病態
関節構成体とくに関節軟骨の破壊性疾患で、関節に加わるいろいろな負荷とこれに耐える関節の受容力の不均衡により、関節全体に退行性変化と増殖性変化を起こし症候性となった状態である。
症状
疼痛
患者の訴えが最も多いのは疼痛である。特に初期の場合は、動作開始時痛といわれ、立ち上がりなどの動作を始めたときに疼痛があり、動作を続けていると疼痛が軽快または消失する。症状が進行するにしたがい動作中の疼痛に変わる。日本人の場合はO脚が多いので、荷重痛は関節の内側部に最も強い。大腿膝蓋関節症の場合は、坂や階段の昇り降りで大腿膝蓋関節、膝蓋骨周辺に疼痛を訴える。
腫脹
腫脹があると関節のこわばりを訴えることが多い。
運動障害
疼痛や拘縮により膝関節運動が障害される。
変形
特に内側型(大腿脛骨関節の内側が主に変形する)では、O脚変形が多い。
異音
関節運動時に音を発する。疼痛を伴うことも伴わないこともある。
検査
- 関節穿刺
- 単純X線撮影
- 断層X線撮影
- 関節鏡
- CTスキャン
- 生化学検査及び血液一般検査
- 動脈血ガス分析(術前・術後酸素投与終了後)
- 術前の肺機能検査
- 肺血流スキャン・肺換気スキャン(術前・術後)
治療
保存的療法
日常生活動作指導、食事療法による体重のコントロール、自宅で行う膝関節筋群(大腿四頭筋など)強化訓練、杖・サポーター・装具・足底板の使用、理学療法、消炎鎮痛薬の投与、ステロイド剤関節内注入など。
観血的療法
関節内デブリードマン(滑膜切除、半月板トリミング、骨棘切除、軟骨形成)、脛骨高位骨切り術(HTO)、補形的関節形成術、人工膝関節置換術(TKA)など。
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