鍵
- 施錠箇所を常に点検し、破損や開閉が円滑にいかない場合は直ちに交換、または修理を依頼する
- 扉の開閉時には施錠確認を行い、患者の行動に注意し、事故につながらないように配慮する
- 鍵は患者にとって非情な心理重圧を与えるため、目立たないよう静かに取り扱う
- 常に身につけ落としたり、置き忘れたり、紛失しないようにする
守秘
- 医師、看護師などの医療従事者は職務上知りえた秘密を他人にもらしてはならない
- 違反すると刑事罰を受ける
- 医療担当官庁への報告、決定届出事項、相手が患者の近親者、患者本人が同意している場合などは除外される
- 刑事・民事事件において、警察官による取調べ、検察官による取調べ、裁判所における証言でも秘守義務を行使できる
私物・金銭
- 本来、個人で行う私物の購入や管理を看護師が同行して行うことがある
問題となる原因
- 患者が考えている残高に違いが生じるとき
- 入院当初の混乱状態で記憶がはっきりしないとき
対策
- 入院時は私物を最小限にし、必要のないものは持ち帰ってもらう
- 混乱を避けるためには家族を交えて私物台帳に記載する
- 外出・外泊が出来る患者には自分で管理することをすすめる
離院
原因
- 病識欠如によるもの、幻覚・妄想の影響によるもの、欲求不満によるもの、家庭、家族への心配、また、高齢患者の見当識障害がある
看護
- 離院はその後の二次的な事故が重大である。
- 離院を防止するには個々の患者の状態の把握と観察を行い、注意を怠らないことが大切であるが、日常の援助行動の中で、患者、看護者間の日常の信頼関係を確立することが重要である。
- 具体的には鍵の開閉の確認、人員の確認、食事・服薬時、移動時などの人員の確認が大切であるが、患者に不快感を与えない方法で行うことが大切
- 帰院した場合は温かく迎え入れ、緊張した気分を和らげ、全身状態の観察を行い、必要に応じて処置をする
自殺
原因
- 自殺の原因は様々である
- 入院そのものが動機となる場合がある
- 代表的なのはうつ病患者の抑うつ感情、苦悶、罪業妄想に支配されての自殺企図、統合失調症患者では幻覚・妄想などの病的体験によるものが多い
看護
- 自殺のおそれのある患者は常に視野のなかにおいて行動を観察し、危険な場合は看護者はそばに付き添う。
- 患者の心理状態の理解に努め、心的緊張を緩和するためにも受容的な態度で話相手になる
- 病室内の刃物やひも、ベルトなど危険物は看護室に預かる
- 看護者間の情報交換を密にはかり、患者の理解を深め、日常生活全般を通して、信頼関係をはかり、自殺予防に努める
- 不幸にして自殺事故発生の場合はすぐにひもを切断、人工呼吸を行う
- 応援を求め救急処置を行う
暴力
原因
- 幻覚・妄想など病的体験による暴力行為や、精神運動興奮による暴力などがあげられるが、集団生活による対人関係のトラブルなどによる暴力もある
看護
- 他の患者への被害を防止するため、ただちに制止し、冷静に実態を把握し、説得を試みる
- 興奮が激しく暴力行為が続く恐れのある場合は患者の安全のために隔離しなければならないこともある
- 常に暴力行為は絶対に容認されない行為であることを機会あるごとに話し合っておくことも大切である
- 暴力を受けた看護者のサポートも忘れてはならない
迷惑行為
- 幻覚や妄想に支配され、火を使ったり、入院に対する不満で嫌がらせをしたりする
- 火災への危険もあるため注意する
- 常に患者を観察し、未然に防止するようにする
- タバコの不始末による火災も多いので喫煙場所を決め、しっかりと消化できるシステムを作り、患者の指導が大切である