目的
- 薬液を全身に作用させる
- 経口的、または肛門から薬剤を投与することが不可能なとき
- 消化液によって変化したり、消化管の粘膜を刺激したりする薬剤の場合
注意点 留意点
- 医師の指示票を注意深く確かめ、準備する
- 注射器および注射針が完全に使用できる状態にある事を確認する
- 注射器の筒先、筒、吸子が適合しているかを見る
- 針先、注射器と針の接続状態を見る
- 消毒および無菌操作を確実に行う
- 施行者は流水のもとで石鹸を用いて手をよく洗う
- 使用物品は滅菌されたもので、期限が有効なものを使用する
- 注射部位はアルコール綿で消毒する
- 操作は手際よく、無菌操作で行う
- 注射部位は血管、神経の少ない部位を選び、主として上腕後面正中上で下1/3の部位、および大腿前面の外側に行う
- 注射薬は3回確かめる
- 何回も注射をする場合には同じ部位に行うと硬結をつくることがあるので、左右交互に行ったり、適当に部位を変えて行う
- 注射針は23~25Gを用いる
- 患者の苦痛を少なくするため、皮膚および皮下組織を大きくつまみ上げ、注射部位を固定する
- 注射針の角度は皮膚面に対し10~30度とし、注射針の折れた場合の危険を防止するため、注射針の1/3は皮膚より出しておく
- 注射針は速やかに刺し、液はゆっくりと注入する。
- 注射針を抜くときは注射刺入角度を変えないよう固定した角度で素早く抜く
- 注射後は薬液の吸収を早くするため、注射部位をアルコール綿で押さえ、軽くマッサージする。
- 注射部位および患者の全身状態を十分に観察する
- 注射針、注射器は専用のケースに入れ、廃棄物入れに捨てる
手順 手技 方法
準備段階
- 施行者は流水のもとで石鹸を用いて手をよく洗う
- 注射箋に指示された注射薬を用意する
- 1患者1トレイとし、清潔な台の上に必要物品をそろえる
- 清潔操作によりディスポーザブル注射器およびディスポーザブル注射針を取り出し、注射針を接続して吸子で空気の針を先端から押し出し、接続の状態を確かめる
- 薬液のラベルを見て、指示された薬剤であるかを注射箋を見ながら確かめる
アンプル薬液の吸い上げ
- アンプルの頸部をアルコール綿で拭き、アンプルカットでこすり、再びアルコール綿を当てて折る。アンプルにカット印がある場合はアルコール綿を当てて折る
- 注射器で指示量の薬液を吸い上げる
- 医師の指示箋、薬液を入れた注射器、アルコール綿、針入れケース、膿盆をトレイに入れ、準備しておく
バイアルびんの薬液の吸い上げ
- ゴム栓上のふたを取り、アルコール綿でゴム栓を消毒する
- 注射器に吸い上げる薬液と同量の空気を入れ、ゴム栓の中心に注射針を刺して空気を注入する
- バイアルを逆にして薬液を吸い取る
実際に注射してみる
- 注射箋にある患者氏名とリストバンドネーム、あるいは本人に名乗ってもらい患者を確認する
- 注射箋の患者氏名、薬剤名、注射器内の薬剤名を確認する
- 患者に説明する
- 注射部位をアルコール綿で消毒する
- 注射部位の皮膚を伸張させてしっかりと固定する
- 注射器を皮膚面に対し10~30度の角度で素早く皮下組織に刺す
- 吸子を引いて、注射針が血管に入っていないこと、神経に触れていないことを確かめる
- 注入薬をゆっくり注入した後、アルコール綿で針先を軽く押さえるようにして針を素早く抜く
- 注射部位を軽くマッサージする
- 患者を安楽な体位にする
観察項目 観察ポイント
注射薬名 量 注射時刻 方法 注射部位 一般状態の観察