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肺癌患者(初期)の看護計画

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看護目標

1.呼吸困難が軽減し、体力の消耗が防げる

看護問題

#1.咳嗽や去痰困難による苦痛がある

目標:咳嗽が少なくなり不必要な体力の消耗が防げる

O-1.咳嗽の種類・状態
  2.痰の性状:血性、膿性、粘液性、漿液性
  3.睡眠状態
  4.随伴症状の有無と程度 
    発熱、睡眠障害、頭痛、血圧上昇、呼吸困難、悪心、嘔吐
    チアノーゼなど
T-1.痰が多い時は医師の指示で去痰剤使用による吸入をする。
  2.喀痰が多い時は去痰困難をさらに増悪させる為、鎮咳剤は与薬しない
  3.安楽な体位(咳嗽が多い時は起座位、腫瘍増大による時は患側を下にしてファーラー位)の保持をする。
  4.必要があれば医師の指示で安定剤を与薬するが、呼吸状態に十分注意する
  5.水分を促す(炭酸飲料は避ける)
E-1.十分に水分をとるように説明する
  2.保温に心がけるように説明する
  3.喫煙は痰を増強させ咳嗽を誘発させるため必ず禁煙するように説明する

#2.腫瘍の部位により喀血しやすく血痰がある

目標:血液をスムーズに喀出でき、早期に止血する

O-1.VS
  2・呼吸(回数・リズム・音)、呼吸状態、胸部X-P所見
  3.顔色、冷汗、チアノーゼ、呼吸困難の有無
  4.誤嚥の有無
  5.喀血の量と性状
  6.貧血の有無
  7.意識状態
  8.睡眠状態
9.胸部熱感、胸内苦悶の有無
  10.気管支鏡の所見
  11.前駆症状の有無と程度
    不快感、温かい液がこみ上げてくる感じ、異臭を感じるな
    ど
T-1.出血部位を確認し氷枕、氷嚢で冷却する
  2.出血側を下にして健側への血液の流れを防ぐ
  3.顔を横に向け窒息を予防する
  4.医師の指示により止血剤鎮咳剤を与薬する
  5.出血量が多ければ輸血を行なうので、その管理を行なう
     副作用症状の有無、ルート管理、環境整備など
  6.口腔内の清潔を心掛け、可能な状態であれば含嗽させる
  7.喀出困難時は吸引を行なう
  8.心身の安静、保温に注意する
  9.喀血がひどい時は挿管して呼吸管理を行なうため、救急カートを準備する
  10.訪室を増す
E-1.以下の事を説明する
・会話、面会の制限
・必要に応じ絶飲食にする
・指示された安静を守る
・強く咳をしない

#3.癌性胸膜炎による胸水貯留のため呼吸困難がある

目標:呼吸が楽になる

O-1.呼吸数、呼吸音、リズム、深さ、チアノーゼ、喘鳴、無気肺の有無
  2.血液ガス
  3.胸郭運動
  4.動悸、頻脈の有無
  5.胸部X-Pによる胸水の程度
  6.胸水の性状、色
  7.胸水の随伴症状の有無と程度
   発熱、胸痛、咳、呼吸困難、食欲不振など
  8.VS:特に発熱
  9.水分出納
T-1.血液ガス不良時は医師の指示で酸素吸入をする
  2.安楽な体位の保持(患側を下側にする側臥位、上半身挙上)
  3.寝衣、布団による圧迫を除去する
  4.胸水に対して利尿剤を与薬するため脱水症状に注意する
  5.体力の消耗を最小限にできるようADLの介助を行なう
E-1.指示された安静を守るように説明する

#4. トロッカーカテーテル挿入によるADLの制限と感染の恐れがある

目標:カテーテル挿入中の注意点が守られ、ADLの制限が受け入れられる

O-1.陰圧の設定
  2.排液の量、性状
  3.エアリーク、呼吸性移動の有無
  4.皮下気腫、胸部圧迫感、速拍性の呼吸の有無、呼吸音
  5.ドレーン挿入部の状態、痛みの有無
  6.ドレーンや接続チューブの圧迫、屈曲の有無
T-1.設定された水柱圧の管理を行う
  2.チューブが詰まらないようミルキングをする
  3.移動時は医師の指示によりクランプをする
  4.排泄の介助:ポータブルトイレの設置
  5.ドレーン挿入部のガーゼ交換とチューブの固定状態を確認する
  6.ドレーンのミルキングを適宜行う
  7.VS(特に熱型)
  8.体位を工夫し安楽に務める
  9.身体の保清、ADL介助
E-1.時々、深呼吸をするように説明する。
  2.無理にチューブを引っ張ったり折れ曲げたりしないように体動に注意するように説明する

#5.抗腫瘍使用による有害反応のリスク状態

 目標:1 異常時、早期に看護師に報告し対応ができる
    2 治療に対する不安を伝えることができる
    3 治療が拒否なく行える

O-1.VS
  2.点滴刺入部の硬結、発赤、腫脹の有無、血管痛の有無
  3.アナフィラキシーショック症状の有無(開始後間もない掻痒感・発赤・呼吸困難・BP低下)
  4.抗癌剤の滴下スピード・ルート管理ができているか
  5.嘔気、嘔吐、食慾低下、下痢、便秘等の消化器症状の有無
  6.倦怠感、体重減少の有無
  7.精神症状・頭痛・めまい・不眠
  8.出血傾向
  9.脱毛の有無と程度
  10.痛みの有無・ペインスケール・部位
  11.感染徴候の有無(熱型、咳増加、咽頭痛、頭痛の有無)
  12.食事摂取量・口内炎の有無
  13.呼吸状態・ボルグスケール
  14.排泄状況
  15.ADL状況
  16.検査データ、胸部X―P等
T-1.治療に関しての不安、疑問は必要時医師から説明をしてもらう。理解度を把握し不安等を傾聴する
2.症状出現時は医師に報告、指示施行
3.感染予防のために、身体の清潔保持をする
   マスク着用・含嗽・手洗い・清拭など
4.抗癌剤の副作用症状について説明し、異常時はすぐに伝えてもらう
5.食事摂取量低下時家人に嗜好品を差し入れていただくように依頼する。
6.環境整備を行い、転倒・打撲を予防する
7.排便コントロール
E-1.異常な症状があればすぐに看護師に伝えるように説明する
  2.感染予防についての指導を行う(含嗽・マスク・手洗いなど)

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