おかげ様で依頼件数 800 件突破!看護の課題に頭を悩ませていませんか?安心のサポートをご提供します。
おかげ様で依頼件数 800 件突破!看護の課題に頭を悩ませていませんか?安心のサポートをご提供します。
母性看護

公式ブログ/母性看護

母性看護

コーピング理論とは?問題中心と情動中心の違いと看護での観察ポイント

【看護学生さんへ】コーピング理論についてわかり易くまとめてみた。

「コーピング理論」とは、ストレスのもとになる出来事をどう受け止め(認知的評価)、どう対処するか(コーピング)に注目する考え方です。看護でよく使われるのは、心理学者のリチャード・S・ラザルスとスーザン・フォルクマンの理論です。

ラザルスらは、対処のしかたを大きく「問題中心コーピング」と「情動中心コーピング」の2つに分けました。どちらが正しいということはなく、その人の状況に合っているかどうかが大切です。

この記事では看護学生向けに、2つのコーピングの違いを患者さんの例で整理し、実習でコーピングを観察する視点とよくある疑問への答えをまとめます。

ねこ先生 ねこ先生
LINE相談は無料
赤ペンの指摘、どう直す?
一緒に整理しましょう

✓指摘の意味がよく分からない

✓どこをどう直せばいいか迷っている

✓期限が近くて、ひとりでは不安

匿名で相談できます | 相談・お見積もり無料

無理な勧誘・即決のお願いは一切ありません

コーピング理論の基本|ストレスは「人と環境の関係」でとらえる

「コーピング特性」という見方との違い

かつては、コーピングを防衛機制や性格特性としてとらえる考え方がありました。これをコーピング特性といい、人はどのような状況でもおおむね同じような対処をとると考えます。

ラザルスはこの見方とは異なり、コーピングは状況によって変化する力動的なプロセスであるとしました。同じ人でも、場面や時期が変われば対処のしかたは変わります。

ストレスは出来事そのものではなく「人と環境の関係」

ラザルスとフォルクマンは、ストレスを人と環境との関係としてとらえました。出来事が自分にとって重要で、しかも自分の対処できる力(資源)を超えそうだと評価されたときに、その関係がストレスフルになると考えます。

そのため、同じ「入院」でも、大きなストレスになる人とそうでない人がいます。認知的評価とコーピングは、出来事(原因)とストレス反応(結果)の間に入る「媒介過程」と位置づけられています。

認知的評価|出来事をどう受け止めているか

認知的評価とは、ストレッサーになり得る出来事が自分にとって何を意味するかを判断することです。一次評価・二次評価・再評価に分けて考えます。

一次評価:自分にとってどんな意味があるか

一次評価では、その出来事が自分にとってどのような性質のもので、どのくらい重要かを判断します。

  • 無関係:自分には影響がないと判断する
  • 無害・肯定的:害がない、または自分にとってよいことだと判断する
  • ストレスフル:自分にとって負担になると判断する

ストレスフルという評価は、さらに次の3つに分けられます。

  • 害・損失:すでに何かを失った(例:病気のため、これまでの仕事や役割を続けられなくなった)
  • 脅威:これから害や損失が起こりそうだと予想する(例:手術の痛みや合併症が心配)
  • 挑戦:負担はあるが、乗り越えることで得られるものがあると考える(例:リハビリに取り組めば、また歩けるようになるかもしれない)

二次評価:どう対処できるか

二次評価では、その出来事に対して何ができるか、どのくらいコントロールできるかを判断します。使える資源と対処の選択肢を見積もる段階です。

資源には、病気の知識、体力、経済的な余裕、相談できる家族や友人、医療者の支えなどがあります。資源が足りないと感じるほど、ストレスは強くなりやすいと考えられます。

再評価:情報や状況が変わると評価も変わる

評価は一度決まったら終わりではなく、新しい情報や状況の変化、対処の結果によって見直されます。これを再評価といいます。

たとえば手術を控えた患者さんが術後の流れや痛みへの対応の説明を受け、「何をされるか分からない」という脅威の評価から「準備をすれば乗り越えられそうだ」という評価に変わることがあります。看護師の関わりは、この再評価に影響します。

問題中心コーピングと情動中心コーピングの違い

コーピングとは、ストレスフルだと評価した出来事にうまく対応するために払われる努力のことです。ラザルスらは、コーピングをその働きによって2つに分けました。

問題中心コーピング(問題焦点型)

問題中心コーピングは、ストレスフルな状況そのものを変えるために、直接働きかけたり情報を集めたりして、問題の解決に向けて何かを行う対処です。

  • 新しく病気の診断を受けた患者さんが、病気や治療について医師に質問したり、資料を読んだりする
  • 手術を控えた患者さんが、術前の呼吸訓練に取り組んだり、入院中の仕事や家事の段取りを家族と相談したりする

情動中心コーピング(情動焦点型)

情動中心コーピングは、状況そのものは変えずに、出来事の感じ方や意味づけを変えたり、つらい気持ちをやわらげたりする対処です。「感情中心コーピング」と訳されることもあります。

  • 不安な気持ちを家族や看護師に話す
  • 音楽を聴く、散歩をするなどして気分を切りかえる
  • 「今できることをすればよい」と受け止め方を変える
  • しばらくは病気のことを考えないようにする

2つは組み合わせて使われる

実際には、1人の患者さんが2つを組み合わせて使っていることがよくあります。治療について質問しながら、夜は家族と電話で話して気持ちを落ち着ける、という形です。

一般に、自分の働きかけで変えられる状況では問題中心コーピングが、病気の診断のように変えにくい状況では情動中心コーピングが役立ちやすいと考えられています。

ねこ先生 ねこ先生
看護過程の筋道が分かると
自分の言葉で書けます

看護過程サポートなら、参考例と添削で理解しながら進められます

✓アセスメントから看護問題につなげられない

✓教科書の知識を事例につなげられない

✓指導者の指摘への対応に悩む

匿名で相談できます 相談・お見積もり無料

ご自身で理解し、まとめられるようにサポートします

看護で患者さんのコーピングをどう見るか

アセスメントでの位置づけ

ゴードンの機能的健康パターンの1つ「コーピング-ストレス耐性パターン」では、患者さんが何をストレスに感じ、どう対処し、誰に支えられているかを整理します。

NANDA-I看護診断には、「コーピング/ストレス耐性」の領域に「非効果的コーピング」などの診断名があります。使うときは、定義や診断指標を手元の版の『NANDA-I看護診断 定義と分類』で確認しましょう。

▶ あわせて読みたい:【ゴードン】コーピング−ストレス耐性パターンのアセスメント|終末期がん事例でわかりやすく解説

観察のポイント

評価とコーピングは、次の情報を組み合わせて読み取ります。1つの情報で決めつけないようにします。

  • 言動:病気や治療をどのように話しているか(「何が起きているのか分からない」「やれることはやりたい」など)
  • 表情・態度:表情のこわばり、落ち着きのなさ、口数の変化
  • 睡眠:寝つけない、夜中に何度も目が覚める
  • 食欲:食事量の変化
  • 情報の求め方:質問が多い、説明を聞こうとしない、自分で調べている
  • 周囲のサポート:家族や友人の面会、相談できる相手がいるか
  • これまでの対処:以前つらいことがあったとき、どのように乗り越えてきたか

2つのコーピングを支える関わり

問題中心コーピングを支えるには、患者さんが知りたいことを確かめて情報を提供したり、医師の説明を受ける機会を調整したりします。術前訓練や退院の準備など、できることを一緒に考えることも支援です。

情動中心コーピングを支えるには、気持ちを話せる時間をつくり、話をさえぎらずに聴きます。休息や気分転換がしやすい環境づくりや、家族の面会の調整も役立ちます。

場面で考える:手術を控えた患者さん

学習用の架空事例です。手術を数日後に控えた患者さんが「説明は聞いたけれど、頭に入らない」と話し、夜中に何度か目を覚ましています。一方で、術前の呼吸訓練には毎日取り組んでおり、面会に来た家族には「大丈夫」と話しています。

この患者さんは手術を「脅威」と評価している可能性があります。呼吸訓練は問題中心コーピング、家族の前で気持ちを抑えるのは情動中心コーピングととらえられます。説明の理解度を確かめて補い、不安を言葉にできる機会をつくることが看護の方向性になります。

「正しいコーピング」は1つではない

ラザルスらは、コーピングを結果の良し悪しで定義せず、うまくいったかどうかにかかわらず「対処しようとする努力」としてとらえました。同じ対処でも、状況によって役立つときとそうでないときがあります。

そのため看護では、その対処が今の状況に合っているか、健康を損なったり必要な治療を遅らせたりしていないかを見ます。飲酒や過食が増える、治療の拒否や不眠が続くといった場合は、チームで情報を共有して支援を考えます。

▶ 関連記事:非効果的コーピングの看護計画|ストレスとうまく向き合えない患者さんへのケアの考え方

看護学生のよくある疑問(Q&A)

Q. 情動中心コーピングは悪いもの?

A. 悪いものではありません。診断の直後など状況をすぐに変えられない時期は、まず気持ちを落ち着けることが次の行動につながります。注意したいのは、問題を避ける状態が長く続き、治療や準備が進まない場合です。

Q. 「何かの間違いだ」と病気を認めない言葉もコーピング?

A. 現実を受け止めきれないときに心を守る、情動中心コーピングの1つと考えられます。すぐに否定や説得をせず、背景にある気持ちを聴きながら、治療への影響がないかを観察します。

▶ 参考記事:防衛的コーピングの看護計画|「認めたくない」という気持ちの裏側に寄り添うために

Q. 実習記録ではどう書けばいい?

A. 「情報(言動・行動)→解釈(評価とコーピングの種類、役立っているか)→判断(支援の必要性)」の順に書くと整理できます。例:「術前訓練に意欲的に取り組み、問題中心コーピングがとれている。一方、不安を家族に話せていない可能性があり、気持ちを表出できる関わりが必要である」。

まとめ

コーピング理論では、ストレスを人と環境の関係としてとらえ、出来事の受け止め方(一次評価・二次評価・再評価)と対処に注目します。

コーピングには、状況を変えようとする問題中心コーピングと、気持ちや受け止め方を整える情動中心コーピングがあり、どちらか一方が正しいということはありません。

看護では、言動・表情・睡眠・食欲・情報の求め方・周囲のサポートから評価とコーピングを読み取り、その人に合った対処を支えます。

参考資料

ねこ先生 ねこ先生
ひとりで抱え込まずに
まずは状況を教えてください
相談の流れ
1
今の状況を
LINEで送る
›
2
指摘や考え方を
一緒に整理
›
3
自分の言葉で
まとめられる

✓赤ペンの写真を1枚送るだけでOK

✓内容がまとまっていなくても大丈夫

✓看護研究・考察の相談もOK

匿名で相談できます | 相談・お見積もり無料

相談だけでもOK | 匿名で相談できます | 9:00〜23:00