廃用症候群とは
- 廃用症候群とは安静臥床、運動不足など身体の不活動性によって生じる心身の障害の総称である
- 身体を動かさない状態は身体に影響を及ぼすだけでなく、心理的・社会的な影響をもたらす
- 廃用症候群における障害は時間依存的に拡大し、リハビリテーションを困難にし、早期社会復帰や日常生活の行動障害にもつながる。したがって、可能な限り予防に努めることが重要であり、生じてしまった場合でも、速やかに改善させるよう努力する
身体的悪影響
心臓系
- 心筋機能の低下
- 換気量の低下
- 心拍数と心拍出量の低下
- 酸素摂取量の低下
循環系
- 静脈血栓
- 起立性の耐性低下
- 浮腫
- 静脈環流の低下
- 血管内圧の上昇
呼吸系
- 分泌物の停滞
- 線毛の機能障害
- 粘膜分泌物の低下→乾燥
- 胸郭拡張の低下
- より遅い、浅い呼吸
筋・骨格系
- 筋萎縮
- 筋線維の短縮
- 筋力・筋緊張の低下
- 骨粗鬆症
- 関節変性
- 膠原線維の線維症
代謝・血液系
- 窒素の尿中への排泄の低下
- 糖耐性の低下
- 高カルシウム血症
- 食欲不振
- 代謝率の低下
- 肥満症
- クレアチンの上昇
胃腸系
- 便秘
泌尿器系
- 尿停滞
- 尿結石
- 尿閉
皮膚系
- 毛細血管血流の低下
- 壊死に至る組織の酸性血症
感覚神経系
- 神経支配の低下
身体不動性の心理的、社会的影響
心理的
- 緊張感の増強
- 自己概念に対する否定的変化
- 不安
- 怒り
学習
- モチベーション低下
- 学習の維持、学習後の転移能力の低下
- 注意持続時間の低下
社会的
- 役割の変化
- 社会的孤立
成長と発達
- 依存
廃用症候群の予防方法
- 体位変換を行い褥瘡を予防する
- 関節可動域訓練を行う
- 尖足、股関節外旋を予防する
- 十分な水分(一日に2000ml以上)を補給する
- 可能な限り生活に変化をつける
- 適度なレクレーションを取り入れる