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小児看護

やさしく解説!食物アレルギーの看護 – 看護師・看護学生のための実践ガイド

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はじめに

私は臨床で10年以上、食物アレルギーの患者さんのケアに携わってきました。この記事では、食物アレルギーの基礎知識から実践的な看護まで、わかりやすく説明していきます。特に新人看護師さんや看護学生さんに向けて、現場で使える知識をお伝えしていきますね。

食物アレルギーって何?基本のキホン

食物アレルギーは、体が食べ物を「敵」だと勘違いして、過剰に反応してしまう状態です。普通なら問題のない食べ物に対して、体が「危険!」と判断して戦おうとするんです。これは免疫システムが関係しています。

例えば、卵アレルギーの人が卵を食べると、体が「卵が敵だ!」と勘違いして、いろんな症状を引き起こします。皮膚がかゆくなったり、お腹が痛くなったり、ひどい時には呼吸が苦しくなったりすることもあります。

よく見る原因食品を覚えよう

日本で特に多い食物アレルギーの原因食品について説明します。最も多いのが卵で、次に牛乳、小麦です。これらは「三大アレルゲン」と呼ばれています。他にも、ピーナッツ、そば、えび、かになども要注意です。

ただし、これは統計的な話で、人によって原因となる食品は違います。中には珍しい食品にアレルギーがある人もいます。だから、患者さん一人一人の原因食品をしっかり確認して、個別に対応することが大切です。

アレルギー症状の見分け方

食物アレルギーの症状は、軽いものから命に関わる重症なものまでさまざまです。主な症状を説明していきましょう。

皮膚の症状が最も多く見られます。じんましんや赤み、かゆみなどです。次に多いのが、お腹の痛みや吐き気、下痢などの消化器症状です。また、くしゃみ、鼻水、咳といった呼吸器の症状も出ることがあります。

特に注意が必要なのが、アナフィラキシーという重症な全身反応です。これは急激に血圧が下がったり、呼吸が苦しくなったりする命に関わる症状です。このような症状が出たら、すぐに対応が必要です。

アレルギー患者さんの観察ポイント

看護師として特に気をつけたい観察ポイントを詳しく説明します。患者さんの異常をいち早く見つけるために、以下の点をしっかりチェックしましょう。

まず、食事の前後で患者さんの様子がどう変化するかを注意深く観察します。食事を始めてから症状が出るまでの時間は、人によって違います。すぐに症状が出る人もいれば、数時間してから症状が出る人もいます。だから、食事の前から食後しばらくまで、定期的に観察することが大切です。

特に注意したいのが、顔色の変化、皮膚の状態、呼吸の様子です。顔色が悪くなったり、唇が青くなったりしていないか確認します。皮膚にじんましんや発赤が出ていないかもチェックします。呼吸が苦しそうだったり、咳が出たりしていないかも見ます。

緊急時の対応 – 焦らず冷静に

アレルギー症状、特にアナフィラキシーが起きた時の対応は、素早く正確に行う必要があります。そのために、手順を頭の中で「1、2、3」とシンプルに整理しておきましょう。

まず1番目に、バイタルサインの確認です。意識レベル、血圧、脈拍、呼吸数、SpO2をすぐにチェックします。これらの値は、症状の重症度を判断する重要な情報となります。

2番目に、医師に報告します。このとき、「いつから、どんな症状が、どのように変化しているか」をわかりやすく伝えます。また、アレルギーの原因と思われる食品も必ず報告します。

3番目に、医師の指示に従って治療を開始します。多くの場合、アドレナリン(エピペン®)の投与や、点滴、酸素投与などが必要になります。

アレルギー予防の具体策

予防が何より大切です。病棟での食事提供時には、以下のような対策をとります。

まず、食事を配膳する前に、必ずアレルギー食の確認をします。配膳車に「アレルギー注意」の札が付いているか、食札の内容と食事内容が一致しているかをダブルチェックします。

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食事を患者さんに渡す時も、「お名前を教えてください」と声をかけ、患者さん本人であることを確認します。また、「卵アレルギーの方ですね」といった具合に、アレルギーの内容も確認します。

家族への指導 – 退院後の生活に向けて

退院後の生活に向けて、家族への指導も重要な役割です。特に以下の点について、わかりやすく説明していきます。

まず、食品表示の見方です。アレルギー物質は法律で表示が義務付けられていますが、表示の見方がわからない家族も多いものです。実際の食品パッケージを使って、原材料欄の見方や、アレルギー表示の場所を説明します。

次に、緊急時の対応方法です。症状が出た時にどうすればいいのか、どんな時に病院を受診すべきかを具体的に説明します。エピペン®を処方されている場合は、使い方の練習も行います。

食事管理のコツ – 栄養バランスを保つために

アレルギー食品を除去する際に気をつけたいのが、栄養バランスの問題です。単に除去するだけでなく、代替となる食品をしっかり取り入れることが大切です。

例えば、牛乳アレルギーの場合、カルシウムが不足しがちです。そこで、小魚や豆腐、緑黄色野菜からカルシウムを補給する方法を提案します。卵アレルギーの場合は、良質なタンパク質を肉や魚、大豆製品から摂取できるよう工夫します。

心理的サポート – 不安に寄り添う

食物アレルギーの患者さんとその家族は、様々な不安や悩みを抱えています。**「いつも食べ物に気を使わなければならない」「友達と同じものが食べられない」「いじめられないか心配」**など、心理的な負担は想像以上に大きいものです。

看護師として大切なのは、これらの不安や悩みにしっかりと耳を傾けることです。「大変ですよね」「心配ですよね」と共感の言葉をかけながら、具体的な解決策を一緒に考えていきます。

学校・保育園との連携

子どもの場合、学校や保育園での生活も大きな課題となります。給食での対応、校外学習での注意点、緊急時の対応など、教育機関との連携が重要です。

医療者として、学校側に対して、アレルギーの重症度や具体的な対応方法を伝えることが必要です。また、エピペン®を持っている場合は、教職員への使用方法の指導も行います。

最新の治療法と研究について

食物アレルギーの治療は日々進歩しています。経口免疫療法や舌下免疫療法など、新しい治療法も開発されています。ただし、これらの治療は必ず医師の指導のもとで行う必要があり、リスクもあることを説明します。

また、予防に関する考え方も変わってきています。以前は「アレルギーになりやすい食品は赤ちゃんの時期を避ける」と言われていましたが、最近の研究では「早めに少量から始める方が良い場合もある」とされています。

まとめ – 実践で活かすポイント

食物アレルギーの看護で最も大切なのは、「観察・予防・対応」の3つです。患者さんの些細な変化も見逃さない観察眼、アレルギー症状を未然に防ぐための予防策、そして緊急時の適切な対応。これらをしっかりと身につけることで、安全な看護を提供することができます。

また、患者さんやご家族の気持ちに寄り添い、不安や悩みに対するサポートも忘れずに。食物アレルギーは生活全般に関わる問題だからこそ、医療者として総合的なケアを提供することが求められます。

この記事で学んだ知識を、ぜひ日々の看護実践に活かしてください。一人一人の患者さんに合わせた、きめ細やかなケアを提供できる看護師を目指していきましょう。

参考文献:

  • 日本小児アレルギー学会『食物アレルギー診療ガイドライン2021』
  • 厚生労働省『保育所におけるアレルギー対応ガイドライン』
  • 文部科学省『学校給食における食物アレルギー対応指針』

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。実際の診療やケアは、必ず主治医や担当看護師の指示に従ってください。

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