小児実習を前に不安で買った高額な参考書
看護学生だった私が小児看護学実習を2週間後に控えた頃、子どもとの関わり方も分からず、発達段階に応じた看護なんてできるのか不安で仕方ありませんでした。
先輩からは、小児は成人とは全く違うから専門の参考書が絶対必要だと言われ、必死で探していたんです。
そんな時、Amazonで星4.2の高評価を獲得していた『発達段階からみた小児看護過程 第4版』を発見しました。
レビューには根拠も書いてあり考えが膨らむという声や、この本のおかげで実習にて助けられたという評価が並んでいて、これなら大丈夫だと安心したのを覚えています。
4,290円という金額は学生の私にはかなり高額でしたが、小児実習を乗り切るためには必要な投資だと購入を決意しました。
753ページもあり、乳児期・幼児期・学童期から思春期まで、発達段階ごとに看護過程が展開されているということで、これがあれば完璧だろうと期待していたんです。
病態関連図も全疾患に追加されたということで、小児特有の疾患理解にも役立つだろうと思っていました。
でも、実際に実習記録を書き始めたとき、この本だけでは全く太刀打ちできないことに気づいて愕然としました。
結局ほとんど使えなかったという苦い経験は、今でも鮮明に覚えています。
この本の本当に素晴らしかった点
まず誤解のないように言っておきますが、この本は小児看護過程を学ぶ上で非常に優れた教材です。
乳児期、幼児期、学童期から思春期まで、発達段階ごとに章が構成されており、それぞれの時期に特徴的な疾患が網羅されています。
特に素晴らしかったのは、発達段階の特徴が詳しく解説されている点。
各年齢の身体的・精神的・社会的発達について、丁寧に記載されていて、子どもの発達理解が深まりました。
病態関連図も見やすく、小児特有の病態生理が理解しやすかったです。
子どもと家族の全体像がみえるフローチャートも秀逸で、家族を含めた看護の視点が学べました。
小児看護では、患児だけでなく家族全体を対象とするという考え方が分かりやすく示されています。
医学情報もアップデートされており、最新の治療法や検査について学べました。
看護診断ラベルも更新されていて、NANDAの新しい診断名が使われているのも良かったです。
実習でよく出会う疾患が収載されていて、川崎病、ネフローゼ症候群、気管支喘息、先天性心疾患など、重要な疾患がカバーされています。
試験勉強や事前学習の際には、この本を何度も読み返して小児看護の基礎知識を固めました。
発達段階別に整理されているので、どの年齢の子どもにどんなケアが必要かが体系的に理解できました。
小児看護の基礎を学ぶという意味では、間違いなく良書だと思います。
医学書院の本だけあって、内容の信頼性も高く、安心して学習できました。
しかし実習記録を書く段階で直面した厳しい現実
ところが、いざ実習が始まって記録を書こうとすると、次々と問題が明らかになっていったのです。
学校のフォーマットとは完全に異なる記録様式
最大の問題は、この本の記録形式と私の学校の記録用紙が全然違ったこと。
私の学校では、ヘンダーソンの14項目に加えて、発達段階の評価、家族アセスメント、プレパレーションの記録など、小児特有の項目が細かく指定されていました。
記録用紙はA3サイズで3枚もあり、項目が膨大でした。
この本の情報収集は、もっと簡略化された形式でした。
アセスメントの記載方法も、学校が求める書き方とは大きく異なっていたのです。
実習初日に指導者から記録用紙を渡された時、本と全然違うフォーマットを見て途方に暮れたことを今でも覚えています。
結局、この本で学んだ知識を、どう自分の学校の記録に落とし込むかで本当に苦労しました。
発達段階の評価方法も、学校独自の基準があり、本とは異なっていました。
事例と実際の患児が全く違う
本書に収載されている事例は、比較的標準的な経過をたどる患児が中心です。
しかし実習では、複数の疾患を抱えた複雑なケースや、発達に遅れがある子どもを受け持つことも少なくありません。
私が受け持たせていただいた患児は、気管支喘息の事例が本にありましたが、実際の患児は喘息に加えて食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、軽度の発達障害も持っていました。
さらに、両親が共働きで祖母が主な養育者、経済的にも困難を抱えているという複雑な家族背景がありました。
本の事例では想定されていない問題が山積みで、どうアセスメントすればいいのか分かりませんでした。
医療的ケア児や、長期入院で発達に影響が出ている子ども、虐待が疑われるケースなど、実際の臨床は遥かに複雑です。
本の事例は、あくまでも教科書的な標準例であり、実際の患児の個別性には対応していないことを痛感しました。
アセスメントの文字数が圧倒的に足りない
本に書かれているアセスメントは、要点が簡潔にまとめられていますが、学生の記録としては不十分でした。
実習記録で求められる詳細さとは、比較にならないほどの差があります。
本では1つの項目のアセスメントが1ページ程度ですが、私の学校では発達段階の評価だけで3〜4ページ書くことを求められました。
子どもの発達を、身体的・精神的・社会的・情緒的側面から詳細に記述し、年齢相応かどうか、遅れがある場合はその原因を考察する必要がありました。
家族アセスメントも、家族構成や役割分担、養育態度、経済状況、サポート体制など、多面的に記述する必要がありました。
本のレベルでは、実習で求められる深さには全く到達できなかったのです。
指導者からは、もっと子どもの姿を具体的に、もっと発達の視点を深く書くよう何度も指導されました。
検査データの正常値が小児の基準で示されていない
これは小児特有の問題で、本当に困りました。
小児の検査データは、年齢によって正常値が大きく異なります。
実習記録では、患児の年齢に応じた正常値を併記し、異常値の意味を考察する必要がありました。
例えば、白血球数が1歳児と10歳児では正常値が違いますが、本ではそこまで詳しく記載されていないケースがありました。
身長・体重も、成長曲線のどの位置にあるのかをパーセンタイル値で示す必要がありましたが、本にはその記載方法が詳しく載っていませんでした。
そのため、結局は別の資料で小児の正常値を調べなければならず、この本だけでは対応できませんでした。
アセスメントの根拠となるエビデンスが不足
本書のアセスメントを読んでいて感じたのは、根拠となる文献の引用が少ないことです。
実習記録では、なぜそう判断したのかという根拠を、文献を引用して明確に示す必要がありました。
小児看護の教科書のページ数、小児医学のガイドライン、発達心理学の理論など、具体的な出典を明記することが求められたのです。
しかし本のアセスメントは、どの文献を参照したのかが不明確で、そのまま引用することができませんでした。
私は実習指導者から、すべてのアセスメントに文献の出典を記載するよう厳しく指導されました。
なぜこの発達段階でこの行動が見られるのか、その理論的根拠を示す必要があったのです。
結局、ピアジェやエリクソンの発達理論、ボウルビィの愛着理論などを読み漁ることになりました。
発達理論の活用が不十分
実習で驚いたのが、発達理論を用いたアセスメントが必須だったことです。
ピアジェの認知発達理論、エリクソンの心理社会的発達理論、フロイトの性的発達理論など、複数の理論を用いて子どもを理解することが求められました。
しかし本書では、こうした発達理論への言及が少なく、理論を活用したアセスメントの書き方が学べませんでした。
理論的枠組みのないアセスメントは、単なる観察記録に過ぎないと指導者から指摘されました。
子どもの行動を理論に照らし合わせて解釈し、発達段階に応じた看護介入の根拠とする必要があったのです。
プレパレーションの記録方法が分からない
小児看護実習で重要なのが、プレパレーションの実施と記録です。
検査や処置を受ける子どもに、年齢に応じた説明と心理的準備を行うプレパレーションですが、本書ではこの記録方法が詳しく説明されていません。
どんな言葉で説明したのか、どんなツールを使ったのか、子どもの反応はどうだったのか、詳細に記録する必要がありました。
しかし本には、プレパレーションの具体例や記録の書き方がほとんど載っていなかったのです。
私はプレパレーションの記録の書き方が分からず、実習前半は何度も書き直しを命じられました。
PES形式での看護問題の記述が不明確
看護診断の基本であるPES形式についても、本書では十分に説明されていません。
PESとは、Problem、Etiology、Symptomsの略で、看護問題を構造化して記述する方法です。
私の学校では、看護問題は必ずPES形式で記載することが求められました。
しかし本の事例では、PES形式が明確に示されていない部分もあり、どう書けばいいのか分かりませんでした。
小児特有の看護問題、例えば成長発達遅延や家族機能障害などを、PES形式でどう表現するのか、もっと詳しく知りたかったです。
看護計画の具体性が欠けている
本に載っている看護計画も、学生の記録としては抽象的すぎました。
実習では、いつ・誰が・何を・どのように実施するのかを明確に記載する必要があります。
観察項目だけでなく、観察の頻度、時間帯、年齢に応じた声かけの内容、評価基準まで求められました。
例えば、プレパレーションの実施は処置の何時間前に行うのか、どんな言葉で説明するのか、具体的に計画する必要がありました。
しかし本の事例では、そこまでの具体性はありませんでした。
遊びを用いた看護介入も、どんな遊びをいつ行うのか、発達段階に応じてどう変えるのか、詳細な計画が必要でした。
家族看護の視点が薄い
小児看護では、患児だけでなく家族全体への看護が重要です。
しかし本書では、家族アセスメントや家族への看護介入について、記載が薄いと感じました。
実習では、両親の心理状態、きょうだいへの影響、祖父母の関わり、家族の経済状況など、詳細にアセスメントする必要がありました。
家族への情報提供や心理的支援、退院後の生活指導なども、具体的に計画する必要があったのです。
この部分は、この本だけでは十分に学べませんでした。
なぜ市販の参考書では実習記録が書けないのか
実習を経験して、私は重要な真実に気づきました。
小児看護実習の記録様式は、学校や実習施設によって極めて大きく異なるのです。
ゴードンを使う学校もあれば、ヘンダーソンを使う学校もあります。
発達段階の評価方法も、学校によって独自の基準があります。
市販の参考書は、あくまで一般的な内容を扱っているだけで、あなたの学校の教育方針や実習施設の特性には対応していないのです。
4,290円という高額な金額を払っても、実際の記録を書く段階で使えないという厳しい現実があります。
同じ川崎病の患児でも、学校によってアセスメントの視点や記録の書き方が全く違うことを、私は身をもって知りました。
レビューで実習にて助けられたと書いた人は、おそらく元々優秀で応用力のある学生だったのでしょう。
私のような普通の学生には、本の内容を学校の記録に落とし込むのは非常に困難でした。
学生時代の私が本当に必要としていたサポート
私自身、この本だけでは不安で、結局は先輩に相談したり、指導教員に何度も添削してもらったりしました。
でも、先輩も実習や国試勉強で忙しく、教員からの指摘は厳しくて心が折れそうになることも。
記録を書くのに毎晩深夜2時3時までかかり、睡眠時間は3時間程度。
患児や家族との関わりよりも記録に追われる日々で、これが本当に小児看護なのかと疑問に思うこともありました。
卒業してから知って本当に悔しかったのが、個別対応型の小児看護過程支援サービスの存在です。
後輩たちがこのサービスを使っていると聞いて、学生時代の私にも教えてほしかったと心から思いました。
このサービスの素晴らしい点は、あなたの学校専用のフォーマットに合わせて、実習記録の書き方を具体的にアドバイスしてくれること。
ヘンダーソンでもゴードンでも、どの枠組みにも対応しています。
情報収集から発達段階の評価、アセスメント、プレパレーションの記録、看護計画、実施・評価まで、一貫してサポートしてもらえます。
何より、あなたの受け持ち患児の状況に応じた、完全オーダーメイドの支援が受けられるのです。
市販の参考書では絶対に得られない、実践的で即戦力になるアドバイスがここにはあります。
学校独自の評価基準を熟知したサポートなので、指導者から高評価をもらえる記録が書けるようになります。
小児の検査データの正常値の記載方法、エビデンスに基づいたアセスメント、発達理論を活用した考察、PES形式での看護問題の記述まで、トータルでサポートしてもらえるのです。
プレパレーションの記録方法や、家族アセスメントの書き方、遊びを用いた看護計画の立案方法も教えてもらえます。
複雑な家族背景を持つケースへの対応や、発達に遅れがある子どもへのアセスメント方法も学べます。
まとめ:高額な参考書か、確実なサポートか
小児看護過程の参考書は、発達段階を学んだり試験対策をするには本当に良い教材です。
この『発達段階からみた小児看護過程 第4版』も、小児看護の基礎を学ぶには優れた一冊だと思います。
しかし、実習記録を完成させるには明らかに力不足なのです。
4,290円という高額な本を買って結局実習では使えなかったという経験は、多くの看護学生が通る道です。
高い参考書で独学して苦労するか、それとも自分の学校に完全に合わせた個別サポートを受けるか。
あなたの学校、あなたの実習施設、あなたの受け持ち患児に完全に合わせた看護過程を一緒に作り上げていく。
そんな伴走型のサポートを選ぶという道もあります。
記録に追われて睡眠時間を削り、患児や家族との大切な関わりが疎かになってしまう前に、効率的な学び方を検討してみてください。
個別サポートを利用すれば、実習で評価される記録が書けるようになり、自信を持って患児や家族と向き合える時間が増えます。
限られた実習期間を、記録作業だけで終わらせるのか、それとも本来の小児看護を学ぶ時間にするのか。
どちらを選ぶかは、あなた次第です。







