看護学生が実習や課題で必ず直面するのが、ゴードンとヘンダーソンのどちらを使うかという問題です。
両方とも看護過程の枠組みとして広く使われていますが、それぞれに特徴があり、使い分けが必要です。
学校によって指定されることもあれば、自分で選べることもあります。
この記事では、ゴードンとヘンダーソンの違いを詳しく解説し、どちらを使えばいいのか、使い分けのポイントを説明します。
実習や課題で迷わないよう、それぞれの特徴を理解しましょう。
ゴードンとは何か
ゴードンとは、マージョリー・ゴードンが提唱した11の機能的健康パターンに基づく看護過程の枠組みです。
11の機能的健康パターンとは、健康知覚・健康管理、栄養・代謝、排泄、活動・運動、睡眠・休息、認知・知覚、自己知覚・自己概念、役割・関係、性・生殖、コーピング・ストレス耐性、価値・信念です。
これらのパターンごとに患者の状態を評価し、看護問題を明確にします。
ゴードンは機能的な視点で患者を捉えるため、身体的・心理的・社会的側面を統合的に評価できます。
NANDA-Iという国際的な看護診断分類と相性が良く、標準化された看護診断を使いやすいという特徴があります。
ヘンダーソンとは何か
ヘンダーソンとは、ヴァージニア・ヘンダーソンが提唱した14の基本的欲求に基づく看護過程の枠組みです。
14の基本的欲求とは、正常な呼吸、適切な飲食、あらゆる排泄経路から排泄する、身体を清潔に保つ、体温を調節する、休息と睡眠をとる、適切な衣類を選び着脱する、環境を調整する、身体を動かす、コミュニケーションをとる、信仰する、生産的活動をする、遊ぶ、学習するです。
これらの欲求が充足されているか、未充足かを判断し、看護問題を明確にします。
ヘンダーソンは基本的欲求という視点で患者を捉えるため、日常生活行動に焦点を当てた評価がしやすいです。
特に日本の看護教育では長く使われており、多くの看護学校で採用されています。
ゴードンとヘンダーソンの大きな違い
両者の最も大きな違いは、評価の視点です。
ゴードンは機能的健康パターンという機能面から患者を評価します。
ヘンダーソンは基本的欲求という欲求の充足・未充足から患者を評価します。
ゴードンは、健康知覚・健康管理というパターンで、患者が自分の健康をどう捉えているかを評価します。
ヘンダーソンは、正常な呼吸という欲求で、呼吸が正常にできているかを評価します。
つまり、ゴードンは患者の主観的な健康観や生活機能に注目し、ヘンダーソンは客観的な基本的ニーズの充足状態に注目します。
この視点の違いが、アセスメントの書き方や看護問題の立て方に影響します。
項目数の違い
ゴードンは11項目、ヘンダーソンは14項目です。
項目数が少ないゴードンの方が、全体を把握しやすいという意見もあります。
しかし、ヘンダーソンの方が具体的で細かく分類されているため、初学者には分かりやすいという意見もあります。
実際には、どちらが優れているということではなく、目的や患者の状態によって使い分けることが重要です。
項目数の違いよりも、それぞれの視点の違いを理解することが大切です。
看護診断の立て方の違い
ゴードンは、NANDA-Iの看護診断と組み合わせて使うことが多いです。
NANDA-Iは、国際的に標準化された看護診断のリストです。
例えば、非効果的健康管理、活動耐性低下、急性疼痛などの診断名があります。
ゴードンの11のパターンで情報を整理し、該当するNANDA-I診断を選びます。
一方、ヘンダーソンは、看護問題リストという参考書を使うことが多いです。
看護問題リストには、各基本的欲求ごとに看護問題が記載されています。
例えば、排泄に伴う不快感、皮膚・粘膜の清潔の不足、療養法の未習得などです。
ヘンダーソンの14項目で情報を整理し、看護問題リストから該当する問題を選びます。
このように、使用する診断リストが異なる点も大きな違いです。
アセスメントの書き方の違い
ゴードンのアセスメントは、各パターンごとに統合的に記述します。
例えば、栄養・代謝パターンでは、食事摂取状況、体重変化、検査データ、皮膚の状態などを統合して評価します。
複数の情報を関連づけて、そのパターン全体としての健康状態を判断します。
ヘンダーソンのアセスメントは、各欲求の充足・未充足を判断し、未充足の場合はその原因・誘因を体力・意思力・知識の視点で分析します。
例えば、適切な飲食という欲求が未充足であれば、その原因が疾患による嚥下障害なのか、意欲低下なのか、食事方法の知識不足なのかを分析します。
ゴードンは統合的評価、ヘンダーソンは個別的分析という違いがあります。
どちらが難しいか
一般的に、ゴードンの方が難しいと感じる学生が多いです。
理由は、機能的健康パターンという概念が抽象的で、何をどう評価すればいいか分かりにくいからです。
また、NANDA-I診断は英語由来の専門用語が多く、理解に時間がかかります。
ヘンダーソンは、基本的欲求という日常生活に近い概念なので、イメージしやすいです。
ただし、ヘンダーソンでも、体力・意思力・知識の視点で原因を分析する部分は難易度が高いです。
結局、どちらも慣れが必要であり、最初は難しく感じるものです。
母性看護・小児看護ではどちらを使うか
母性看護や小児看護では、ヘンダーソンが使われることが多いです。
理由は、妊婦や産婦、新生児、小児は病気ではなく、正常な発達過程にあるからです。
基本的欲求の充足状態を評価し、ウェルネス視点で看護を考えるヘンダーソンが適しています。
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また、母性看護では、妊娠・出産・産褥という生理的変化に伴う欲求の変化を評価しやすいです。
小児看護では、発達段階に応じた欲求の充足を評価しやすいです。
ただし、学校によってはゴードンを使うこともあるため、指定に従う必要があります。
成人看護・老年看護ではどちらを使うか
成人看護や老年看護では、ゴードンが使われることが多いです。
理由は、慢性疾患や複数の疾患を抱える患者が多く、機能的健康パターンで統合的に評価する方が適しているからです。
例えば、糖尿病患者の場合、栄養・代謝パターン、活動・運動パターン、コーピング・ストレス耐性パターンなど、複数のパターンに問題が関連します。
これらを統合的に評価し、優先順位をつけて看護を展開する際、ゴードンが有効です。
ただし、ヘンダーソンを使う学校もあるため、指定に従う必要があります。
精神看護ではどちらを使うか
精神看護では、ゴードンが使われることが多いです。
理由は、自己知覚・自己概念、役割・関係、コーピング・ストレス耐性など、心理社会的側面を評価しやすいからです。
精神疾患を持つ患者は、身体的問題よりも心理的・社会的問題が中心となることが多いです。
ゴードンの機能的健康パターンは、これらの側面を包括的に評価できます。
ヘンダーソンでも評価できますが、心理社会的側面の評価項目がやや弱いとされています。
学校の指定がある場合
多くの看護学校では、使用する枠組みが指定されています。
この場合、迷う必要はありません。
指定された枠組みに従って、アセスメントを書きます。
学校によっては、実習によって使い分けることもあります。
例えば、母性看護実習ではヘンダーソン、成人看護実習ではゴードンというように指定されます。
指定がある場合は、その指示に従うことが最優先です。
学校の指定がない場合
指定がない場合は、患者の状態や実習の目的に応じて選びます。
正常な発達過程にある対象であれば、ヘンダーソンが適しています。
複数の問題を抱え、統合的評価が必要な対象であれば、ゴードンが適しています。
また、自分が慣れている方を選ぶことも一つの方法です。
初めての実習であれば、ヘンダーソンから始める方が分かりやすいかもしれません。
慣れてきたら、ゴードンにも挑戦してみるとよいでしょう。
両方使えるようになるべきか
看護師として働く上で、両方の枠組みを理解していることは有益です。
病院や施設によって、使用している枠組みが異なるからです。
学生のうちに両方に触れておくと、就職後に役立ちます。
ただし、学生のうちに両方を完璧にマスターする必要はありません。
まずは一つの枠組みをしっかり理解し、使えるようになることが重要です。
その後、余裕があればもう一つの枠組みも学ぶとよいでしょう。
それぞれの長所と短所
ゴードンの長所は、統合的評価ができること、国際標準のNANDA-I診断が使えることです。
短所は、概念が抽象的で理解しにくいこと、初学者には難しいことです。
ヘンダーソンの長所は、具体的で分かりやすいこと、日常生活行動に焦点を当てやすいことです。
短所は、心理社会的側面の評価がやや弱いこと、統合的評価がしにくいことです。
どちらにも長所と短所があり、完璧な枠組みはありません。
目的や対象に応じて、適切な枠組みを選ぶことが重要です。
困ったときの対処法
どちらを使えばいいか迷ったときは、まず指導者に相談します。
実習指導者や教員に、どちらを使うべきか確認しましょう。
また、過去の先輩の実習記録を参考にすることも有効です。
同じ実習で、どちらの枠組みが使われているかを確認します。
それでも迷う場合は、自分が理解しやすい方を選びます。
アセスメントの質は、枠組みの選択よりも、患者をどれだけ深く理解できているかで決まります。
まとめ
ゴードンとヘンダーソンは、それぞれ異なる視点で患者を評価する枠組みです。
ゴードンは機能的健康パターン、ヘンダーソンは基本的欲求という違いがあります。
母性看護・小児看護ではヘンダーソン、成人看護・老年看護・精神看護ではゴードンが使われることが多いです。
ただし、学校の指定がある場合は、それに従うことが最優先です。
どちらを使うにしても、患者の個別性を捉え、根拠を持ってアセスメントすることが重要です。
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