のリスク因子を理解し、予防的な生活習慣や骨盤底筋トレーニングを継続することで、排便機能を維持し続ける。
短期目標
自分のリスク因子を言葉で説明できるようになる。
骨盤底筋トレーニングを毎日実践し、記録をつけられるようになる。
便の性状や排便パターンを観察し、変化に気づいたら看護師に伝えられるようになる。
観察のポイント(OP)
観察計画の略称がOPです。
リスク状態の段階で細かく観察を行うことで、早期に変化を察知できます。
排便パターンの観察
排便の回数や時間帯、便の性状(水様便・普通便・硬便など)を記録します。
「いつもと違うな」と感じる変化があれば、それがリスクのサインになることもあります。
骨盤底筋の状態の観察
骨盤底筋の緊張感や筋力を、患者さん本人の感覚として聞き取ります。
肛門を閉じる動作ができるか、力の入り方を確認していきます。
身体的な観察
肛門周囲の皮膚状態(炎症や損傷、湿疹など)を確認します。
下腹部の張りや違和感がないかも、排便機能の変化を予測する手がかりになります。
心理的な観察
排便に対する不安や恐怖の有無を確認します。
「もし失敗したら」という気持ちが強くなっていないか、会話の中で探っていきます。
援助の方法(TP)
援助計画の略称がTPです。
リスク状態の段階では、予防的なケアが中心になります。
骨盤底筋トレーニングの導入
骨盤底筋トレーニングは、排便抑制障害の予防に効果があると多くの研究で報告されています。
肛門を閉じる動作を数秒間保持し、その後ゆっくりと力を抜く練習を繰り返します。


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毎日少しずつでも続けることで、筋力の維持や向上が期待できます。
無理をせず、患者さんのペースで進めていくことが大切です。
生活習慣の見直し
食物繊維を多く含む食事や、十分な水分摂取を心がけてもらいます。
便の性状を安定させることが、排便機能の維持につながります。
適度な運動習慣も、腸の動きを活発にし、排便のリズムを整えます。
環境調整
トイレへのアクセスがしやすいよう、ベッドの配置や歩行環境を見直します。
患者さんが安心してトイレに行ける環境を整えることで、我慢せずに排便できるようになります。
心理的サポート
「リスクがあるだけで、まだ障害が起きているわけではない」と伝え、不安を和らげます。
予防的なケアを続けることで、障害を防げる可能性が高いという希望を持ってもらうことが大切です。
教育の内容(EP)
教育計画の略称がEPです。
患者さんや家族に、リスク状態について正しく理解してもらうことが予防の第一歩です。
患者さんへの教育
排便抑制障害リスク状態とは何かを分かりやすく説明します。
自分が持っているリスク因子を理解してもらい、どうすれば予防できるかを一緒に考えます。
骨盤底筋トレーニングの方法を具体的に指導し、自宅でも続けられるようにします。
排便の記録をつける習慣をつけてもらい、変化に早く気づけるようにします。
生活指導
便秘や下痢を繰り返さないように、食事内容や水分摂取について具体的にアドバイスします。
運動習慣の大切さを伝え、日常生活に取り入れやすい運動を紹介します。
トイレを我慢しない習慣をつけてもらうことも重要です。
家族への教育
家族にもリスク状態について説明し、患者さんの生活習慣の改善をサポートしてもらいます。
「トレーニングを続けているか」と問い詰めるのではなく、見守る姿勢が大切であることを伝えます。
多職種との連携
排便抑制障害リスク状態のケアは、看護師だけでなく医師や理学療法士、栄養士との連携が大切です。
医師は全身状態や基礎疾患の管理を行い、リスク因子に対する治療を進めます。
理学療法士は骨盤底筋トレーニングの専門的な指導を行います。
栄養士は食事内容の見直しや、便の性状を整えるための食事プランを提案します。
チーム全体で情報を共有し、一貫したケアを提供することが、予防の成功につながります。
評価のポイント
予防的なケアがうまくいっているかどうかを、定期的に評価していきます。
短期的な評価
骨盤底筋トレーニングが継続できているかを確認します。
排便パターンが安定しているか、便の性状が改善しているかを記録から確認します。
患者さんが自分のリスク因子を理解し、対処法を実践できているかを評価します。
長期的な評価
排便機能が維持されているか、障害の兆候が現れていないかを定期的に確認します。
生活の質が低下していないか、心理的な不安が軽減しているかも重要な評価ポイントです。
リスク状態から障害への移行を防ぐために
リスク状態の段階では、まだ症状が軽いため、患者さんが「大丈夫だろう」と油断してしまうことがあります。
しかし、リスクを放置すると、実際に障害が発生してしまう可能性が高くなります。
早期の段階から予防的なケアを続けることが、将来的な生活の質を守る鍵になります。
看護師として、患者さんが前向きに予防ケアを続けられるよう、励ましと具体的なサポートを提供していきましょう。
まとめ
排便抑制障害リスク状態の看護計画では、早期の観察と予防的なケアが最も大切です。
観察(OP)でリスク因子や身体的な変化を把握し、援助(TP)で骨盤底筋トレーニングや生活習慣の改善を支え、教育(EP)で患者さんが自己管理できる力をつけてもらいます。
リスク状態の段階で適切なケアを行えば、排便抑制障害の発生を予防できる可能性が高くなります。
この記事を参考に、患者さんの予防ケアに役立ててください。








