目的
- 口腔内・気道内の貯留物や分泌物の除去
- 気動閉塞の予防、肺換気の改善
- 呼吸気合併症(無気肺、肺炎など)の予防、改善
注意点 留意点
- 意識障害のある患者や麻酔後および気管内挿管・気管切開中の患者は声を出すことが出来ないので、常に観察を怠らず、気動の確保に努める
- 呼吸状態、爪にチアノーゼが現れていないかに注意し、吸引トレイはいつでも使えるように床頭台に用意しておく
- 上気道吸引の場合、カテーテル先端が気道の粘膜に密着しないようにカテーテルを回しながら気道の全ての面の分泌物を吸引する。
- エアウェイ気道挿管、気管カニューレを使用していればそれに沿ってカテーテルを挿入して吸引する。
- カテーテルが必要なところに挿入されるまではチューブを折り曲げて、吸引力を止めて挿入する。そうでないと不必要なところの粘膜に吸着して傷つけるおそれがある
- 気管内分泌物を吸引する場合の圧は100~200mmHg、口腔・鼻腔の場合は200~400mmHg程度である(陰圧が低いと分泌物を取り除けず、高過ぎると粘膜を傷つける)
- 1回の吸引時間は10~15秒以内にする(低酸素状態によるチアノーゼ予防のため)
- 吸引後は深呼吸させ呼吸を整える
- 吸引を終えたらチューブを折り曲げて吸引力を止めてからカテーテルを抜く
手順 手技 方法
- 必要物品をそろえ、患者の所へ運ぶ
- 処置を説明し、同意と協力を得てからカーテンをする
- 吸引器のソケットをコンセントに差し込む
- 滅菌手袋をはめる
- カテーテルを取り出し、吸引器のチューブに接続する
- 吸引器へのスイッチを入れてからチューブのコックを開き、蒸留水容器へカテーテルを入れ、吸引力を調整しながら水を吸引してみる(メーターの数値が高くなるほど吸引力は強くなる)
- 気道吸引の場合は吸引前にできれば患者に大きな咳を促す
- カテーテル先端の水をよく切り、カテーテルを静かに挿入する。カテーテル挿入時はチューブを左手で折り曲げ、吸引力を止めておく
- 分泌物を吸引するときは静かにカテーテルを左右・上下に移動させながら吸引する
- その後、再び左手でチューブを折り曲げ、吸引力を止めてからカテーテルを抜く
- カテーテルを抜いたらヒビテン拭き綿でカテーテルの外側を拭く。次に蒸留水を通す
- カテーテルを抜いたら、経鼻、経口の場合はヒビテン拭き綿で外側を拭き、蒸留水を吸引し、その後コックを閉じる。
- カテーテルを廃棄する
- モーター内に汚水が逆流するのを防ぐため、吸引びんの排出量が70~80%になったら空のびんと交換する
- 吸引の必要がなくなったら、使用物品を持ち帰り、後始末をする
観察項目 観察ポイント
バイタルサイン チアノーゼ(口唇・爪の色) 分泌物の色・性状・粘調度 呼吸(回数、深さ、リズム、音)