SSTとは
- SSTとは,エス・エス・ティ,社会生活技能訓練などとも呼ばれることがあり,前節の認知行動療法と社会学習理論を基盤にした支援方法の一つである。
- 社会の中で,相手から自分の望むような反応(望むような回答,理解など)を得るためには,一定の認知や行動(言動)のスキルが必要である。たとえ ば,親しくなりたいと思うクラスメートへ話しかけたときに,相手も同じように自分と親しくなりたいと思い,それを表現してくれるような結果が得られる話し かけ方などは,人によっては何の苦もなくできることであるが,一部の若者にとっては,一定の知識を得て,訓練をして,初めてできるようになることである。 そのようなときに,必要な知識(どのような言動が望ましいかなどの情報)を与え,練習(行動リハーサルなど,ロールプレイなどを通して実際にやってみる体 験)できるように支援の順序とコツを定め,構造化した支援の方法がSSTである。
目的
- 認知行動療法的学習訓練により生活技能を高め、再発を予防し、自立した社会生活を支援すること
- 様々な患者のレベルに合わせて多様な内容を準備し、患者の生活能力やセルフケア能力を向上させる
方法
- 生活技能訓練では生活技能を受信技能、処理技能、送信技能とに区別し、訓練を実施する
- 訓練は通常、集団で行われ、受容的、肯定的雰囲気の中で当事者自身が獲得、あるいは改善したい技能を目標に立て、ロールプレイやモデリングなどを活用しながら学習していく
- 日常生活を円滑に行うことができるよう様々な場面を設定し、相互に励まし合いながら一定の生活行動が可能となるよう、繰り返し訓練を行う