目的
- 立位・座位にはなれるが、歩行が困難な患者の排便
- 頻回の排泄のため、トイレでの排泄が困難な患者の排便
- 麻痺などにより、夜間のトイレでの排泄が危険な患者の排便
注意点 留意点
- 長く臥床していた患者や手術後の患者が始めてトイレに行く場合、起立性低血圧や転倒をすることがあるので、必要時には付き添い、便中、便後も状態をよく観察する
- 高齢の患者では尿意を感じてあわてて行動したり、ナースコールを遠慮して事故につながることがある。落ち着いた行動ができるよう、積極的に声掛けすることが必要な場合もある
- 寒い季節には安全で安楽に排泄が行えるように衣類、室温に注意し、トイレの整備の配慮も必要
- 患者の依頼に快くすぐ応じる
- カーテンをして羞恥心を感じさせない
- 手早く、手際よい操作
手順 手技 方法
トイレ
- トイレ内の手すりやトイレットペーパーホルダーを使いやすい位置にする
- 滑らない履物を用意し、床がぬれているときは拭き取っておく
- トイレに入ったら壁に寄りかからせるか、手すりを持たせ、後ろから下着を下ろす
- 患者の両腕を首に回させ、抱きかかえるように便器に座らせる
- 看護者は呼ばれてから入り、手すりをつかませ中腰の姿勢をとらせ、陰部を前から後ろに拭く
- 患者の足を後ろに引かせ両腕を看護師の首に回させ、下着を上にあげる
ポータブルトイレ
- ポータブルトイレのフタを開ける
- 必要に応じてベッドサイドに立ち、ポータブルトイレの移動を介助する
- 必要に応じ、患者がスリッパを履き、身体をポータブルトイレに座る向きに変え、下着を下ろし、便座に座るのを介助する
- トイレットペーパーを手元に置く
- 排泄時にはカーテンの外や室外に出るなど、可能なかぎり患者が一人で排泄を行えるように配慮する
- 排泄後、ポータブルトイレに座ったままで、トイレットペーパーで尿道口から肛門に向かって数回に分けて便を拭き取り、陰部洗浄、清拭などにより陰部を清潔にする
- 必要に応じて患者がポータブルトイレから立ち上がり、下着を上げるのを介助する
- 便器のフタを閉める
- 患者の手を拭く
- 必要に応じてベッドへの移動を介助する
- カーテンを開け、換気をする
観察項目 観察ポイント
不安 苦痛 羞恥心 陰部・殿部・仙骨部の状態 排泄物の量・性状