看護学生の多くが、ヘンダーソンの看護過程で最も苦戦するのが、看護問題の原因・誘因の特定です。
特に、特有の情報と支持する情報を区別し、体力・意思力・知識の3つの視点で原因を分析する形式は、かなりの難易度です。
多くの看護学校では、看護問題リストという参考書を使い、そこから適切な看護問題を選んで当てはめていく方法が求められます。
この記事では、看護問題リストを活用した分析・解釈の書き方を、具体例とともに詳しく解説します。
看護問題リストとは何か
看護問題リストとは、ヘンダーソンの14項目に基づいた看護問題を体系的にまとめた参考書です。
各看護問題について、定義、特有の情報、支持する情報、原因・誘因が詳しく記載されています。
看護学校によっては、この看護問題リストから適切な問題を選び、患者情報に合わせて当てはめることが求められます。
単にコピペするのではなく、患者の個別性に応じてアレンジすることが重要です。
特有の情報と支持する情報の違い
特有の情報とは、その看護問題に特徴的な症状や訴えです。
例えば、皮膚・粘膜の清潔の不足であれば、皮膚や陰部の汚れ、悪臭が特有の情報になります。
これは、その看護問題を判定するための決定的な証拠となる情報です。
支持する情報とは、その問題を裏付ける背景や状況です。
清潔行動が自力で取れない、皮膚粘膜の湿潤、不快感などが支持する情報です。
特有の情報だけでは判断できないときに、支持する情報が補強材料となります。
この2つを明確に区別することが、看護問題を正しく判定するポイントです。
看護問題の原因・誘因の3つの視点
看護問題の原因・誘因は、体力・意思力・知識の3つの視点で分析します。
体力とは、身体的な要因です。
疾患、妊娠、手術、疼痛、意識障害、年齢などが含まれます。
意思力とは、心理的な要因です。
不安、恐怖、気がね、無関心、依存的傾向などが該当します。
知識とは、情報や理解に関する要因です。
知識不足、理解不足、誤った知識、情報不足などです。
看護問題リストには、各看護問題ごとにこれらの原因・誘因が詳しく記載されています。
患者の状態に合わせて、該当するものを選んで当てはめます。
看護問題リストの使い方
まず、患者のS情報とO情報を整理します。
次に、どの基本的欲求が未充足なのかを判断します。
例えば、排泄に関する訴えがあれば、3番目の欲求です。
看護問題リストを開き、該当する欲求のページを見ます。
そこには、複数の看護問題が記載されています。
排泄に伴う不快感、便秘、下痢、尿失禁などです。
患者の特有の情報と支持する情報を照らし合わせ、最も適切な看護問題を選びます。
選んだ看護問題の原因・誘因のリストから、患者に該当するものをピックアップします。
そして、患者の具体的な情報を加えながら、自分の言葉でアセスメントを書きます。
実践例:排泄に伴う不快感
ここでは、排泄に伴う不快感という看護問題を例に解説します。
まず、看護問題リストで排泄に伴う不快感のページを開きます。
定義は、排泄の際のプライバシーや身体的安楽が保持されず、苦痛や気がねを感じている状態です。
特有の情報は、苦痛や気がねの訴え・しぐさです。
支持する情報として、床上排泄、排泄の場所や様式の変化、自力で排泄できない、などがあります。
患者のS情報として、トイレに行くのが怖い、看護師を呼ぶのが申し訳ないという訴えがあります。
O情報として、破水により羊水が流出している、陣痛間欠4分、最終排尿から3時間経過などがあります。
これらを照らし合わせると、特有の情報である苦痛や気がねの訴えに該当します。
支持する情報として、排泄の場所や様式の変化、自力で排泄できないが該当します。
次に、原因・誘因を看護問題リストから選びます。
体力の要因として、疼痛、分娩後が該当します。
意思力の要因として、排泄援助への気がねが該当します。
知識の要因として、安楽な排泄方法に関する知識不足、病態に関する理解不足が該当します。
これらをもとに、患者の具体的な状況を加えてアセスメントを書きます。
実践例:皮膚・粘膜の清潔の不足
次に、皮膚・粘膜の清潔の不足という看護問題を例に解説します。
看護問題リストでこの問題のページを開きます。
定義は、身体の皮膚・粘膜の清潔を保持できず、個々の清潔の基準が下がっている状態です。
特有の情報は、皮膚、陰部の汚れ、悪臭です。
支持する情報として、皮膚・粘膜の不快感、湿潤、清潔行動が自力で取れないなどがあります。
患者のS情報として、おしもが気持ち悪い、パットを変えられていないという訴えがあります。
O情報として、外陰部に軽度掻痒感あり、破水によりシャワーが使えない、陣痛間欠4分などがあります。
特有の情報として、陰部の不快感が該当します。
支持する情報として、皮膚粘膜の湿潤、清潔行動が自力で取れないが該当します。
原因・誘因を看護問題リストから選びます。
体力の要因として、妊娠・産褥、疼痛が該当します。
意思力の要因として、清潔行動をとることへの不安が該当します。
知識の要因として、清潔方法に関する知識不足が該当します。
これらをもとに、破水後の清潔保持の困難さを具体的に記述します。
実践例:療養法の未習得
療養法の未習得という看護問題を例に解説します。
看護問題リストでこの問題のページを開きます。
定義は、個人が最良の健康生活習慣に従った生活を履行するのに必要な知識を学習していない、または不足している状態です。
特有の情報は、予防法や治療法についての知識不足の言動・実態です。
支持する情報として、治療法を選択することができないという言動、初めての事態への直面、混乱した情報の入手などがあります。
患者のS情報として、両親学級で習った方法が上手くいかない、どうしたらいいですかという訴えがあります。
O情報として、初産婦、陣痛間欠4分、育児雑誌を見ながらマッサージをしているなどがあります。
特有の情報として、予防法や治療法についての知識不足の言動に該当します。
支持する情報として、初めての事態への直面、混乱した情報の入手が該当します。
原因・誘因を看護問題リストから選びます。
体力の要因として、疼痛の持続が該当します。
意思力の要因として、不安、恐怖、動揺が該当します。
知識の要因として、情報の不足が該当します。
これらをもとに、初産婦が陣痛緩和法を習得できていない状況を記述します。
アセスメントの書き方のコツ
看護問題リストから情報を選んだら、それをそのまま書き写すのではありません。
患者の具体的な情報を加えて、自分の言葉で書き直します。
例えば、体力の要因として疼痛とリストに書いてあっても、そのまま疼痛とだけ書くのではなく、陣痛間欠4分、陣痛発作30秒という分娩進行中の疼痛と具体的に記述します。
意思力の要因として気がねとあれば、看護師を度々呼ぶのは申し訳ないという具体的な訴えを加えます。
知識の要因として知識不足とあれば、破水後の排泄方法への理解不足と具体化します。
このように、看護問題リストはあくまで参考であり、患者の個別性を加えることが重要です。
根拠を示すことの重要性
アセスメントには、必ず根拠を示す必要があります。
なぜそう判断したのかを、生理学的な視点や正常値との比較で説明します。
例えば、陣痛による疼痛が清潔行動を妨げていると述べるなら、陣痛のメカニズムを説明します。
子宮収縮に伴いプロスタグランジンやオキシトシンが分泌され、疼痛が生じることを記載します。
また、正常値との比較も効果的です。
胎児心拍数基線FHR140bpmは正常範囲内の110から160bpmであると示します。
このように、根拠を持って説明することで、アセスメントの質が高まります。
個別性を出すためのポイント
看護問題リストを使うと、どうしてもテンプレート的な内容になりがちです。
しかし、個別性を出すことが評価のポイントです。
患者の年齢、職業、家族構成、性格などを盛り込みます。
例えば、小学校教師という職業背景、真面目な性格、夫や実母のサポートがあるといった情報です。
また、患者の強みも必ず記載します。
毎日入浴する清潔習慣がある、両親学級を受講している、前向きな発言があるなどです。
ウェルネス視点を持ち、問題だけでなく強みも評価することが重要です。
看護の方向性の書き方
看護の方向性は、原因・誘因に対応した具体的な援助内容を示します。
体力の要因である疼痛に対しては、陣痛の間欠期を活用した援助を計画します。
意思力の要因である気がねに対しては、援助を求めることの重要性を伝え、心理的支援を行います。
知識の要因である理解不足に対しては、正しい知識を提供し、具体的な方法を指導します。
また、患者の強みや家族のサポートを活用することも盛り込みます。
夫の協力を得ながら、本人が安心して実践できるような環境を整えると記載します。
難易度の高い課題への対応
ヘンダーソンの看護過程で、看護問題リストを使った分析は高難度です。
特有の情報と支持する情報を正しく区別し、適切な看護問題を選ぶ必要があります。
さらに、体力・意思力・知識の3つの視点で原因を分析し、患者の個別性を加える必要があります。
根拠を持って論理的に説明し、ウェルネス視点も忘れてはいけません。
このような難易度の高い課題に対して、当サービスでは完全対応しています。
経験豊富な看護師が、看護問題リストを活用した分析・解釈の書き方を丁寧に指導します。
当サービスでできること
当サービスでは、ヘンダーソンの看護過程の作成を完全サポートしています。
看護問題リストから適切な問題を選び、患者の個別性に応じたアセスメントを作成します。
特有の情報と支持する情報を正しく区別し、体力・意思力・知識の視点で原因を分析します。
根拠を持った論理的な記述、ウェルネス視点の組み込み、具体的な看護の方向性の提示も行います。
学校指定の書式やフォーマットにも柔軟に対応します。
また、一度作成した内容について、なぜこのように書いたのかを丁寧に解説しますので、学習にもつながります。
実際の活用例
例えば、母性看護の実習で、分娩期の産婦さんを受け持ったとします。
破水後の排泄や清潔に関する看護問題を立てる必要があります。
看護問題リストを見ても、どれを選べばいいのか分からない、選んだとしても個別性をどう出せばいいか分からない。
このようなときに、当サービスを利用すれば、適切な看護問題の選定から、個別性のあるアセスメント作成までサポートします。
完成した参考資料を見ることで、どのように情報を整理し、どのように根拠を示し、どのように個別性を出すのかが学べます。
次回から自分で書く際の参考になります。
まとめ
ヘンダーソンの看護過程で、看護問題リストを使った分析は高難度の課題です。
特有の情報と支持する情報を区別し、体力・意思力・知識の視点で原因を分析します。
看護問題リストはあくまで参考であり、患者の個別性を加えることが重要です。
根拠を持って論理的に説明し、ウェルネス視点も忘れずに取り入れます。
このような難しい課題に対して、当サービスでは完全対応しています。
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