妊娠による母体の変化

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生殖器の変化

子宮

  • まず月経が停止し、その後、子宮は発育・増大し、柔軟になる
  • 妊娠末期には子宮腔の容積は4~5リットルとなり、これは非妊娠時の2000~2500倍である
  • 妊娠初期より子宮腟部の粘膜は充血し青紫色になる。これをリビド着色という

卵巣

  • 排卵後に生じた黄体はそのまま妊娠黄体となって存続し、プロゲステロンを分泌し続け、妊娠を維持させる
  • 胎盤が完成してプロゲステロンを産生するようにするようになると、妊娠黄体は退縮する

腟・外陰

  • 腟も柔軟となり、リビド着色が生じ、分泌物が多くなる
  • 外陰部も肥大、充血してやわらかくなり、色素沈着のため黒褐色に着色する

乳房

  • 妊娠により乳腺も発育し、分泌機能を開始する
  • 乳房を圧迫すると妊娠の比較的早期から初乳を分泌する
  • 乳頭および乳輪には色素沈着が増加する
  • 妊娠線が生じることもある

全身の変化

皮膚

  • 外陰部や乳房以外に下腹部正中線にも色素沈着が現れる
  • 顔面にもそばかす様の色素沈着が生じることがあり、これを妊娠性肝斑という。
  • しばしば下腹部や大腿に上下にはしる多数の赤褐色の線が現れる。これを妊娠線という。

消化器

  • 妊娠初期より食欲不振、悪心、嘔吐などの消化器症状が生じる。通常は妊娠5週頃に始まり、妊娠11~12週頃に軽快するが、その程度や期間には個人差がある。特に症状が強く、治療を要するものを妊娠悪阻と呼ぶ。
  • 妊娠中は便秘しやすい。これはホルモン、特にプロゲステロンの影響により腸の運動が低下するのと妊娠子宮による腸の圧迫のためである。

循環器

  • 循環血液量は妊娠早期より中期にかけて50%増加する
  • 心拍出量も妊娠に伴い30~50%増加するので、心臓も肥大する
  • 血管抵抗は減少し、血圧は低下する。その減少度は妊娠中期に最大となり、その後は上昇するものの妊娠末期でも非妊娠時より低い

呼吸器

  • 子宮の増大により横隔膜が挙上し、胸部は横に広がる。このため胸式呼吸となり呼吸数は増加するが肺活量には変化はない

泌尿器

  • 子宮によって膀胱が圧迫され頻尿となる
  • 胎児の老廃物処理も行うため、腎機能が低下しやすく、蛋白尿、糖尿になることがある。

血液

  • この循環血液量の増加に赤血球の産生や鉄分の供給が追いつかないので、妊娠貧血が起こる
  • 白血球数も中等度に増加する

内分泌系

  • 妊娠すると胎盤という巨大な内分泌器官が形成され、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎盤ラクトーゲン、エストロゲン、プロゲステロンなどのホルモンを多量に産出するため母体内のホルモン状態は大きく変化する。その影響を受け、甲状腺や下垂体前葉などの内分泌器官が肥大する。

代謝系

  • 体重は7~13kg増加する
  • 基礎代謝は8~15%亢進する
  • 体温は少し上昇する
  • 母体には多量のタンパク質・脂質が蓄積される

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