経産婦であっても妊娠中は予期せぬ体調変化が起こることがあります。
今回は30代の働く妊婦さんの事例をもとに、妊娠後期の貧血対策と仕事と育児を両立する妊婦の健康管理について詳しく解説します。
経産婦でも油断できない妊娠中の貧血
過去2回の妊娠で貧血の経験がなくても、3回目の妊娠で初めて貧血を指摘されることがあります。
妊娠37週頃の検査でヘモグロビン値が10.0g/dl前後まで低下するケースでは、鉄剤の処方が必要になります。
めまいやふらつきなどの自覚症状がなくても、血液検査で貧血が発見されることは珍しくありません。
妊娠後期は胎児の成長に伴い鉄の需要が急増するため、経産婦でも注意が必要です。
妊娠初期から中期にかけてヘモグロビン値が11.0g/dl程度で推移していても、後期に入ると急激に低下することがあります。
働く妊婦の食生活の実態と課題
フルタイムで働く妊婦の場合、夕方18時頃まで勤務することが多く、帰宅後の食事準備に時間をかけられない現実があります。
朝に夕食の下準備をする習慣があっても、妊娠中の眠気で準備ができない日が増えます。
週に2回程度、惣菜店で揚げ物などのおかずを購入する頻度になると、栄養バランスが崩れやすくなります。
家族の好みに合わせて肉料理中心の食事になり、鉄分の多い食材が不足しがちです。
子どもが好む唐揚げやメンチカツなどの揚げ物は、鉄分補給には不十分な場合が多いのです。
レバーやほうれん草など鉄分豊富な食材を知っていても、家族が食べない、料理のレパートリーが思いつかないという理由で食卓に上らないことがあります。
妊娠後期の体重管理と健康状態
非妊娠時の体重が52kg前後、身長162cm程度でBMI19〜20の標準体型の場合、妊娠中の推奨体重増加は10〜13kg程度です。
妊娠7週から39週までに約10kgの体重増加があれば、適正範囲内といえます。
妊娠37週頃で60kg前後、妊娠39週頃で61〜62kg程度であれば、過度な体重増加ではありません。
妊娠後期に尿蛋白がプラスマイナス程度、浮腫が軽度認められる場合は、経過観察となることが多いです。
妊娠高血圧症候群への移行に注意しながら、塩分摂取を控える必要があります。
胎児の発育と超音波検査の推移
妊娠20週頃で推定体重320g前後、妊娠24週頃で680g前後であれば、標準的な発育です。
妊娠28週頃で1180g前後、妊娠30週頃で1500g前後と順調に成長していきます。
妊娠34週頃で2340g前後、妊娠37週頃で2560g前後まで増加します。
妊娠38週頃で2800g前後、妊娠39週頃で2950g前後の推定体重であれば、出生時には3000g前後が予想されます。
胎児心拍数が150〜160bpm台で安定し、NSTが正常パターンを示していれば問題ありません。
第1頭位で胎盤の位置が正常であれば、経腟分娩が可能な状態です。
貧血改善のための食事指導のポイント
鉄剤の処方と併せて、日常の食事からの鉄分摂取を増やす工夫が重要です。
手軽に取り入れられる鉄分豊富な食材
レバーが苦手な家族がいる場合、赤身の肉や魚を積極的に選ぶことで鉄分摂取が可能です。
カツオやマグロなどの赤身魚、牛もも肉などは調理しやすく家族にも受け入れられやすい食材です。
ほうれん草は付け合わせだけでなく、カレーやスープ、パスタに混ぜ込むことで摂取量を増やせます。
小松菜や水菜などの青菜類も鉄分が豊富で、炒め物や味噌汁の具材として手軽に使えます。
ビタミンCと一緒に摂取すると鉄の吸収率が高まるため、野菜や果物を組み合わせることが効果的です。
時短でできる鉄分補給レシピ
納豆や豆腐などの大豆製品は、そのまま食べられて鉄分も含まれています。
ひじきの煮物を週末に作り置きすれば、平日の副菜として活用できます。
あさりの水煮缶を使った味噌汁やパスタは、調理時間が短く鉄分補給に最適です。
冷凍ほうれん草を常備しておけば、炒め物やスープにすぐ使えて便利です。
経産婦の母乳育児準備
過去2回とも1歳まで完全母乳で育てた経験がある場合、3回目も母乳育児を希望することが多いです。
乳腺炎の既往がなく、乳頭の形状が適切であれば、母乳育児はスムーズに進みやすいでしょう。
乳頭マッサージを妊娠20週以降、ほぼ毎日入浴時に実施することで、授乳準備が整います。
乳頭頂の直径が1cm程度、側壁の長さが0.6cm程度あれば、授乳に適した形状です。
経産婦の場合、初産婦よりも母乳分泌が早く始まる傾向があります。
上の子どもの育児と妊娠の両立
小学1年生と保育園年中クラスの子どもがいる場合、妊娠中も育児と仕事の両立が求められます。
夫が18時頃に学童保育と保育園へ迎えに行ける調整ができていれば、妊婦の負担が軽減されます。
産前休暇は妊娠38週頃から取得し、体調を整える期間を確保することが理想的です。
出産後1年間の育児休業を取得し、その後は保育園に預けて職場復帰する計画を立てることが一般的です。
実母が週3日程度、自宅に手伝いに来られる環境があれば、産後の回復がスムーズになります。
夫の育児参加と家族のサポート体制
皿洗いなどの家事を頼めば手伝ってくれる夫の場合、具体的に依頼することで協力が得られます。
過去の出産時に沐浴とオムツ替えをしてくれた経験があれば、3人目でも同様の協力が期待できます。
休日に上の子どもたちを公園や買い物に連れ出してくれる夫は、妊婦の休息時間確保に貢献しています。
両親教室に参加した経験のある夫は、育児への理解があり積極的に関わる傾向があります。
立ち会い出産への希望と準備
過去2回の出産で立ち会いができなかった場合、3回目こそは夫に立ち会ってほしいと希望する妊婦は多いです。
上の子どもたちを祖父母に預けられる環境が整えば、夫婦だけで出産に臨めます。
生まれてすぐの赤ちゃんの写真撮影や、胎盤の観察など、最後の出産だからこそ希望することがあります。
バースプランを事前に病院に伝えておくことで、希望に沿った出産が実現しやすくなります。
妊娠中の通勤と運動習慣
デスクワーク中心で車移動が多い仕事の場合、運動不足になりがちです。
妊娠16週以降、体調が安定してから、職場近くの顧客訪問時は徒歩で移動するなどの工夫ができます。
毎日30分程度のウォーキングを習慣化することで、体重管理と体力維持につながります。
産後の職場復帰に向けた準備
育児休業中は、子どもとの時間を大切にしながら、職場復帰に向けた準備も必要です。
保育園の情報収集や、時短勤務の可能性について職場と相談しておくことが重要です。
近所に同じ保育園の友人がいれば、育児の相談や情報交換ができる貴重な存在となります。
まとめ:働く経産婦の健康管理
経産婦であっても、妊娠ごとに体調は異なります。
仕事と育児を両立しながらの妊娠は、時間的にも体力的にも負担が大きいものです。
貧血などの問題が見つかった場合は、医師の指示に従い、食事と薬物療法で改善を図ります。
家族や職場、医療者のサポートを受けながら、無理のない妊娠生活を送ることが大切です。
定期的な妊婦健診を欠かさず、体調の変化に早めに対応することで、母子ともに健康な状態で出産を迎えられます。








