病態
- 糖尿病は、体内におけるインスリンの作用不足により、高血糖をはじめとする代謝異常が生じる疾患である。高血糖状態が長期化すると、種々の合併症が出現してくる。
- 1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の機序や疾患によるもの、および妊娠糖尿病に分類される。
症状
高血糖症状
- 急性に起こる典型的な高血糖症状は、口渇、多飲、多尿、体重減少、全身倦怠感など。
- 口渇・多飲:浸透圧利尿によって脱水状態が引き起こされる。
- 多尿:高血糖によって尿jiMiが多く出現し、浸透圧利尿が起こる。
- 体重減少:インスリンの作用不足により、脂肪組織の分解や筋肉の減少をきたす。
合併症
- 急性合併症:インスリンが極端に欠乏すると、著しい高血糖、ケトーシス、代謝性アシドーシス、脱水症状が起こる(糖尿病性ケトアシドーシス)。治療が遅れると意識障害から死に至ることもある。
- 慢性合併症:高血糖状態のまま長期間経過すると、糖尿病特有の三大合併症(糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症)が出現する。
検査・診断
- 血糖検査:早朝空腹時血糖値126mg/dL、あるいは随時血糖値200mg/dLが認められ、口渇、多飲、多尿、体重減少など典型的な高血糖症状があれば、糖尿病と診断する。典型的な症状がない場合には別の日に再検査を行う。
- 血糖検査で診断がつかない場合には、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行う。
治療
治療の目的は種々の合併症を予防することで、そのための基本として食事療法、運動療法、薬物療法が行われる