病態
腎不全とは、腎機能が低下したために身体の内部環境の恒常性を維持できなくなった状態である。
症状
急性腎不全
- 尿量の減少、乏尿、無尿となり、そのために肺水腫、浮腫がみられる。
- 高窒素血症による消化器症状(悪心、嘔吐)、精神神経症状(意識障害、痙攣)などを
生じる。
慢性腎不全
- 無症状から重篤な尿毒症が現れるまで様々な状態がある
検査・診断
- 血液・生化学検査(BUN、血清クレアチニン、GFR)、尿検査
- 腎機能検査:内因性クレアチニン・クリアランスなど
- CT、胸部X線、心電図、超音波
治療
急性腎不全
腎前性腎不全
- 原因疾患への治療を基本として、輸液療法やカルシウム製剤投与(高カリウム血症時) などで対応する。
腎性腎不全
- 糸球体性や問質性の疾患によるものは、原因疾患の治療が中心になる。
- 腎機能が回復するまでは腎不全の管理として、食事療法(低蛋白、高エネルギー、水分・塩分制限)、薬物療法(利尿薬、降圧薬など)、透析療法(症状悪化時)を行う。
- 尿細管壊死による腎不全では、腎不全の管理を中心にして原疾患の治療を行う。早期からの透析が望ましい場合もある。
腎後性腎不全
- 尿路閉塞の原因を取り除く。腎瘻を設置することもある。