胃がん ヘンダーソン 看護過程（アセスメント）解説

事例紹介

基本情報：
年齢：45歳
性別：女性
診断：胃がん

職業：
美容師
接客業で、ストレスが溜まりやすいが弱音を吐かない。
最先端の技術の取り入れを日々努力。

家族構成：
夫：50歳、会社員
子供：長男20歳(大学生)、長女16歳(高校生)
4人家族
父は胃がんで死亡。

生活習慣：
食生活：不規則でファーストフードやほか弁が多い。
喫煙：20～45歳、20本/日
休息：0時就寝、6時半起床、深夜まで働くが良好な睡眠。
休日：勉強会や講習会に多忙。旅行をしたいができていない。
その他：毎日の洋服選びに気を使う、入浴やシャンプーの習慣あり。

嗜好：
飲酒：生ビール1本(500ml)/日
その他：家庭菜園や旅行が好き、おしゃれも好き。

身体活動：
通勤：自家用車20分
散歩：動物の散歩と公園のウォーキング

性格：
社交的、頑固、繊細で他人に気を使う、話が上手い。

信仰：なし

入院時の患者状況：
胃痛はないが重苦しい感じ持続。
手術や入院に対する不安や緊張が見受けられる。

手術詳細：
手術：胃全摘術、ビルロート〇法で再建
手術時間：4時間
術中出血量：○○ml
術中尿量：○○ml

胃がんの病態生理のポイント

胃がんは、胃の粘膜から始まる悪性の腫瘍で、胃のがんの中でも特に多いものです。

その主なタイプは「腺がん」と呼ばれるものです。

胃がんは、特に胃の幽門前庭部や胃体部小彎側、噴門部に多いのに対して、胃体部大彎側にはあまり見られません。

胃がんの原因については、完全には分かっていませんが、遺伝や塩分の多い食事、喫煙などが関係していると考えられています。

特に、ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌の感染が胃がんの原因となることが分かっています。

胃がんは、初めは胃の表面に留まることが多いですが、時間が経つと深く浸入し、他の場所へも広がりやすくなります。

この「広がる」ことを「転移」と言います。

胃がんは、リンパ節へ、血液を通じて他の臓器へ、そして腹腔内に広がることがあります。

特に、血液を通じて広がる場合、肝臓に移ることが多いです。

治療の効果は、がんがどれだけ進行しているかによって変わります。

早く発見すると、治る確率が高くなるため、定期的な健診が大切です。

呼吸のアセスメント（ヘンダーソン14項目）

胃を取る手術をすると、お腹の筋肉を切る必要があるので、呼吸する時の動きが制限されます。

これが原因で、表面的な呼吸しかできなくなり、酸素が十分に体に行き渡らないことがあります。

手術後の咳や痰を出すときに痛みが出るため、痰の排出が難しくなり、呼吸の道がふさがり、一部の肺が機能しなくなることも。

そうなると、細菌が増えて肺炎になるリスクも上がります。

これらの状態が続くと、手術の傷も治りにくくなります。

A氏の場合、手術の後、麻酔や気管のチューブによる刺激で、気道内の分泌物が増えていると考えられます。

また、タバコを吸っていた経験があるため、分泌物が多い可能性が高く、肺炎のリスクも上がっています。

手術後はベッドでの時間が長くなるので、痰の排出が難しい状態です。

痛みをコントロールしながら、呼吸や痰の排出を助ける方法、湿った空気を吸入して痰を出しやすくするなどの対策が必要です。

さらに、A氏の手術後の呼吸の音は弱く、特に肺の下の方では呼吸の音がほとんど聞こえないことや、時々息苦しさが出ている状態です。

その上、痛みのせいで効果的に咳ができていないので、十分な酸素を取り込めていないかもしれません。

これからは、痛みを感じないような咳の仕方のアドバイスや、水分の摂取、活動の大切さなどを説明しながら、呼吸や痰の排出をサポートしていく必要があると思います。

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