受け持ちが胃がんの患者さんに決まって、記録用紙を開いたまま何時間も経ってしまった。
そんな夜を過ごしている看護学生さんは、あなただけではありません。
術前の情報は集まったけれど、どのパターンに書けばいいのか分からない。
術後になったら症状が一気に増えて、何から手をつければいいのか見えなくなる。
ゴードンの11パターンの用紙を前に、栄養と代謝の欄だけが妙に長くなっていく。
この記事では、胃がんの患者さんを題材に、ゴードンの11の機能的健康パターンでアセスメントを書き進める手順を整理します。
術前と術後で見る場所を切り替えること、そして厚く書くべき4つのパターンを決めておくこと。この2つで記録はぐっと進みます。
受け持ちの記録、提出まで間に合いそうですか
情報の整理からアセスメント、看護計画、関連図まで現役の看護師が個別にお手伝いします。
受け持ちの情報を送っていただければ、書き進め方をお伝えします
結論から。術前と術後でアセスメントの土俵が変わります
胃がんの看護過程が書きにくい最大の理由は、術前と術後でアセスメントの重心が入れ替わることにあります。
術前は、告知を受けた患者さんの気持ちの揺れ、手術への不安、治療方針をどこまで理解できているか。
気持ちと理解の部分が中心になります。
術後は、創部痛、腸の動きの回復、ダンピング症候群のリスク、食事摂取量の低下、体重の減り方。
からだの問題が一気に増えます。
ここを切り替えずに同じ調子で書き続けると、術後の記録なのに不安の話ばかりになったり、術前なのに栄養の数値だけを並べたりして、指導者から中身が薄いと言われてしまいます。
図の左右を行き来しながら、今日の記録はどちら側なのかを最初に決めてください。
それだけで、書く内容の迷いがかなり減ります。
ゴードンの11の機能的健康パターンを整理する
ゴードンの11の機能的健康パターンは、マージョリー・ゴードンが提唱した情報整理の枠組みです。
患者さんの生活を11の窓から見て、そこから看護の問題を導き出します。
難しく考える必要はありません。
集めた情報を置く棚が11段あって、その棚に振り分けていく作業だと思ってください。
胃を切除した患者さんでは、栄養と代謝、排泄、認知と知覚、コーピングとストレス耐性。
この4つが記録の中心になります。
幽門側胃切除のあとは、食事摂取量の低下、消化と吸収のはたらきの変化、ビタミンB12の吸収がうまくいかないことによる貧血のリスクなども頭に置いてアセスメントを書きます。
| パターン | 集める情報 | 胃がんの患者さんでの書き出し例 |
|---|---|---|
| 健康知覚と健康管理 | 受診までの経過、喫煙や飲酒、健診の受け方 | 半年前から胃部の不快感があったが受診せず、体重減少をきっかけに来院した |
| 栄養と代謝 | 体重の変化、摂取量、Hb・Alb・TP、皮膚の状態 | 術後7日目の摂取量は3割程度で、入院時から4kgの体重減少がある |
| 排泄 | 排ガス、便の性状と回数、腸の動き | 術後3日目に排ガスがあり、その後は軟便が1日3回続いている |
| 活動と運動 | 離床の進み方、疲れやすさ、日常生活動作 | 創部の痛みから離床への気持ちが向かず、歩行はトイレまでにとどまっている |
| 睡眠と休息 | 入眠までの時間、中途覚醒、日中の眠気 | 夜間に創部の痛みで目が覚め、まとまった睡眠がとれていない |
| 認知と知覚 | 痛みの強さと部位、理解力、感覚の変化 | 創部の痛みは安静時でNRS 3、体動時に6まで強くなる |
| 自己知覚と自己概念 | 自分をどう感じているか、自信、外見の変化 | やせた自分の姿を鏡で見て、元の体力に戻れるのか不安を口にしている |
| 役割と関係 | 家族構成、仕事、キーパーソン、面会の様子 | 妻と2人暮らしで、職場復帰の時期を気にする発言が聞かれる |
| 性と生殖 | 年齢、パートナーとの関係、話しにくさへの配慮 | 57歳男性、この領域について本人からの訴えはない |
| コーピングとストレス耐性 | 受け止め方、支えてくれる人、対処のしかた | 告知後は口数が減ったが、妻の面会時には笑顔が見られる |
| 価値と信念 | 大切にしていること、治療への希望 | 孫の入学式までに元気になりたいという希望を語っている |
訴えがないパターンは、訴えがないと書けば大丈夫です。
空欄のまま提出すると情報収集をしていないと受け取られるので、そこだけ気をつけてください。
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情報からアセスメント、そして看護計画へ進む道すじ
棚に情報を並べたあとは、そこから看護の問題を導き出していきます。
この流れを図で持っておくと、今どの段階にいるのかが分かります。
学生さんのアセスメントで足りなくなりやすいのが、3つ目の解釈と分析です。
摂取量が3割という事実を書いたあと、その状態が続くとどうなるのかを一文で足してみてください。
創部の治りが遅くなる、体力が戻らず離床が進まない、退院後の生活に戻れない。
事実の次に、その先どうなるかを書く。それだけでアセスメントらしい文章になります。
紙上事例で見る 57歳男性Aさんの経過

ここでは、臨床でよく見られる経過をもとに作成した紙上事例をもとに考えます。
57歳の男性Aさん、進行胃がんで幽門側胃切除のビルロートI法を受けた設定です。
この事例で描かれているのは次のような場面です。
- 告知を受けたあとの気持ちの揺れと、その変化
- 術後の痛み、だるさ、排便の乱れ
- 食事摂取量が減っていく過程と栄養状態の見方
- 妻との関係、仕事の役割が変わっていくこと
- 退院に向けて自分で管理していく力をどう育てるか
教科書の疾患解説だけでは見えてこない、日ごとの揺れが記録の材料になります。
受け持ちの患者さんの様子と照らし合わせながら読むと、自分の記録に足りない視点が見えてきます。
胃切除後に押さえておきたい4つの視点
ダンピング症候群は時間で分けて覚える
胃をためておくはたらきが弱くなると、食べたものが一気に小腸へ流れ込みます。
そこで起きるのがダンピング症候群です。
早い方は食後30分以内、遅い方は食後2〜3時間。
この時間の差で症状も対応も変わります。
看護計画には、少量頻回食のすすめ方、よく噛んでゆっくり食べること、食後にしばらく横になること、症状が出たときの対処法。
この4つを組み込むと形になります。
| 比べる点 | 早期ダンピング | 後期ダンピング |
|---|---|---|
| 出る時間 | 食後30分以内 | 食後2〜3時間 |
| 起きるしくみ | 濃い内容物が急に小腸へ流れ込み、体液が腸へ移動する | 糖の急な吸収でインスリンが出すぎて血糖が下がる |
| おもな症状 | 冷汗、動悸、めまい、腹痛、下痢 | 脱力感、発汗、手のふるえ、意識のもうろう |
| その場の対応 | 横になって安静を保つ | あめなど糖分を口にする |
| 予防のしかた | 1回量を減らし、よく噛んで時間をかける | 糖質にかたよらず、間食を組み合わせる |
栄養状態は数字と見た目を組み合わせる
術後は食べられる量が減って、体重が落ち、アルブミンが低くなり、貧血も起きやすい状態です。
栄養と代謝のパターンでは、体重の変化、食事摂取量、血液データのHbやAlbやTP、それに皮膚の乾燥や創部の治り方。
数字と見た目を組み合わせて書くと、説得力のあるアセスメントになります。
ビタミンB12は胃から出る内因子と結びついて吸収されるため、胃を切除すると時間をかけて貧血が現れることもあります。
退院後の長い経過まで見ている記録は、指導者の評価が上がります。
痛みを抑えることが離床につながる
創部の痛みやドレーンの引っぱられる感じは、動こうという気持ちを削いでいきます。
動かなければ腸の動きも戻らず、肺の合併症も起きやすくなります。
NRSやフェイススケールを使って痛みの強さを定期的に確認し、鎮痛薬が効いているか、眠気や吐き気などの副作用がないかを合わせて観察します。
この観察項目は看護計画のOPに必ず入れてください。
告知のあとの気持ちに寄り添う
がんと伝えられた患者さんは、その後さまざまな感情の波を通ります。
否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容という段階が知られていますが、すべての方が同じ順番をたどるわけではありません。
コーピングとストレス耐性のパターンでは、患者さんが今の状況をどう受け止めているか、支えてくれる人がそばにいるか、どんなやり方で気持ちを保っているか。
この3つを軸に書き進めます。


圧倒的に早い
プロが作った参考例があれば、それを見て学べます
✓ 一から考える時間がない → 見本で時短
✓ 完成形の見本で理解したい → プロの実例
✓ 自分の事例に合わせた例が欲しい → カスタマイズ可
参考資料提供|料金19,800円〜|5年の実績|提出可能なクオリティ
Aさんの11パターン分のアセスメント文をまとめてご覧いただけます
看護計画はOPとTPとEPの3本柱で立てる
OPは看護師が見る項目、TPは看護師が行うケア、EPは患者さんや家族へ伝えることです。
この3つの役割がごちゃまぜになっていると、そこを指摘されます。
迷ったときは、その文の主語が誰なのかを確かめてください。
見るのは看護師、行うのも看護師、覚えて実行するのは患者さん。
主語で分ければ振り分けを間違えません。
関連図まで一本の線でつなげる
関連図は、病態と患者さんの生活と看護の問題を線で結んだ地図です。
アセスメントで書いたことが、そのまま関連図の矢印になります。


幽門側胃切除、胃の貯留能の低下、食物が急に小腸へ流れ込む、食後の冷汗と動悸、食べることへの不安、摂取量の低下、体重減少と創部の治りの遅れ。
この鎖を矢印でつないでいけば、関連図の一本の流れができあがります。
矢印の向きは、原因から結果へ。この向きさえ守れば大きく崩れることはありません。
よくある失敗 この4つで減点されています
情報を書き写しただけで終わっている
データを並べただけの文は、情報収集であってアセスメントではありません。
その情報が患者さんにとって何を意味するのかを、必ず一文添えてください。
術後なのに術前の視点のまま書いている
不安の記述ばかりで、痛みや腸の動きに触れていない記録をよく見かけます。
今日が術後何日目なのかを記録用紙の余白にメモしてから書き始めると、視点がずれません。
看護計画が疾患の一般論になっている
教科書の術後看護をそのまま写すと、どの患者さんにも当てはまる計画ができあがります。
Aさんの摂取量は3割、痛みは体動時に強くなる。
その人の数字と言葉を計画に入れると、個別性が出ます。
優先順位の理由が書かれていない
問題を3つ挙げたなら、なぜその順番なのかを添えます。
生命に関わるもの、今まさに起きているもの、これから起きそうなもの。
この順で並べる考え方を書き添えるだけで印象が変わります。
提出前のチェックリスト
- 11のパターンすべてに、一文以上が書けているか
- 術後何日目の記録なのかがはっきりしているか
- 事実のあとに、そこから考えられることが書けているか
- 栄養と排泄の項目に、数字が入っているか
- ダンピング症候群への説明が計画に入っているか
- OPとTPとEPで、主語が入れ替わっていないか
- 看護の問題に優先順位の理由が添えてあるか
- 関連図の矢印が、原因から結果の向きになっているか
- 患者さんや実習先が特定される記述を消してあるか
書けたけれど、これで通るか自信がないときは
アセスメントと計画のつながり、関連図の矢印の向きまで、提出前に一緒に見直します。
下書きでも、箇条書きのメモだけでも受け付けています
胃がんの看護過程について、よく届く質問
ゴードンとヘンダーソン、どちらで書けばいいですか
学校で指定された枠組みに合わせてください。
ゴードンは11の機能から健康状態を見る枠組み、ヘンダーソンは14の基本的欲求から見る枠組みです。
集める情報そのものは大きく変わらないので、どちらの用紙でも中身は流用できます。
術前と術後、どちらで記録を書けばいいですか
実習期間の中心がどちらにあるかで決めます。
両方の期間を受け持ったなら、術前の情報を経過として書き、術後の状態を今の姿として書く形が整理しやすいです。
情報が足りない項目はどう書けばいいですか
今回の受け持ち期間では情報を得られなかったと書き、確認できれば何が分かるのかを添えてください。
空欄よりもずっと良い評価になります。
看護の問題はいくつ挙げればいいですか
3つから5つが目安です。
数を増やすより、1つの問題を根拠から計画までしっかりつなげるほうが評価されます。
資料と個別サポートのご案内

NCS看護キャリアサポートセンター、通称カンサポでは、看護学生さんの課題と記録のお手伝いをしています。
十五年以上の運営実績、八百件以上の支援経験があり、情報漏洩は一度もありません。
匿名でのやり取りに対応しているので、学校や実習先に知られる心配なくご相談いただけます。
消化器領域でお手伝いしている内容
- ゴードン11パターンでのアセスメントの組み立て
- 胃切除後の患者さんに合わせた看護計画の作成
- 個別性のある関連図の描き方
- ケーススタディと事例展開の全体構成
- 紙上事例を使った通信制課題の進め方
- 提出前の文章の添削と見直し
胃がんの患者さんを題材にした資料は、11パターンそれぞれのアセスメント文、OPとTPとEPが揃った看護計画、関連図までがセットになっています。
アセスメント・看護計画・関連図がひとまとめになっています
まとめ
胃がんの看護過程で迷わないための要点を、もう一度並べます。
術前は気持ちと理解、術後はからだの回復。
ここで見る場所を切り替えること。
ゴードンの11パターンのうち、栄養と代謝、排泄、認知と知覚、コーピングとストレス耐性の4つを厚く書くこと。
事実を書いたら、その先どうなるかを一文足すこと。
看護計画は主語で3つに分けること。
関連図の矢印は原因から結果へ向けること。
この5つを手元に置いておけば、どの疾患の受け持ちになっても同じやり方で記録を進められます。
記録は、患者さんを見る目を育てるための練習です。
今つまずいている時間も、臨床に出たときの土台になります。
無理をしすぎず、それでもしっかり学びたいあなたを応援しています。
胃がんの看護過程サポート窓口
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