- 精神療法とは患者の精神面に働きかけて精神的・心理的な問題を解決することを目的とした治療法
- 主に言語を媒介とした面接によって、患者の精神的安定を図り、人格の発達、成熟を促し、問題行動を改善することを目標にする患者と治療者の対人関係をもとにした治療法である
- この治療法は訓練された医師や看護師、あるいは心理療法による専門的な治療法である
- 看護職者は精神療法的支援の基本的な理論と方法を習得する必要がある。不慣れな看護師が精神療法を行うことは慎まなければならない
- 患者との接点が多い看護師に求められるのは専門家による治療や適切な指導を受ける必要があるのか否かをアセスメントし、連絡・調整することである
- 適切な専門家が医療チームの中に入り、対象者にとって最も望まれる医療が提供されているか否かを常に評価しながら進めることが重要であり、自己の限界をもわきまえておく謙虚さが必要である
精神療法の種類と適応
個人精神療法
- 面接を基本とし、指導者と1:1で行われる
- 心身症、神経症、自律神経失調症、行動異常、不安神経症などに用いられる自律訓練法、催眠療法、内観療法、森田療法、芸術療法、精神分析療法などがある
集団精神療法
- 集団のなかで各人の相互作用の中から、人間が社会的存在であることを学ぶ療法
- 自由な雰囲気の中で互いに話し合い、理解、共感、支持などを受け、問題解決に向かいながら、新しい人間関係を形成していき、各人が行動や人格の改善を目指す治療法
- 1名の治療者に5~6人の患者が適当である
- 治療内容は教育的なもの、自己開発的なものなど集団を構成している患者の目標によって異なる。
- アルコール依存者の断酒会、心理劇、家族療法などがある
家族精神療法
- 精神的に障害のある患者に対して、その患者の症状や問題の発生原因を家族システムの問題、反映として考え、個人を含む家族全体に対して行う療法
特殊精神療法
- 特定の理論に基づいた治療法であり、行動療法、森田療法、催眠療法、箱庭療法、精神分析療法、心理劇、来談者、中心療法などがある。