目的
- 細菌の繁殖を防ぎ、感染を予防する
- 食物残渣や歯垢を除去し、う歯、歯周疾患を予防する
- 口臭を予防する
- 気分を爽快にし、食欲を増進させる
注意点 留意点
- 患者の状態に合わせて口腔清掃の方法を選択する。口腔を清潔にする一般的方法には含嗽、歯磨き、口腔清拭がある。最も望ましい方法は歯ブラシによる歯磨きであるが、自分の歯が一本もない総入れ歯の患者やうがいが自分でできない意識障害の患者、重度の嚥下障害のある患者などでは口腔清拭を選択する
- 口腔清拭を行う際は安全で、安楽な体位を選択する。口腔清拭時の体位は誤嚥を予防するため座位、あるいはファーラー位がよい。しかし、疲労しやすい体位なので、体力のない患者や座位が不可能な患者の場合はセミファーラー位、側臥位、仰臥位など患者の状態に応じた体位を選択する
歯ブラシ使用による口腔ケアの手順 手技 方法
含嗽が出来る患者
- 必要物品を患者のところへ持ってゆく
- 患者を可能な側へ側臥位にし、安楽な体位とする
- 顎の下から両肩部分をフェイスタオルで覆う
- 患者の口腔内が見える位置で介助する
- ゴム手袋を着用する
- 歯ブラシを濡らし、歯磨き粉をつける
- 必要に応じて歯間ブラシ、デンタルフロスで歯垢、食物残渣を除去する
- 患者の口元でガーグルベースンを受け、唾液や歯磨き粉を時々吐き出させるようにする
- 磨き終わったらウォッシュクロスを洗面器の湯ですしでしぼり、口の周囲を吹く
- ゴム手袋をはずす
- 患者を安楽な体位に戻す
- ゴム手袋を着用し、患者の歯ブラシ、歯磨き粉、吸い飲みを洗い、続いてガーグルベースンは洗って、消毒液に浸しておく
- ゴム手袋をはずし、患者の歯ブラシ、歯磨き粉、吸い飲みを元の場所に戻す
含嗽ができない患者
- 必要物品を患者のところへ持ってゆく
- 患者を可能な側へ側臥位にし、安楽な体位とする
- 顎の下から両肩部分をフェイスタオルで覆う
- 患者の口腔内が見える位置で介助する
- ゴム手袋を着用し、歯磨き粉をつけないでブラッシングする
- 舌圧子をペンライトを用いて口腔内を観察しながら、水で湿らせた綿棒で食物残渣、分泌物、舌苔を除去する
- 汚れがなくなるまで拭き取る
- 使用済みの綿棒、またはスポンジブラシはガーグルベースンに入れ、まとめて廃棄する
- 終了したら、ウォッシュクロスを湯に浸してしぼり、口の周囲の汚れを拭き取る
- ゴム手袋を外す
- 口唇が乾燥しているときは患者の好みによってリップクリームを塗る
- 患者を安楽な体位に戻す
- 使用した物品を片付ける
観察項目 観察ポイント
出血・膿の有無 疼痛の有無 口臭 開口障害の有無
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