目標
- 水分中毒症状を早期に認識できる
- 多量の飲水行動をほかの肯定的な行動に変えることができる
- 幻聴や妄想による不安、焦燥について言語化できる
- 水制限の必要性、水中毒の危険性について理解できる
- 水制限によるストレスや不安、焦燥などの感情を言語的に表現できる
- 活動性を高めることができる
- 家族は水中毒の症状原因と症状、危険性について説明を受け、不安を軽減することができる
- 家族は積極的に患者との面会、外泊の受け入れができる
観察
身体的側面
睡眠障害:不眠、中途覚醒、昼夜逆転
栄養障害:多飲水、食欲不振、悪心、嘔吐、体重の日内変動
薬物による副作用
精神的側面
知覚障害:幻聴、幻視、幻味、幻臭、体感幻覚
感情障害:不安、焦燥、抑うつ、易刺激性
思考障害:作為思考、関係妄想、罪業妄想
意欲・行動障害:無為、多動、歩行障害、行動異常、自傷、自殺企図
意識障害:せん妄、傾眠、昏睡
日常生活動作
睡眠:不眠、中途覚醒、早期覚醒
食事:多飲水、食欲不振、嗜好の偏り
排泄:頻尿、多尿、下痢
身だしなみ:衣類の濡れ、だらしなさ
行動:コップの保持、トイレ通い
社会的交わり:対人関係の有無程度
ケア
水中毒を起こしている状況に対して
- 身体症状、精神症状を観察する
- 患者の多飲水の原因をとらえる
- 食事、水分の摂取状況、排泄状況を観察し、1日2回の体重測定を行う
- 患者の訴えをよく聞き、共感する態度で接する
- 水制限の必要性、水中毒の危険性を説明し、患者と問題点を共有する
- 患者の言葉で表現する
- 状態をみて、トランプ、オセロ、散歩など簡単な活動に誘う
患者の家族に対して
- 家族面会時などに患者も交えて水中毒の症状などについて説明し、家族の協力を得る
- 家族の話を傾聴し、患者に対する家族の不安を軽減する
- 患者の外泊時、家族の中での役割を持ち、居場所を見つけるよう促す
患者への対応、コミュニケーションの方法
- 身体的・精神的側面の観察とその対応を行う
- かかわり時間を増やし、患者理解につとめる
- 多飲中の行動のみに固執せず関係を深める
- 水中毒の危険性を説明する
- レクレーションや作業などの活動への参加を促す
- 患者に感情の言語的表現をうながす