目的
低酸素状態を改善する
注意点と方法
酸素の特性を知って危険を予防する
- 酸素は常温では無色・無臭の気体で空気よりも重い
- 酸素は化合しやすい
- 油類は酸素があれば低い発火点で引火しやすい
- 助熱性が強いので、火気を近づけると強度の酸化現象が起こる
- 酸素吸入中は火気に注意し、マッチ、タバコ、ライターなどを近くで使用しないように面会人にも注意する。
- 可燃物をそばに置かない
酸素ボンベおよび吸入器の取り扱いを十分に知る
- 酸素は鉄製のボンベの中に150気圧に圧搾されている
- 酸素ボンベの保存は日光の当たる場所や火気のある場所から遠ざけ、冷暗所に置く
- 中央配管気の場合はアダプターの着脱に合わせて酸素が漏れていないか確認する
- 酸素流量は指示された濃度で正しく吸入させる
- 必要時、患者および家族に酸素の流量状態について説明するとともに異常時には勝手に操作せず直ちに看護師に報告するように伝える。また、管の接続部のはずれ、管の屈曲やからまりに注意する
患者に苦痛を与えない
- 意識のある患者には酸素吸入の必要性を説明する
- 酸素は一度、湿潤装置を通し、湿気を与え、塵埃を除いて鼻腔粘膜の刺激を少なくする。なお、3L以下の吸入量では鼻腔粘膜への刺激に差がないというデータがあり、湿潤装置を用いない場合がある。
観察項目 観察ポイント
- バイタルサイン
- 動脈血液ガスの変化
- 呼吸状態(呼吸数、呼吸様式、チアノーゼの有無)
- 舌根沈下
- 気道内分泌物の状態
- 正しい装着がされているか
- 指示通りの流量が投与されているか
- 流量計、加湿器、チューブ、マスクなどの接続部のゆるみがないか
- チューブが患者の体やベッド柵にはさまれて折れ曲がっていないか
- マスクと皮膚の接触部の刺激の予防
- 鼻カニューレは鼻腔粘膜にびらんができていないか、チューブと皮膚の接触部の観察(ガーゼや包帯などで工夫)
- 口鼻腔の乾燥や口渇の観察
- 原則的には腹腔内臓器が胸郭を圧迫しないようにファーラー位かセミファーラー位とする
- 呼吸困難に伴う身体的症状