目的
意識障害は脳の重篤な機能障害を意味し、生命が危険にさらされている場合が多いので、迅速に意識障害のレベルを測定し、応急処置が必要かどうかを判断する必要がある
手順 手技 方法
- 患者の耳元で名前を呼ぶ
- 「はい」と返事ができる。氏名、年齢、場所、生年月日を聞き、返答ができるか、反応の速度、応答の正確さ、言葉の明瞭さなどを見る
- 反応がない場合は肩を数度たたく、それによって開眼して反応する場合は目の開閉、握手などの支持に従うことが出来るか、反応の速度、正確さなどを見る
- 肩をたたいても反応がない場合は痛み刺激として手足をつねるなどの刺激を与える。刺激によって少し手足を動かし、払いのけようとしたり、顔をしかめるかまったく反応しないかを見る
- 眼の症状として瞳孔のサイズ、左右差、瞳孔の位置を観察する
- ペンライトを用いて対光反射を左右別々に観察する。片眼の外側から真正面へと瞳孔の上に光を当て、光による瞳孔の縮小が生じるか否かをみる
注意点 留意点
- 意識障害の程度を分類する方法にはジャパンコーマスケール、グラスゴーコーマスケールなどの評価法がある
- 意識の測定は意識障害時にみられる随伴症状(呼吸、脈拍、血圧、体温、瞳孔反応などの眼症状、神経症状、運動麻痺、姿勢、痙攣、異常行動など)と合わせて行われる
- 意識レベルは流動的なので、時間を追って少しの変化も逃さずに観察してゆく必要がある
観察項目 観察ポイント
- 瞳孔径・対光反射の評価
- 麻痺の有無や肢位異常
- 呼吸状態の観察
- 血圧
- 体温チェック
- 皮膚の状態
ジャパンコーマスケール
1点:だいたい意識声明だが、今ひとつはっきりしない
2点:見当識障害(自分がなぜここにいるのか、ここはどこなのか、といった状況が理解されていない状態)がある
3点:自分の名前、生年月日が言えない
10点:普通の呼びかけで容易に開眼する
20点:大きな声または体をゆさぶることにより開眼する
30点:痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する
100点:痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
200点:痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめる
300点:痛み刺激に反応しない