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看護計画

呼吸困難の看護計画|緊急対応と観察のポイント

この記事は約7分で読めます。

呼吸困難は患者さんの生命に直結する重要な症状であり、看護師には迅速かつ的確な対応が求められます。

本記事では、呼吸困難を呈する患者さんへの看護計画から、緊急時の対応方法、そして見逃してはいけない観察ポイントまでを詳しく解説していきます。

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呼吸困難とは何か

呼吸困難とは、患者さん自身が呼吸に際して苦しさや息切れを自覚する主観的な症状です。

呼吸時に不快感や努力感を伴う状態を指し、息を吸う時や吐く時に普段よりも意識的な努力が必要となります。

原因は心疾患、肺疾患、神経筋疾患、代謝性疾患など多岐にわたり、それぞれの病態によって対応方法が異なるため、正確なアセスメントが不可欠となります。

呼吸困難の主な原因

呼吸困難を引き起こす代表的な疾患として、慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、肺炎、心不全、肺塞栓症、気胸などが挙げられます。

心不全による呼吸困難では、肺うっ血が原因となり、特に夜間や臥床時に症状が悪化する傾向があります。

肺疾患では、ガス交換障害や気道の狭窄により酸素化が低下し、呼吸数の増加や努力呼吸が見られます。

また、貧血や甲状腺機能亢進症などの代謝性疾患でも呼吸困難が出現することがあるため、幅広い視点でのアセスメントが必要です。

観察すべき呼吸パターンと症状

呼吸困難の患者さんを観察する際には、異常な呼吸パターンを見逃さないことが重要です。

チェーンストークス呼吸は、呼吸が次第に深く速くなり、その後浅く遅くなって一時的に無呼吸となる周期的な呼吸パターンで、心不全や脳障害で見られます。

クスマウル呼吸は、深く規則的な大呼吸が特徴で、糖尿病性ケトアシドーシスなどの代謝性アシドーシスで出現します。

起坐呼吸は、臥位では呼吸困難が強く、座位や半座位をとることで症状が軽減する状態で、心不全患者さんに典型的に見られます。

表情の観察も欠かせません。

苦悶様顔貌、不安そうな表情、顔面蒼白、チアノーゼの有無などから、呼吸困難の程度や緊急性を判断できます。

肩呼吸は、呼吸補助筋を使用して肩を上下させながら呼吸する状態で、重度の呼吸困難を示す重要なサインです。

陥没呼吸は、胸骨上窩、鎖骨上窩、肋間などが吸気時に陥没する現象で、気道閉塞や呼吸筋疲労を示唆します。

バイタルサインの評価

呼吸数、呼吸の深さ、リズムを正確に測定し、正常範囲である成人12から20回毎分と比較します。

頻呼吸は呼吸数が24回毎分以上の状態で、肺炎や心不全などで見られ、徐呼吸は12回毎分以下で、中枢神経系の抑制や呼吸筋疲労を示します。

SpO2値は酸素化の指標として重要で、95パーセント以上が正常範囲ですが、慢性閉塞性肺疾患患者さんでは90パーセント前後が目標値となることもあります。

血圧、脈拍、体温も同時に評価し、全身状態を把握することが大切です。

身体所見の観察ポイント

胸郭の動きの左右差、副雑音の有無、呼気時間の延長、喘鳴、湿性ラ音、乾性ラ音などを聴診で確認します。

下肢の浮腫や頸静脈怒張は心不全を、ばち指は慢性的な低酸素血症を示唆する重要な所見です。

咳嗽の有無、喀痰の性状、色、量も記録し、感染症や肺水腫の評価に役立てます。

意識レベルの変化は、低酸素血症や高二酸化炭素血症の進行を示す危険なサインであり、見逃してはなりません。

緊急時の初期対応

呼吸困難の患者さんを発見したら、まず安全確保と応援要請を行います。

気道確保を最優先とし、意識レベルを確認しながら適切な体位をとらせます。

多くの場合、ファウラー位またはセミファウラー位が呼吸を楽にするため、ベッドの頭側を30度から60度挙上します。

酸素投与は医師の指示に基づいて速やかに開始し、鼻カニューラ、シンプルマスク、リザーバーマスクなど適切なデバイスを選択します。

酸素療法の実際

酸素流量は患者さんの状態とSpO2値を見ながら調整し、過剰な酸素投与は慢性閉塞性肺疾患患者さんでは二酸化炭素ナルコーシスを引き起こす危険があるため注意が必要です。

酸素投与開始後も継続的にSpO2、呼吸状態、意識レベルをモニタリングし、改善が見られない場合や悪化する場合は速やかに医師に報告します。

看護目標の設定

呼吸困難患者さんに対する看護を計画的に実施するためには、明確な看護目標の設定が不可欠です。

長期目標

呼吸困難が軽減し、酸素化が改善することで日常生活動作を自立して行うことができる

短期目標

SpO2が目標値である95パーセント以上を維持できる、または医師の指示する目標値を安定して保つことができる

呼吸数が正常範囲の12から20回毎分に安定し、努力呼吸や呼吸補助筋の使用が減少する

患者さんが呼吸困難感の軽減を自覚し、不安が緩和され安楽な体位を保持できる

具体的な看護介入

看護目標を達成するためには、観察項目、ケア項目、教育項目を明確にして実践することが重要です。

OP 観察項目

呼吸状態の観察として、呼吸数、呼吸の深さ、リズム、呼吸音、副雑音の有無を継続的に評価します。

バイタルサインの測定では、SpO2、血圧、脈拍、体温を定期的に記録し、変化を早期に発見します。

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身体所見として、チアノーゼの有無、顔色、表情、発汗、胸郭の動き、陥没呼吸の有無を確認します。

呼吸パターンの観察では、チェーンストークス呼吸、クスマウル呼吸、起坐呼吸、肩呼吸などの異常パターンの出現をチェックします。

意識レベル、不安の程度、倦怠感、活動耐性の評価も継続して行います。

咳嗽の有無、喀痰の性状、色、量、排痰の困難さを観察します。

下肢の浮腫、頸静脈怒張、体重変動などの心不全徴候も見逃さないようにします。

TP ケア項目

安楽な体位の保持を支援し、ファウラー位やセミファウラー位など患者さんが最も呼吸しやすい姿勢を保ちます。

酸素療法を医師の指示に基づいて確実に実施し、酸素流量やデバイスの適切な管理を行います。

環境調整として、室温を適切に保ち、定期的な換気を行い、清潔で快適な療養環境を整えます。

安静度に応じた活動と休息のバランスを調整し、無理のない範囲で日常生活動作を援助します。

効果的な咳嗽と排痰を促すために、体位ドレナージや軽い背部叩打を実施します。

水分摂取を促進し、喀痰の粘稠度を下げて排出しやすくします。

必要に応じて吸引を実施し、気道浄化を図ります。

精神的サポートとして、患者さんのそばに付き添い、不安を軽減する声かけを行います。

処方された薬剤を確実に投与し、効果と副作用を観察します。

EP 教育項目

呼吸法の指導として、口すぼめ呼吸や腹式呼吸など呼吸困難を軽減する方法を説明します。

効果的な咳嗽方法と排痰のコツを具体的に指導し、自己管理能力を高めます。

安楽な体位のとり方を説明し、患者さん自身で調整できるよう支援します。

酸素療法の必要性と安全な使用方法について理解を促します。

症状悪化時の早期発見方法と、どのような時に医療者に報告すべきかを説明します。

水分摂取の重要性を伝え、1日の目標摂取量を設定します。

活動と休息のバランスについて指導し、無理のない生活リズムを提案します。

禁煙の重要性を説明し、必要に応じて禁煙支援を提供します。

感染予防のための手洗い、うがい、人混みを避けることなどを指導します。

継続的なモニタリングと評価

看護介入の効果を定期的に評価し、目標達成度を確認することが重要です。

SpO2値の推移、呼吸数の安定性、患者さんの主観的な呼吸困難感の変化を記録します。

日常生活動作の自立度が向上しているか、活動耐性が改善しているかを評価します。

設定した看護目標が達成されていない場合は、原因を分析し、看護計画を修正します。

多職種連携の重要性

呼吸困難患者さんのケアには、医師、理学療法士、薬剤師、栄養士など多職種との連携が不可欠です。

医師との情報共有により、適切な治療方針の決定と薬物療法の調整を行います。

理学療法士と協力して、呼吸リハビリテーションを効果的に実施します。

栄養士と連携し、呼吸仕事量を考慮した適切な栄養管理を提供します。

患者教育と退院支援

呼吸困難の早期発見のための自己観察方法を指導し、症状悪化時の対処法や受診のタイミングを説明します。

在宅酸素療法が必要な患者さんには、機器の使用方法、安全管理、緊急時の連絡先などを詳しく説明します。

生活習慣の改善として、適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠の重要性を伝えます。

まとめ

呼吸困難は患者さんにとって非常に苦痛な症状であり、生命に関わる緊急事態に発展する可能性もあります。

看護師は、異常な呼吸パターンや身体所見を的確に観察し、迅速な初期対応を行うとともに、継続的なモニタリングと適切な看護介入を提供することが求められます。

チェーンストークス呼吸、クスマウル呼吸、起坐呼吸、肩呼吸、陥没呼吸などの特徴的な症状を理解し、それぞれの病態に応じた看護を実践することで、患者さんの苦痛を軽減し、安全な療養環境を提供できます。

明確な看護目標を設定し、OP、TP、EPの各項目を確実に実施することで、質の高い看護ケアが実現します。

日々の観察力を磨き、科学的根拠に基づいた看護実践を積み重ねることが、呼吸困難患者さんへの最良のケアにつながります。

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