事例紹介
患者情報:氏名はAさん、84歳の女性。
病状:アルツハイマー型認知症と診断されている。
職歴:家庭主婦で、過去には小学校の校長を務めていた。
病歴:右大腿骨の頸部骨折で人工骨頭置換術を受けた経験あり。その他、白内障、尿路感染症、逆流性食道炎を患ったことがある。
アレルギーや感染症:特に報告されていない。
家族構成:次男とその妻、孫二人と合わせて六人家族。夫とは以前マンションで二人暮らしだったが、8年前に夫が亡くなり、その後次男の家に移住。次男の妻が家族内での中心人物。
性格:社交的で、話すのが好き。几帳面で家事に対するこだわりが強い。自立心が強く、他人に迷惑をかけたがらない。
好み:甘いものに目がない。
体格:身長155センチメートル、体重40キログラム。最近、体重の変動はない。
介護保険:申請中。
障害高齢者の日常生活自立度:カテゴリA3。
発症から入院までの経緯:
6年前、右大腿骨の手術を受けた後、家事が一人では困難に。
54歳の次男の妻や23歳の孫が、食事の準備や外出の際に支援していた。
家族との関係は良好。
社交的な性格のAさんは外出を好むが、退院後は多くの時間を自宅で過ごすようになった。
財布の行方を何度も尋ねたり、食事後にも「夕飯はまだか」と尋ねるなど、同じ質問を繰り返すことが多くなった。また、時には怒りっぽくなることもあった。
無断で一人で外出し、3駅先で保護されたこともある。
今年の2月、自力で立ち上がろうとして転倒し、両膝を打撲。錯乱状態となり、家族が救急車を呼び、N病院に搬送された。
レントゲンでは骨折は確認されなかったが、頭部CTとMRIで中等度のアルツハイマー型認知症が確認され、K病院に転院。認知症の薬調整と下肢筋力低下予防のリハビリを目的とする。
入院時のバイタルサイン:体温36.5℃、脈拍63回/分、呼吸数13回/分、血圧99/59mmHg、Spo299%。
HDS-Rスコア:16点、MMSEスコア:19点。
認知症とは
認知症の概要:認知症は、症候群の一種で、脳の後天的な障害により知能が低下する状態。記憶障害を始めとして、知能、感情、意欲のバランスの崩れが徐々に進行する。
中核症状:記憶障害、知能障害、人格障害が主な症状。短期記憶の損失が顕著で、日常的な判断力や思考力にも影響を及ぼす。
随伴症状:幻覚、妄想、抑うつ気分、夜間せん妄などが急激に発生し、状況によっては一時的なものもある。
原因と診断:アルツハイマー型と血管性認知症が最も一般的。診断基準にはDSM-IVやICD-10が使用される。一部の認知症は基礎疾患の治療により改善する可能性がある。
アルツハイマー型認知症の進行:最初は短期記憶の障害から始まり、徐々に言語能力や日常生活の判断能力が低下する。最終的には重度の身体的、精神的障害を引き起こす。
【排泄】のアセスメント【ヘンダーソン14項目】
Aさんは記憶障害によりトイレの位置を思い出せないため、○○性失禁の状態にある。
この状況は、入院による環境の変化も影響していると考えられる。
Aさんがトイレの場所を認知しやすくするため、トイレへの○○設置や排泄パターンに基づいた誘導が有効である。
しかし、Aさんは「トイレくらいは自分でできないともうだめよね」と発言し、介助を拒否することがある。
これはAさんの自立心強い性格に起因すると思われる。
したがって、Aさんの○○を尊重し、排泄援助の方法を工夫することが必要である。
腎機能について、BUNとCrの値は正常範囲内にあるが、水分摂取不足が懸念される。
このため、水分摂取を促進する対策が求められる。
排便に関しては、緩下剤の使用により2日に1回の排便が確認されており、残便感や腹部不快感はないが、腹部腸音は微弱である。
これらの状況を踏まえると、Aさんのニードはまだ充足されていないと考えられる。
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